腸管の防御機能を増強する新たな乳酸菌の力を発見!
コロナ禍でのストレスや生活習慣の乱れが引き金となって急増している「腸もれ」。腸から異物がもれ出すことで、慢性的な不調や原因不明の疾病を引き起こすこの現象、今や、日本人の7割にその可能性があるという。
そもそも腸は体内にありつつ、内側が外界と直接つながる「内なる外」の器官。そのため食べ物とともに入り込む病原菌や有害物質が、腸の上皮から体内に入り込む可能性があるのだが、そうした外的脅威から腸を守っているのが、「腸管バリア」という防御機能だ。
そしてその中でも特に重要な役割を果たすのが、腸上皮細胞の隙間を埋める「タイトジャンクション」。前述の腸もれは、腸のバリア機能が劣化し、腸管に微小な隙間ができることで起こるため、タイトジャンクションの破壊を防ぐことで万病のもと「腸もれ」防止につながるというわけだ。
そんな中、最新研究では、腸管バリア機能の強化に「LB81乳酸菌」が効果的であることが判明した。LB81の菌株がタイトジャンクションに直接作用し細胞の結合を強めることで、腸管バリアを強化、腸もれを改善する効果が期待できると推察される。今後、さらなる作用解明に向け、研究が進んでいる。
腸もれが原因とされる病気や不調
腸もれが起こる仕組み
腸の内壁を覆う細胞は強く結合しているが、それが劣化して微小な隙間ができると、「腸もれ」が発生。病原菌などが血液へ入り込むことに。
■ 腸の中は「内なる外」
口から肛門までつながる消化器官。中でも腸管は体内にありながら、その内側は外界と通じるため「内なる外」と呼ばれ、細菌など外敵が侵入しやすい状態に。
〈DOCTOR’s EYE〉
今回の試験結果は、腸管バリア機能を維持するだけではなく、緩んだタイトジャンクションを修復する可能性も示されたことがポイントですね。
兵庫医科大学 消化器内科科学准教授
医学博士 大島忠之先生
NEWエビデンス!
「LB81乳酸菌」の腸管バリア機能の回復を確認
腸管バリアの強化および腸もれ防止対策の中で、注目が集まっているのが「LB81乳酸菌」。最新の研究では同乳酸菌「2038株」「1131株」が、腸管バリアの重要機能・タイトジャンクションの結合をほかの菌株より強化することが判明した。
RESULT01|LB81乳酸菌」で、腸管バリアの破壊が改善
正常な状態では細胞の輪がつながったハチの巣状になっている腸管バリア。その輪が崩れるとバリア機能が低下し、腸もれ状態となる。今回の研究では、そこにLB81乳酸菌を加えることで、輪がつながったハチの巣状態に改善し、腸管バリア機能の回復することが確認できた。
Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus 2038株、Streptococcus thermophilus 1131株
RESULT02|「」の菌株は、腸管バリア機能の破壊を強く抑えた
腸管バリア機能が破壊されていると、腸管透過性が高くなる。つまり、透過性が低いほど、腸管バリア機能の破壊が抑制されていることがわかる。
取材・文/内野智子
DIME4月号の特集は「最強のスタートアップ100」「家電の未来予報」「乳酸菌の真実」
日本におけるスタートアップが変革期を迎えつつある。メルカリ、ビズリーチ、ラクスル、BASEなど、急成長を遂げたこれらの企業に続くのはどこか。投資を目的に、協業を念頭に、転職先探しに、各分野で注目される企業など最前線を紹介する。