コクヨは、主に年中から小学校低学年の子どもを持つ共働き世帯向けに、家族が離れていても、今どこで何をしているかを共有できるコミュニケーションツールの新ブランドを発表。2製品が同時に発売された。親子の新しい会話の形の提案だ。
共働きの増加で直面する「小1の壁」
離れていても家族でお互いの「いま」を共有できる新ブランド「Hello! Family.」
共働き世帯が増加する中、約7割が直面するという「小1の壁」。岸田首相も、2023年3月13日には、「打破することは喫緊の課題」と「小1の壁」解消について答弁している。
この「小1の壁」とは、保育園のときとは違い、小学校で過ごす時間が短くなることや、夏休みなどの長期休暇など、子育てと仕事の両立がむずかしくなる問題のこと。学童も保育園に比べると時間が短かったり、習い事を続けるには最初のうちは送迎が必要だったりと、働きながら子どもを見守るのが困難になる。
さらに、宿題や持ち物についてプリントでお知らせがあるが、子どもがランドセルの奥底にプリントを入れたままで、あわてて必要な持ち物を準備することや、傘を忘れてくることなども日常茶飯事。まだまだ近くで見守っていたいと仕事と子育ての両立に悩む時期だ。
離れていても、子どもの様子がわかり、コミュニケーションがとれたらと誕生したのが、「Hello!Family.」だ。プロジェクトリーダーの山本容子さんは、小5と小1の双子の母親ということから、実体験を活かし、親子が離れていてもコミュニケーションをとることができるものをと開発している。
離れていても家族を身近に感じられる「Hello! Family.」
コクヨ株式会社経営企画本部イノベーションセンター「Hello! Family.」プロジェクトリーダーの山本容子さん。
『家族の「いま」は、もっとつながる。』をブランドメッセージとして誕生した「Hello! Family.」は、家族の新しいコミュニケーションをサポートする。離れていても家族の存在を身近に感じることができ、日常の小さなアクションをほめたり、応援し合ったりできるポジティブなコミュニケーションツールだ。
第一弾は、子どもの位置情報を確認できるGPS「はろここ」、子どもの持ち物につけることでアプリを使って忘れ物がチェックできるタグ「はろたぐ」、マイク・カメラ付きで簡単にスマホへ音声メッセージを送信できるモニター「はろもに」、押すだけでスマホへメッセージを通知できるボタン「はろぽち」の4種のIoTデバイスが順次登場する。まずは、持ち歩くタイプの「はろここ」と「はろたぐ」が2023年3月29日に発売された。
これらのIoTデバイスから送られてきた位置情報やメッセージは、「ハロファミアプリ」で確認ができるほか、4種のデバイスは、それぞれ連携して使用することができるため、子どもの成長に合わせて、用途やデザイスの組み合わせをかえることも可能だ。
例えば、「はろここ」と「はろたぐ」を連携しておくと、子どもがカギなどタグをつけたアイテムを忘れずに持って習い事などに出かけたという子どもの「いま」がわかる。今の状況がわかるのは安心だ。アプリだけでも使用は可能で、家族の予定などをシェアすることもできる。
はろここ(全2色)6,930円/別売りの選べる専用ケースで自分だけのお気に入りにカスタマイズすることもできる。専用ソフトケース(全3種)1,980円(すべて消費税込み)
GPS機能で子どもの居場所や移動経路がリアルタイムで、スマホで確認できる「はろここ」は、充電式。何秒間隔でGPSを受信するかの設定で、バッテリーの消費電力が変化する。短くても2週間、長いと4週間だそうだ。隔週だと充電を忘れそうなので、毎週末など、習慣化しやすいスケジュールを設定するのが安心だろう。
本体は2色展開で、3種類から選べるソフトケースも同時に発売された。お気に入りに着せ替えすることで、子どもたちもより楽しんで持ち歩いてくれそうだ。
はろたぐ(全2色)3,960円(消費税込み)2023年3月29日発売。
持ち物につける「はろたぐ」は、落し物防止タグと同様に、タグをつけたアイテムがどこにあるのかがわかる。子どもは、個人差もあるとは思うが、忘れ物が多い。傘は、雨がやむと忘れてくる。学校に忘れたのか、学童に忘れたのか、はたまた習い事先か。
学校にあれば、翌日、午後から雨予報というときは、安心して送り出せるが、どこにあるかわからなければ、傘を持たせる。そうなると、きちんと傘を2本持って帰ってくれることを期待してはいけない(無理)と、筆者は経験から思っている。
その点、どこにあるか事前にわかっていると安心だ。
はろもに(全2色)16,280円(消費税込み)※Wi-Fiとネット通信必要。 2023年夏発売予定。
直接メッセージ交換ができる「はろもに」は、離れていても子どもの音声メッセージを受け取ることができる。そのときの表情もスマホに届くため、声だけでなく、子どもの様子がよくわかり、スマホを持たない子どもの連絡ツールになる。親の居場所も表示されるため、家にいる子どもも安心できそうだ。
はろぽち(全3色)4,840円(消費税込み)
子どもが、『できた!』という瞬間に「はろぽち」を押すことで、バッジをゲットできたり、親からの反応をすぐにもらえたりするなど、楽しく習慣化できるデバイスだ。例えば、宿題とメッセージを設定したら、宿題を終えると押す。親には、宿題が終わったことがすぐに伝わる。
仕事から帰ってきて、子どもがゲームしていると、「宿題終わったの」と声をかけてしまいがちだが、これなら、宿題が終わっていることを事前に知ることができ、これやりなさいなどの注意から始まるのではなく、「終わらせて偉いね」など、楽しいコミュニケーションができそうだ。カスタマイズできるシール付きで、ぽちっとしたくて宿題もがんばれるかも。