DIME MAGAZINE
京都大学
主な支援内容
大学の研究成果を活用した企業を起業するまでの助成やインキュベーション施設など複数の支援を用意。これまで150件を支援、40社が起業。
ゲノム編集とスマート養殖技術で水産物の品種改良を超高速化！
「リージョナルフィッシュ」
設立／2019年 資本金／1億円 従業員数／34名（2023年1月現在）
主な取引先／NTTグループ、奥村組、荏原製作所、マルイグループ、ウシオ電機など
ゲノム編集技術とAI、IoTを活用したスマート陸上養殖技術による次世代水産養殖システムを開発。生産者のニーズに合わせたプラットフォームを構築・提供する。従来30年を要した品種改良をわずか2年に短縮し、可食部を増やしたマダイ、トラフグなどを販売。現在20種類以上の水産物の品種改良に成功している。国の手続きを経た世界初のゲノム編集動物食品であり、すでに大企業・自治体など、国内の70団体と連携。
世界初となるゲノム編集動物食品！
品種改良期間が15分の1に！
リージョナルフィッシュのもつ、狙った遺伝子をピンポイントで欠失させることができる技術は自然界で起こりうる変化・進化に近い。安全性が高く、多大な時間を要した従来の「選抜育種法」と比べて15分の1の時間で品種改良が可能に。
新規性／★★★ 将来性／★★★ インパクト／★★☆
次世代の電力供給インフラを開発・提供
「Space Power Technologies（スペースパワーテクノロジーズ）」
設立／2019年 資本金／1億3000万円 従業員数／11名（2023年1月現在）
主な取引先／関西電力、豊田合成、タツタ電線、B-STORM、JAXAなど
現在、電気配線や充電ケーブルなど有線で供給されている電力を、ワイヤレスで安定供給する〝マイクロ波無線送電〟という最新テクノロジーの開発・提供を目指している。多様化するモバイル機器やモビリティーなどへの電力供給だけでなく、過疎地、被災地、宇宙空間など、電力配線のないシーンでの利活用も視野に。
数メートル先まで電力を無線供給
日本初の空間伝送型ワイヤレス電力伝送（WPT）を目指す
特許技術のアンテナを搭載したSPT社のWPTシステムを活用すれば、給電効率は10％以上も向上するという。日本では工場屋内、倉庫内でのWPT利用に関する制度を世界に先駆けて昨年5月に施行。IoT化が進む現場の配線や電池交換の問題解決の糸口に！
新規性／★★☆ 将来性／★★★ インパクト／★★☆
歯を再生する画期的な治療薬を研究開発
「トレジェムバイオファーマ」
設立／2020年 資本金／5000万円 従業員数／4名（2023年1月現在） 主な取引先／非公開
歯科口腔外科の髙橋克氏の研究成果をもとに、世界初となる「歯が生える薬」を研究開発中。中和抗体の働きによって歯の芽の成長を阻害するUSAG-1タンパクという物質の機能を抑えることで歯の芽の成長を促し、歯を再生する仕組みだ。すでにマウスやフェレットでは実証済み。ヒトへの応用も近い。
老化による欠損歯の回復に期待！
歯が生える薬ができたら世界初
創薬事例の少ない歯科領域において「歯が生える薬」を研究開発する同社の試みは世界初。2022年3月にはシリーズAの資金調達を実施。開発が成功すれば、先天性無歯症患者の欠損歯の回復などの一助になる。全人類の希望である健康寿命の延伸にも役立つなど、業界内外から注目されている。
新規性／★★★ 将来性／★★★ インパクト／★★★
取材・文／簗場久美子
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