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シリコンバレー銀行破綻による市場の動揺はいつまで続くのか?

2023.03.22

米シリコンバレー銀行が3月10日に経営破綻し、市場では金融不安が高まっている。

今後「SVBショック」の影響はどこまで広がり、また、市場の動揺はいつまで続くのだろうか?

そんな中、三井住友DSアセットマネジメントではこのほど、「台頭する銀行不安、チェックポイントと見通し 銀行の財務体質は強化、金融当局は迅速に対応」と題したマーケットレポートを公開した。レポートの詳細は以下の通り。

銀行不安の台頭で市場は混乱

米連邦預金保険公社(FDIC)は3月10日、米テクノロジー企業への融資で知られるシリコンバレー・バンク(SVB)が経営破綻したと発表した。米銀の破綻では、2008年9月に起きたワシントン・ミューチュアルの破綻に次ぐ史上2番目の規模だ。

SVBが経営破綻したことを受け、米金融市場ではリスクオフ(回避)の流れが強まり、株安・債券高が進行し、この動きが日本や欧州の金融市場にも波及している。15日にはスイスの金融大手クレディ・スイス・グループの株価急落で金融不安が強まり、株式市場が一段安となり、金利は急低下した。

市場で金融不安が高まるなか、米金融機関の信用リスクを示す「FRA-OISスプレッド」は急拡大している。ただ、ヒストリカルにみると、過去10年では高水準にあるものの、2008年のリーマン・ショックのレベルには遠く及んでいないことがわかる。リーマン・ショック後、金融当局の銀行に対する規制が強まり、銀行の財務安定性が高まったことが背景にあるとみられる。

劇的に改善している銀行の財務健全性

「SVBショック」について影響がどこまで広がるのか、現時点では不透明感が強い状況だ。ただ、世界的な金融危機となったリーマン・ショックと比較すると、明らかにリスクの所在や規模が異なることが指摘できる。

当時、米欧の金融機関は、信用力の低い借り手向け住宅ローンの証券化商品を多く保有し、その価格暴落で世界的な信用収縮が起こった。

しかし、今回の「SVBショック」では保有資産や証券化商品の原資産が不良債権化したわけではなく、あくまでも市場金利の上昇による債券価格の変動が起きているにすぎず、事情が大きく異なる。損失の規模がどのぐらいになるかも分からなかったリーマン・ショックと比べ、今回は損失の実態がある程度想定でき、金額も小さいとみられる。

また、リーマン危機後の金融当局による規制強化で、大手を中心に銀行の財務体質が強化された。欧米の銀行の自己資本比率や流動性は、リーマン・ショック後大きく改善しており、信用収縮の連鎖による、深刻な金融危機は想定しにくいと考えられる。

【今後の展開】金融当局の迅速な対応が市場の動揺を抑えよう

米財務省、米連邦準備制度理事会(FRB)、FDICは3月12日、SVBとシグネチャー・バンクの預金を全額保護する例外措置を発表した。また、FRBは、金融システム全体が機能不全に陥る「システミックリスク」を抑制するため、新たな流動性対策を発表した。クレディ・スイス・グループは16日、スイス国立銀行(中央銀行)の資金供給策を活用して「最大500億スイスフランを調達する用意がある」と発表した。

米欧で相次いだ金融機関の経営不安を背景に、中央銀行の金融引き締め姿勢が緩む可能性も出てきた。銀行株を中心に慎重な見極めが必要だが、金融当局が事態の収拾に向け迅速に対応していることで、市場は早晩落ち着きを取り戻すと思われる。

※個別銘柄に言及しているが、当該銘柄を推奨するものではない。

出典元:三井住友DSアセットマネジメント

構成/こじへい

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