3. 改正道路交通法により、自転車乗車時のヘルメット着用が一律努力義務化
2023年4月1日施行の改正道路交通法により、自転車を運転する際には、乗車用ヘルメットの着用が一律で努力義務化されます(改正道路交通法63条の11第1項)。
「13歳未満の子どもにかぶらせる」だけでなく、大人が自分で自転車を運転する際にも、ヘルメットの着用が努力義務とされることが変更のポイントです。
また、13歳未満の子どもが自転車を運転する際には、親などの保護責任者が「かぶらせる努力義務」を負うだけでなく、子ども自身も「かぶる努力義務」を負うようになります。
また、子どもを自転車に同乗させる際にも、その子どもに乗車用ヘルメットをかぶらせることが新たに努力義務化されます(同条2項)。
(自転車の運転者等の遵守事項)
第六十三条の十一 自転車の運転者は、乗車用ヘルメットをかぶるよう努めなければならない。
2 自転車の運転者は、他人を当該自転車に乗車させるときは、当該他人に乗車用ヘルメットをかぶらせるよう努めなければならない。
3 児童又は幼児を保護する責任のある者は、児童又は幼児が自転車を運転するときは、当該児童又は幼児に乗車用ヘルメットをかぶらせるよう努めなければならない。
(改正道路交通法63条の11)
4. ヘルメット着用せずに自転車を運転したらどうなる?
自転車運転時のヘルメット着用は、大型自動二輪車・普通自動二輪車・原動機付自転車とは異なり、あくまでも「努力義務」にとどまります。そのため、ヘルメットを着用せずに自転車を運転しても、罰則などは特に科されません。
しかし、自転車死亡事故の多くが頭部外傷を原因としている事実や、今回の法改正の趣旨を踏まえた上で、自転車乗車時には極力ヘルメットを着用することが望ましいでしょう。
取材・文/阿部由羅(弁護士)
ゆら総合法律事務所・代表弁護士。西村あさひ法律事務所・外資系金融機関法務部を経て現職。ベンチャー企業のサポート・不動産・金融法務・相続などを得意とする。その他、一般民事から企業法務まで幅広く取り扱う。各種webメディアにおける法律関連記事の執筆にも注力している。東京大学法学部卒業・東京大学法科大学院修了。趣味はオセロ(全国大会優勝経験あり)、囲碁、将棋。
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