小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

今後1年間の国内景気は概ね横ばいで推移する見込み

2023.03.17

新型コロナ新規感染者数の減少に伴う人流増加や原材料価格・電気料金の高騰などの要因がある中で、先月2月の国内景気は、どのような推移を見せたのか。

帝国データバンクはこのほど、全国2万7607社を対象に「2023年2月の国内景気動向」を調査・集計し、景気DIとして発表した。

2023年2月の動向:足踏み

2023年2月の景気DIは前月から横ばいの42.1となった。

2月の国内景気は、新型コロナウイルス新規感染者数の急速な減少による人流増加が押し上げ要因となった一方、引き続きコスト負担の増加などの影響を受けつつ推移した。原材料価格・電気料金の高騰や生活必需品の価格上昇、不十分な価格転嫁の状況は景気のマイナス材料だった。

他方、IT投資需要や不動産、アパレル卸売などは上向いた。観光産業は、物価高や全国旅行支援の割引率減少などの影響で宿泊サービスの悪化が続いたものの、インバウンドの復活やイベントの開催などは好材料となった。

国内景気は、価格転嫁が十分に進まない一方で人手不足感の高まりが続くなど、足踏み状態で推移した。

今後の見通し:おおむね横ばい傾向で推移

今後1年間程度の国内景気は、経済社会活動の正常化に向けた動きが景気を支えながらも、米中欧などの海外経済やロシア・ウクライナ情勢、金利動向などの影響を受けつつ推移する。

全国旅行支援の効果やインバウンド消費の拡大、賃上げの動きなどで対面型サービスを中心に個人消費の増加が見込まれるほか、DX需要の拡大、為替の安定や省人化・自動化に対する設備投資なども好材料となろう。

一方で、生活費の上昇や人手不足の深刻化、コロナ関連融資の返済などはマイナス材料。また実質賃金の低下が長期化すると消費の下押し要因となる。さらに日本銀行による金融政策の行方は注目される。

今後は、下振れ要因を多く抱えて弱含みながらも、おおむね横ばい傾向で推移すると見込まれる。

業界別:仕入価格の高騰など企業を取り巻く環境に厳しさ続くも5業界で改善

仕入価格の高止まりや部材の入手難などが『製造』や『建設』を中心に悪影響となった。加えて、価格転嫁の問題や人材確保など企業を取り巻く環境に厳しさは続いている。しかしながら、『サービス』『小売』など5業界で、厳しいながらも改善がみられた。

『サービス』(47.4)…前月比0.8ポイント増。2カ月ぶりに改善。人出の増加やインバウンドの復活、イベントの開催などが好材料となり「飲食店」(同3.9ポイント増)は大幅な改善となった。「リース・賃貸」(同0.6ポイント増)は、レンタカーなどで「インバウンド需要は11月以降爆発的に増加している。

ビジネス需要も堅調な状況が継続」(自動車賃貸)とあるように3カ月ぶりに上向いた。「情報サービス」(同0.6ポイント増)は2カ月ぶりに改善し唯一の50台。一方で、さまざまな商品・サービス価格の高騰が続くなか「旅行や出張における宿泊費が抑えられている」(旅館)といった声に加え、閑散期も重なり「旅館・ホテル」(同0.3ポイント減)は3カ月連続の悪化となった。

『小売』(37.7)…同0.2ポイント増。2カ月連続で改善。「繊維・繊維製品・服飾品小売」(同1.5ポイント増)は人出の増加などにより4カ月ぶりに改善した。花粉の飛散などにより医療関係は忙しくなっているという声もある「医薬品・日用雑貨品小売」(同1.3ポイント増)は3カ月ぶりの改善。

他方、スーパーストアなどを含む「各種商品小売」(同1.5ポイント減)や「飲食料品小売」(同1.7ポイント減)では、食料品をはじめとする商品サービスの価格高騰による買い控えを危惧する声が多数聞かれた。

『製造』(40.0)…同0.4ポイント減。3カ月連続で悪化。「飲食料品・飼料製造」(同1.1ポイント減)は、原材料や電気代などの高騰による影響や、価格へ十分に転嫁できないことなどを受け3カ月連続で悪化した。「鉄鋼・非鉄・鉱業」(同0.7ポイント減)は「自動車生産が依然として不安定」(鍛工品製造)といった声が聞かれ4カ月連続で悪化。

「化学品製造」(同1.1ポイント減)や「電気機械製造」(同0.1ポイント減)では、半導体を中心に部材の入手難などが下押し要因になった。他方で、一部企業で受注案件の増加が聞かれる「精密機械、医療機械・器具製造」(同2.5ポイント増)は3カ月連続で改善した。

『建設』(43.7)…同0.4ポイント減。3カ月連続で悪化。「案件はあるものの材料、人件費などがコストアップし安定した利益が確保できない」(一般管工事)といった声が多く、原材料費や人件費の高騰が悪影響となっている。

加えて、職人不足など人材確保も各社苦慮しているほか、重層下請けにより価格転嫁が難しい構造も悪材料となっている。そのほか「物価高騰にともなう消費マインドの低下」(一般土木建築工事)など、住宅需要を中心に購買意欲を懸念する声も聞こえている。

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2024年3月15日(金) 発売

DIME最新号はデザイン一新!大特集は「東京ディズニーリゾート&USJテーマパークの裏側」

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第6091713号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。