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社会にいい行動を広めていきたいと思った時に個人としてやるべきこと

2023.08.18PR

コピーライターとして、テレビやラジオのCMをつくったり、企業のブランディングを手掛けてきたコピーライターの川上徹也さんはうまく伝わらないのは、あなたの考えが間違っているからではなく、伝え方次第で、生じることのなかった誤解やすれ違いをなくすことができる、人はもっとわかり合うことができると言います。川上さんがハーバードやスタンフォードなど世界中の研究から、日常に取り入れやすいものを選んでまとめた伝え方の法則を、著書「面倒なお願いでも、気持ちよく相手に届く伝え方は?人を動かす伝え方50の法則」から一部抜粋・再構成してお届けします。

あなたからまず「ありがとう」を伝える

社会にもっといい行動を広めていきたいと思ったとき、私たち個人に何かできることはあるでしょうか?

ペンシルベニア大学ウォートン校のグラント教授とハーバード大学のジーノ准教授が実施した実験が参考になりそうです。

69人の大学生と大学院生にライティング・スキルの研究と称して実験に参加してもらいます(=被験者)。

被験者はそれぞれ、エリックという人物からメールを受け取り、就職活動で使う履歴書のカバーレター(アピール用の挨拶状)の添削指導を依頼されます。

被験者が添削指導をして返信した翌日、エリックからまたもメールが来てもう一通ぶんの添削指導を再依頼されます。ただこのとき、エリックのメールの内容によって次の2つのグループに分けられました。

グループ① 添削指導を受け取った事実を述べたのち再依頼
グループ② 添削指導を受け取った事実と感謝を述べたのち再依頼

結果は、感謝を述べたグループ②の約66%が再依頼に応じたのに比べ、感謝の言葉がなかったグループ①は約32%しか応じませんでした。想像どおりではありますが、2倍以上というのは驚きですね。

グラント教授らは、なぜ再依頼に応じたかの動機を調べました。その結果、単に感謝されて気分がよくなったことや、自己効力感が高まったからだけではありませんでした。一番の動機は「社会的価値=社会から価値を認められている感覚」が生まれたからだという結果が得られたのです。

さらに興味深いのは、第2の実験でした。前回の実験の翌日、被験者たちは、今度はスティーブンスという人物からメールを受け取ります。内容はエリックと同じ、カバーレターの添削指導です。 すると前日感謝された被験者の55%が依頼に応じたのに対し、感謝されなかった人は25%しか応じませんでした。

違う人間の依頼なのに不思議ですが、このように考えることができるかもしれません。

前回の実験でエリックに感謝されたグループの人たちは、自分の社会的価値が高まったことで、直接関係ないスティーブンスの依頼に対しても応じようという気になった。逆に、前回感謝されなかったグループの人たちは、社会的価値感が低いままなので、同じように手間をかけて協力したいとは思わなくなった。

つまり、誰かの親切に対して感謝をすることは、当人だけでなくその効果が他人にも波及するということなのです。

まずあなたが、まわりの人たちに対して感謝の言葉を口にすることが、ひいては世界中にいい行動を広めるための第一歩になると言えるかもしれません。

【まとめ】
「自分は役に立っている」という実感が、社会的な行動を促す

 

☆ ☆ ☆

「最新の知見」や「新しい視点」のヒントが詰まった「面倒なお願いでも、気持ちよく相手に届く伝え方は?人を動かす伝え方50の法則」。やみくもに大きな声で叫んでも、伝わらない。相手に伝わるからこそ対話は成り立ちますし、そうでなければただのひとりごとになってしまいます。どうにかして、この気づきをわかりやすく役に立つ形で伝えられないかというところからこの本の制作は始まったそうです。伝え方を工夫することで、相手とのコミュニケーションがうまくいく可能性があるなら、手に取って学んでみる価値は十分あるのではと思います。

面倒なお願いでも、気持ちよく相手に届く伝え方は?人を動かす伝え方50の法則
著者/川上徹也
発行/株式会社アスコム

川上徹也
湘南ストーリーブランディング研究所 代表/コピーライター
大学時代、霊長類学や社会心理学の研究に没頭。世界中の論文との出会いを求めて図書館に通いつめ、狭いアパートの部屋を学術論文のコピーでいっぱいにして暮らす。「人の心を動かす」仕事に興味を持って、広告代理店に入社。大阪支社で暗黒の営業局時代を経て、29 歳で転局しCMプランナーに。しかしそこでも芽が出ず、会社を辞め何のあてもなく上京。フリーランスという名のフリーターをしながら通った広告学校の講師から、コピーライターとしての才能を見いだされ、TCC 新人賞を受賞。その後、フジサンケイグループ広告大賞制作者賞、広告電通賞、ACC賞などを多数受賞する。現在は、ブランドの魅力を物語にして伝える「ストーリーブランディング」という手法を確立し、企業や団体のマーケティング・アドバイザーとして活動。ジャンルの垣根を越えて、様々なものの魅力を伝え続けている。『物を売るバカ』『1行バカ売れ』( 角川新書)、『ザ・殺し文句』(新潮新書)など著書多数。海外へも広く翻訳されている。

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