マンションは金額の大きな買い物ですので、購入後に欠陥住宅であることが判明したら大変です。もし購入したマンションが欠陥住宅と判明した場合には、売主の「契約不適合責任」を追及しましょう。
今回は、マンションの欠陥について売主に生じる「契約不適合責任」のルールをまとめました。
1. 契約不適合責任とは
「契約不適合責任」とは、売買や請負などの目的物が種類・品質・数量のいずれかに関して契約内容に適合していない場合に、売主が買主に対して負う債務不履行責任です(民法562条以下)。
マンションの売買や、注文住宅・建売住宅の請負・売買などの不動産取引についても、契約不適合責任のルールが適用されます。
したがって、購入したマンションが欠陥住宅だった場合、買主は売主に対して、契約不適合責任に基づく各種の請求を行うことができます。
2. 契約不適合責任の追及方法
マンションの欠陥について、売主の契約不適合責任を追及する方法は以下の4種類です。
①履行の追完請求(民法562条)
売主に対して、欠陥箇所の修補を請求します。
修補の方法は原則として買主の請求に従いますが、買主に不相当な負担を課すものでなければ、売主は請求と異なる方法による修補を行うことも認められます。
②代金減額請求(民法563条)
欠陥の内容・程度に応じて、売買代金の減額を請求します。
代金減額請求ができるのは、催告から相当期間内に欠陥箇所の修補がなされない場合、修補が不可能である場合、売主が修補を明確に拒絶した場合などです。
③損害賠償請求(民法564条、415条1項)
欠陥によって買主が受けた損害の賠償を請求できます。
たとえば、買主自身が支出した修補費用、欠陥が原因でケガをした場合の治療費、修補のために一時転居を余儀なくされた場合の引っ越し費用や仮住まい家賃などが損害賠償の対象です。
④契約の解除(民法564条、541条、542条)
マンションの売買契約を解除して、売買代金全額の返還を請求します。
契約の解除が認められるのは、催告から相当期間内に欠陥箇所の修補がなされない場合、修補が不可能である場合、売主が修補を明確に拒絶した場合などです。
ただし、欠陥が契約および取引上の社会通念に照らして軽微である場合には、契約の解除は認められません。