国内のスタートアップ企業の資金調達額は東京の企業に集中している。だが、全国各地には地元の強みを生かして、国内外にビジネスを展開しているスタートアップ企業たちがいくつも存在する。編集部選りすぐりの14社を紹介しよう!
東日本編
ジビエ需要に応えるBtoBアプリを提供
Fant(北海道河東郡)
ジビエを求める飲食店と全国のハンターをつなぐWebアプリ「Fant」を運営。同サービスには全国の飲食店と約1500人のハンターが登録している。需要が拡大する一方で流通が整備されていないことに目をつけ、食材を確保したい店と安定したマネタイズをしたいハンターをマッチングする。また、必ず食肉処理施設を通して流通させるので安全なジビエ提供を可能に。
〈ここがご当地!〉現役ハンターでもある代表・高野氏が現場の課題を肌で感じて起業
北海道は全国で最もハンターが多く、特に若手のハンターが増加している。若手ハンターの活躍の場を創出することは地方の鳥獣被害問題の解決にもつながっていく。
「津波浸水被害予測サービス」を開発
RTi-cast(宮城県仙台市)
東北大学のスーパーコンピューターなどを利用して津波浸水被害予測を実現する「リアルタイム津波浸水予測技術」を核として独自の事業を展開。津波の到達前に安全な避難場所への誘導、津波浸水域の救援・救助を迅速に行なうことで「人的被害ゼロ」を目指す。現在はBtoBのみだが、一般ユーザーに向けた津波浸水予報の提供を目標に掲げる。
〈ここがご当地!〉東日本大震災の教訓が〝原点〟
東日本大震災では津波の浸水状況や被害状況の把握に困難を極め、被害状況の分からない中で対応を迫られることになった。この教訓から、災害情報を民間からも発信しようと決めたという。
「スペースX」と協力した宇宙葬ビジネス
SPACE NTK(茨城県つくば市)
民間企業による小型ロケットの打ち上げなど宇宙ビジネスの拡大により、遺骨をパウダー状にしてカプセルに入れて宇宙に打ち上げることが可能となった。宇宙ビジネスの拡大と、終活における「墓じまい」の問題をつなぎ合わせた新たなビジネスモデルを創り上げた。2022年4月には、米国の民間ロケット会社「スペースX」と協力し、フロリダ州から遺骨を載せた第1弾の人工衛星を打ち上げている。
〈ここがご当地!〉〝宇宙の街・つくば〟は海外でも認知度バツグン!
茨城県の「つくば」といえば、日本の宇宙産業の代表格。また、茨城県は宇宙事業者を対象にした支援制度も豊富であることからも、つくばの地から宇宙葬ビジネスを発信している。