セイコーが名工たちと造り上げた4つの110周年記念限定モデルを発表
1881年、時計の修繕と販売から事業を開始し、1892年に掛時計の製造に着手。大正初期、懐中時計が主流の時代、やがて来るであろう腕時計の時代に備え、セイコーは腕時計の試作・研究を続け、1913年、国産初の腕時計「ローレル」を完成させた。
以降、110年、セイコーは数々の革新的な腕時計を世に送り出してきた。
セイコーは、<セイコー プレザージュ>クラフツマンシップシリーズより、先人から継承するモノづくりの技法を生かした、セイコー腕時計110周年記念限定モデル 4機種を、6月23日(金)より発売する。
本作では、日本のモノづくりを牽引してきた先人に敬意を示し、地域社会と共に発展してきた伝統産業、「琺瑯」、「漆」、「有田焼」、「七宝」それぞれの技法を用いて表現した特別なモデルをラインナップ。
セイコー腕時計のはじまりにして、日本腕時計産業の黎明期を支えた琺瑯(ほうろう)ダイヤルモデル
セイコーが生んだ国産初の腕時計「ローレル」のダイヤルに用いられた琺瑯は、温もりある白色とみずみずしい艶を持ち、110年経った現在でも美しさを保ち続けている。
調理器具に用いられるほど耐久性に優れた琺瑯は、鉄系材料のダイヤルに不純物のきわめて少ない粘土・純水・ガラス等を原料とする釉薬(うわぐすり)を塗布し、高温で焼成した。
気温や湿度により釉薬の各成分比率を調整するなど、高い技量が求められる琺瑯ダイヤルは、先人からの技術伝承と琺瑯職人 横澤 満氏の飽くなき探求心により、今なお手作業で丁寧に焼き上げられ、琺瑯ダイヤルにしか表現できない、艶やかな光沢と色褪せない美しさを世に送り出している。
琺瑯職人 横澤 満(よこさわ みつる)
富士琺瑯工業株式会社(1971年入社)つくば工場 技術顧問
塗布面の厚さわずか0.01mm刻みの仕上がりを見抜く眼力を持つ匠。繊細に造り込まれるダイヤルに琺瑯を施すことができる日本有数の職人。
藩政時代の面影が残る金沢の街並みを、漆の艶やかな色彩でオマージュ
武家文化に育まれ、優美な美しさを携える金沢は、戦災や大きな災害を免れ、藩政時代からの美しい街並みが今なお残り、貴重な文化遺産として人々に愛されている。
その金沢で丁寧に作られる漆ダイヤルを用いた本作は、金属と漆を直接結びつける革新的な製造手法と、平滑面を生み出す古来伝承の技を組み合わせ作られた。
漆芸家 田村一舟氏の監修により、多くの漆器職人が携わり、何十回も塗りと研ぎを繰り返すことで、特有の美意識が育む金沢の美しい街並みを、漆独特の艶やかな赤茶色の色彩で表現している。
漆芸家 田村 一舟(たむら いっしゅう)
1957 年(昭和 32 年)生まれ。石川県金沢市在住。清瀬一光師に師事し金沢に伝わる伝統工芸「加賀蒔絵」を習得後、世界に類を見ない独自の細密技法を生み出した。漆器のみならず、加賀蒔絵をあしらった高級万年筆や腕時計を発表。その極めて緻密な技術による精緻な美しさが、世界的に高い評価を受けている。