4月4日、東京証券取引所が市場区分を「プライム市場」、「スタンダード市場」、「グロース市場」の3つの新しい市場区分へと再編してから、丸1年を迎えた。
当初より東証再編の目的に①市場区分の明確化②企業価値向上の動機付けが掲げられ、それに伴い、経過措置期間を設けつつも「上場維持基準の厳格化」など複数の制度変更が行われた。
上場維持基準については、2023年1月30日に経過措置の終了時期(2025年3月1日以後に到来する基準日から、本来の上場維持基準を適用)が公表され、東証再編の効果が今後ますます広がっていくことが期待される。
そんな中、グロース・キャピタルはこのほど、上場企業役員102名を対象に、「東証再編から1年後の評価・意識調査」を実施し、その結果を発表した。
①東証再編の長期的視点での日本経済への影響
▽2022年の東証再編は長期的視点から鑑みて日本経済へどのような影響を与えると感じていますか
「2022年の東証再編は長期的視点から鑑みて日本経済へどのような影響を与えると感じていますか」という問いに対し、73.5%とおよそ4人に3人がポジティブ(ポジティブである、どちらかと言えばポジティブである)と考えていることがわかった。
グロース市場上場企業役員と、プライム市場上場役員におけるポジティブ比率を比べると、プライム市場上場役員の方が12.1ポイント高かった。東証再編について課題を指摘する世論も多い一方で、上場企業役員の間では今後ポジティブな影響を生じていくものとして期待されていることが推察される。
なお、時価総額(2022年末時点)で分類して100億円未満の企業と、100~300億円未満の企業とを比較したところ、時価総額の規模による大きな差は確認できなかった。
②上場維持基準の経過措置の終了時期公表」の日本経済への影響
▽東証再編に伴う「上場維持基準の経過措置の終了時期の公表」の日本経済への影響についてどう思いますか
「東証再編に伴う「上場維持基準の経過措置の終了時期の公表」の日本経済への影響についてどう思いますか」という問いに対して、ポジティブな影響がある(ポジティブである、どちらかと言えばポジティブである)と回答したのは、全体のうち71.6%だった。
市場別でみると、プライム市場上場企業役員の86.4%、グロース市場上場企業役員においては68.2%がポジティブであると回答した。