全国の自治体で義務化が進む自転車保険
2023年4月1日から、道路交通法の改正により自転車乗車時のヘルメット着用が「努力義務化」された。つまりそれだけ自転車による事故が深刻化しているということだ。
これに伴い自転車事故の高額賠償事例も増加。自転車保険の加入を任意から義務化に変更する自治体が増えている。東京都も「努力義務化」から、2020年4月施行で「義務化」へと改正された。努力義務でも義務でも、現在のところ罰則を設けいている自治体はない。
では加入しなくてもいいのかと言えば、自身が事故を起こした場合のことを考えるとどうだろう。高額の支払い判決事例では9521万円というケースもあり、この金額を工面することを考えると、保険の重要性が分かるに違いない。自転車保険はクルマの保険に比較して保険料が安く、本人のみならず配偶者や子供までカバーするタイプもある。
自転車事故に有効な保険の種類は
それでは自転車に伴う賠償責任に使える保険にはどんなものがあるのか。まず、コンビニや自転車販売店で手軽に加入できる自転車保険。そして、自動車保険や火災保険特約の個人賠償責任補償の利用。コープ共済や都道府県民共済の特約の個人賠償責任保険。クレジットカードに特約で個人賠償責任保険を付帯させる。このように様々な方法がある。
保険を選ぶポイントして、補償の範囲が本人のみなのか、家族もカバーできるのか。怪我の補償は相手だけなのか、自身や家族も補償されるのか。相手のクルマのキズも補償されるのか。補償額の上限はあるか。示談交渉サービスの有無などが挙げられる。
自転車販売店で加入できるTS保険は3種類ある
今回、私が加入したのは、自転車安全整備士が確認した普通自転車に貼る「TSマーク」付帯する賠償責任保険と傷害保険である。簡単に言えば、点検整備に付いてくる保険だ。ここで気を付けたいのが、「TSマーク」には緑、赤、青の3種類があること。もっとも新しく登場したのが緑で、オススメはもちろん、緑である。
あまり知られていないが、1つの自転車販売店では1種類のTSマークしか取り扱っていない。店によって扱える色が決まっているので事前に確認してからショップに行こう。色による補償内容の違いは、青色は事故の被害者が死亡または重度後遺障害(1~7級)の場合、限度額1000万円。
赤色は限度額1億円。緑色は死亡・障害(全ての人身事故)で限度額1億円、さらに示談交渉サービスが付く。障害補償、被害者見舞金にも違いはあるが、大きいのは前述の賠償責任補償の内容である。
どの自転車販売店で、どの色のTSマークを扱っているかはこのWebサイトから検索できる。
「TSマーク」には緑色、赤色、青色の3種類があり点検整備代にも違いがある。有効期限は1年間である。
郵便番号検索で、近くの自転車販売店で緑色のマークを検索。「サイクルステーションワタナベ」が対応していた。マップの表示は赤だが実際は緑対応。確認すると、カーボンフレームは取り扱わないとのこと
次に近い「サイクルスポット阿佐ヶ谷店」に問い合わせると赤色でカーボンフレームでも対応可能とのこと
TSマークを貼るための点検整備を依頼。新車の点検整備なので午前依頼、午後引取だった
整備完了後にどこにステッカーを貼るか聞かれるので、フレームの裏側を指定した
フレームに貼られた赤色のTSステッカー現物。サイズは3.5×3.05cmと意外に小さい