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スポーツサルーンのような走りを楽しめるメルセデス・ベンツのEVセダン「EQE 350+」

2023.03.19

■石川真禧照のEV徹底解剖

 メルセデス・ベンツのEV(100%電気+モーターで走行する電気自動車)は、2019年に発売された「EQC」が第1号車。続いて2021年に「EQA」「EQB」と発売している。これらはいずれもガソリン車の「GLC」「GLA」「GLB」をベースに開発されたSUVモデルだった。

 2022年9月に発表された「EQE」は、初めて3BOXタイプのセダンEVとして開発された。専用のプラットフォームが設計され、開発されたことで、全高の低いセダンタイプのEVができたのだ。というのもEVは電池を床下に敷きつめることで、蓄電量を増やしてきた。そのために床面が高くなり、全高の低いセダンタイプのクルマでは室内が狭くなってしまった。そこで全高の高いSUV系のEVが主流になった、という事情があった。「EQE」は当初からセダンタイプのEVとして開発されたので、全高は1495mmに抑えられ、室内空間も十分に確保されたセダンに仕上がっている。

 スタイリングもエンジンのないEVらしさを意識した形状だ。フロントからウインド、ルーフ、リアにかけて大きな弧を描いたように曲線で結ばれている。メーカーでは「ワン・ボウ」(弓)のようなラインと称している。ボディサイズは全長4955×全幅1905×全高1495mm、ホイールベース3120mm。ホイールベースが約200mm長いのを除けば、Eクラスに近いサイズだ。当然だが、長くなったホイールベースと、駆動用のモーターが後輪部分に搭載されているので、室内は広い。

 そのモーターと電池だが、「350+」は後輪駆動の1モーター。電池の総電力量は90.6kWhのリチウムイオンで、出力292PS、航続可能距離は624km(WLTCモード)を公表している。

 実車を前にボディーをチェックする。フロントマスクはグリルの代わりにブラックアウトされたパネル。中央にスリーポイントテッドスターが埋めこまれている。このパネルの裏には超音波センサー、カメラ、レーダーセンサーなど運転支援システムのさまざまなデバイスが組み込まれている。接触事故をおこしたら高価そうなパネルだ。

 よく見ると、ボンネットは左右フェンダーまで回りこんでいる。左フェンダー側面のフラップは充電用ケーブルの差し込み口ではなく、ウォッシャー液補充用。ボンネットはサービス工場でのみ開けることができるのだ。このあたりがEV専用設計らしい部分だ。

 タッチするとせり出してくるドアノブを引き、運転席に座る。ドアウインドはサッシュレス。4ドアクーペというイメージ。着座位置はやや低め。ハンドルはやや小径で、握りは太い。これもスポーティー系。Aピラーはかなり寝かせ気味だが、圧迫感はない。これもフロントにエンジンやミッションがなく、前のほうからウインドを立ち上げられるEV的デザインのおかげ。斜め前方の視界もドアミラーがピラーから離れているので死角は少ない。

 ダッシュボードは、運転席の目の前に大きな液晶画面が立ち、センターパネルも別の画面が置かれている。ドライビングポジションによっては目の前のパネルの一部がハンドルでかくれてしまうこともあった。シフトレバーはコラムから生え、R/N/Dのポジション、Pはレバー先端をプッシュする、というメルセデス流を貫いている。小物置きスペースはセンターアームレスト下が空間になっており、そこを利用できる。

 Dレンジにシフトし、スタート。ドライブモードはインパネのスイッチで行なえる。コンフォート/スポーツ/エコ/インディビデュアルから選択できる。サス、ハンドル、ESPの特性が変更できる。標準モードのコンフォートで走り出す。

 アクセルペダルを踏みこむ。スタートからの動きはグンッというEV特有のいきなり加速が立ち上がるのではなかった。大人しく、ジェントルに走り出した。しかし、0→100km/h加速6秒台という俊足サルーンは、もう少しアクセルを踏みこむと、EVらしく鋭い加速を開始する。そのときに、室内には力強い加速音が聞こえる。ペダルの踏み方により室内への加速音が変わる。スポーツサルーンを意識したセッティングが施されているのだ。

 回生に関してはパドルシフトレバーで3段階に調節できるほか、コースティング機能も選べる。ハンドリングは全体にやや重めの操舵力。コンフォートモードでは高速コーナリング中の横揺れがちょっと気になった。もちろん高速走行ではスポーツモードを選択すれば、乗り心地もやや硬めで、上下動も抑えられる。試乗車の装着タイヤはBSの「トゥランツァT005」、255/45R19。

 後席にも試乗した。着座はやや低め。座面もやや短め。目の前に前席背もたれが高く。前席はハイバックシートでホールドを重視している。背もたれは4/2/4分割可倒式。ラゲッジはリアウインド下からリッドが開く3BOX式。奥行、幅ともに1m近くあり、高さも約540mmなので広い。サブトランクもあるが、充電用ケーブルは収納できず、トランクに置く方式。充電はCHAdeMO150kwに対応している。さらに車外への給電もできる。

 安全運転支援システムもメルセデスの上級車と同じレベルを装備している。加速中のサウンドや乗り心地、ハンドリングなどスポーティーなアッパーミドルクラスサルーンというのが「EQE」の位置付け。車両本体価格1248万円~というのも、Eクラスの最上級モデルと考えれば納得できる価格だ。

■関連情報
https://www.mercedes-benz.co.jp/passengercars/mercedes-benz-cars/models/eqe/saloon-v295/eqe/explore.html

文/石川真禧照(自動車生活探険家) 撮影/萩原文博

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