五月病になったことがある人の中で、それが原因で休職や退職に至った人はそれぞれ約3割にも上ることが判明
五月病になったことがあると自覚する人に対し、「五月病になったことが原因で、仕事を休んだことはありますか」と聞いたところ、46.8%があると回答。加えて、五月病が原因による休職・退職経験の有無についても聞いたところ、休職に関しては31.4%が、退職に関しては28.6%があると回答した。
五月病の自覚があった人のうち、約3割が五月病が原因で休職や退職に至っていたことが判明し、五月病が及ぼす影響の大きさを裏付ける結果となった。
さらに、20代の場合は「五月病が原因で休職に至ったことがある」が39.5%、「五月病が原因で休職に至ったことがある」が39.5%と、他の世代と10%ほど差をつける結果となった。環境の変化が大きく、プレッシャーも感じやすい若手社員は、五月病の影響をより重く受けやすいのかもしれない。
所属する会社や組織が「五月病対策を実施している」と答えた人はわずか2割
「あなたが所属する会社や組織は、従業員の五月病への対策を実施していますか」という質問に対して、実施していると回答した人はわずか22.1%だった。一方で、「会社で五月病対策を実施するべきだと思いますか」という質問に対しては、64.8%が実施するべきだと回答。
組織としての対策の必要性を感じつつも、8割近くの従業員は、所属する会社や組織の五月病対策について認識していないことがわかった。
五月病でつらかったことTOP2は「治し方がわからない」「相談できる人がいない」
五月病になったことがあると自覚する人に対し、五月病でつらかったことを聞いたところ、1位は「治し方がわからない(43.5%)」、2位は「相談できる人がいない(35.4%)」、3位が「仕事で迷惑をかける(32.2%)」という結果になった。
症状にどう対処すべきかの情報を手に入れることに加え、気軽に相談ができる相手がいることも、つらい気持ちを緩和する大きな要因となりうるようだ。
一方で、周囲の人が五月病になったことがあると回答した人は、56.3%が「心配だが、とりあえず様子を見ようと思った」と回答している。その理由として、「どう対処したら良いのか分からない(30代男性)」「声かけをしすぎても本人が悩むかもしれないから(50代女性)」といった主旨のコメントもあり、周囲の人が五月病当事者に率先して手を差し伸べづらい状況も伺える。
五月病になった際のアクションは「インターネットで症状を検索」が4割で最も多い結果に
五月病になった際にとるアクションは「インターネットで症状を検索した(39.4%)」が最も多く、そのうち75.5%が「有益な情報を得た」と回答した。
しかし、その得られた情報を実践したと答えた人は53.5%と半数程度に留まり、34.0%は「実践したいと思ったが、できなかった」と回答。五月病になったと自覚している人であっても、実際に対策をとることにハードルがあると思われる結果となった。
専門家への相談は「スマホを使ったチャットで手軽に」が理想と答える人が多数派
「五月病について専門家に相談ができる場合、どのような形が最も望ましいですか」という質問に対しては、1位が「スマホを使ったチャットで手軽に相談し、アドバイスをもらいたい(31.8%)」となり、「病院等で、対面診療で診察をしてもらいたい(28.4%)」「オンライン診療で診察をしてもらいたい(20.4%)」を上回る結果になった。
特に20代はチャットを活用して相談をすることを希望する人が40.5%と他の世代より多く、チャットを通して五月病の相談ができる環境を整えておくことが、新入社員や若手社員の五月病対策には特に有効である可能性がある。
<調査概要>
調査エリア:全国
調査対象者:20~50代の会社員・公務員・経営者・役員の男女
サンプル数:1,276ss
調査期間:2023年3月11日~2023年3月14日
調査方法:インターネットリサーチ
出典元:ヘルスケアテクノロジーズ株式会社
構成/こじへい