新技術と人工知能の進化によりリアルタイムの信号処理が上がったオーティコンのプレミアム補聴器「リアル」

2023.04.16

デンマークに本社を置く創業110余年の補聴器メーカー、オーティコン補聴器(以下オーティコン)は、最新のプレミアム補聴器「オーティコンリアル（Oticon Real）」（※以下リアル）の受注を開始した。

同社では、補聴器ユーザーや専門家が以前から聞き取りに悪影響を与えると感じていた急激な音の変化や風切り音などの課題を解決するため、新技術「リアルサウンド・テクノロジー」を開発。音声の明瞭性と快適性を実現した。

さらにオーティコンリアルでは、高精度な人工知能を搭載した新プラットフォーム「ポラリスR」を採用。新技術と人工知能によるリアルタイムの信号処理を次なるレベルに引き上げた。

オーティコンリアルは目立たない4つの耳かけ型スタイルと、機能の差による3つの価格帯が用意されている。

新技術リアルサウンド・テクノロジーで実現する2つの新機能

「突発音スタビライザー」は、大小様々な突発音を日々50万回処理できる。キーボードを叩く音やドアを閉める音など、補聴器ユーザーを悩ます予測不能な突発音を瞬時に検出して音のバランスを取ることで、不快な音が耳障りにならないように処理していく。

また会話をしているときに突発的な音が発生しても、言葉の聞き取りに影響することがないという。

突発的な音の感じ方は個人差が多いため、聴覚ケア専門家による補聴器調整時には、聞こえの好みに合わせて設定をカスタマイズすることが可能だ。

「風切り音／擦れ音スタビライザー」は、1秒間に最大500回もの風や擦れ音を検知してクリアにする。一般的に、風の強い日に屋外にいる時やスポーツをする時などに補聴器を装用すると、風や擦れによる雑音が聞こえを妨げることがある。

また眼鏡、マスク、帽子などが補聴器に触れたり、何気なく耳元の髪を触った時などにも補聴器のマイク(音の入り口)に触れることで耳障りな音が聞こえることも。

そのような状況においても、新機能がユーザーの快適な聞き取りをサポートするとともに音声の明瞭性を向上させる。

オーティコンリアルは、最新のプラットフォーム「ポラリスR」を搭載している。ポラリスRは、1200万の実際のリアルな世界の音の情景を用いて訓練された高精度な人工知能モデル「ディープニューラルネットワーク(DNN)」を内蔵。あらゆる音の詳細を精緻に処理してリアルタイムで届ける。

さらにポラリスR搭載のオーティコンリアルは、風切り音や突発音を高速かつ正確に処理するための新たな検出器を備えている。

オーティコンリアルは、新技術リアルサウンド・テクノロジーによって人工知能を基にした信号処理を次のレベルへと引き上げるものだ。

オーティコンコンパニオン(Oticon Companion)アプリは、補聴器と併用して利用できる、新たなオーティコン補聴器専用のアプリだ。

本アプリは、直感的に操作いただけるユーザー画面を備えており、音量の調整やプログラムの変更、また補聴器を最後に装用した場所をアプリ上に示す補聴器を探す機能などが搭載されている。

さらに機能には、補聴器の購入後などに、補聴器専門家から遠隔でのカウンセリングや調整を受けることが可能なリモートケア機能も含まれる。

同社によれば、本アプリは今後ユーザーの補聴器体験を高める多彩な機能の拡充を予定しているという。

オーティコンリアルは、現代のデジタル社会に対応した先進の外部デジタル機器との接続機能を備えている。

ワイヤレスヘッドセットとして、iPhoneやiPad*6からハンズフリー通話を楽しめ流ほか、iPhoneなどのApple製品験を高める多彩な機能の拡充も予定されている。

Android端末から高音質の直接ストリーミングを行ったり、オーティコンのTVアダプターを併用しテレビから音声を流したり、コネクトクリップの併用では、リモートマイクとして講義やビジネス会議の際などに相手の声を補聴器にワイヤレスで流すことも可能だ。

オーティコンリアルは搭載機能の違いで「リアル1」「リアル2」「リアル3」の3つの価格帯が用意さえれている。

スタイルは耳かけ型4種類(ミニRITE R[充電式]、ミニRITE T、ミニBTE R[充電式]、ミニBTE T)、カラーはヘアカラー7色に、個性を生かした「ヒア・ピンク」を加えた8色展開。

充電式のミニRITE Rでは限定色「オリーブ・グリーン」も選べる。充電式の利便性を好むユーザーのための充電式スタイルは、わずか3.5時間の充電で外部機器からのストリーミングを含む1日の使用が可能だ。

構成／清水眞希