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自信があるものをおすすめしたい時、曖昧な表現のほうが共感をたくさん集める理由

2023.07.20PR

コピーライターとして、テレビやラジオのCMをつくったり、企業のブランディングを手掛けてきたコピーライターの川上徹也さんはうまく伝わらないのは、あなたの考えが間違っているからではなく、伝え方次第で、生じることのなかった誤解やすれ違いをなくすことができる、人はもっとわかり合うことができると言います。川上さんがハーバードやスタンフォードなど世界中の研究から、日常に取り入れやすいものを選んでまとめた伝え方の法則を、著書「面倒なお願いでも、気持ちよく相手に届く伝え方は?人を動かす伝え方50の法則」から一部抜粋・再構成してお届けします。

あえて断言しない

あなたが誰かに何かを買ってもらったり投資をしてもらったりする場合を想像してみてください。自信満々に「絶対いい商品です」「絶対にうまくいきます」と言い切ったほうが、効果がありそうですよね。

しかしながら、ニュージャージー大学のエリン・ブレッチャー博士らの研究によると、必ずしもそうでもないことが証明されました。

ブレッチャー博士らは、スニーカーに対する広告予算を投資するケースで、表現によって投資金額がどう変わるかを調べました。

その結果、「この広告は必ず成功します。だから広告予算をもっとつぎ込みましょう」と言い切るよりも、「広告は効くときと効かないときがあります。だから確実に効くとは言い切れません」と、曖昧な表現をしたときのほうが、投資額が多いことを明らかにしました。

特にあなたが何かの専門家であるなら、「断定」よりも、「確信が持てない」と伝えたほうが、多くの人に共感を持たれる可能性が高くなります。それを証明したのが次の研究です。  

カリフォルニア大学サンディエゴ校のカルマルカル准教授らは、架空のレストランについて、次の2種類のレビューを見せてそれぞれがどのような印象をもたらすかを調べました。

①「ディナーを食べたけど、この店は最高だと自信を持って断言します」

②「一度しか行っていないので断言はできないけど、今のところ、最高の店だと思います」

そして、このレビューは有名な料理評論家が書いたものだと伝えたところ、②のほうが大きな影響を与えることがわかりました。つまり、専門家の場合は、必ずしも自信満々な文章が説得力を高めるわけではなく、むしろ曖昧な表現をしたほうが、共感される可能性があるわけです。

先の実験からわかるように、確信がないことは、実はそのまま正直に伝えたほうが、信頼されるかもしれません。ただしそれは、まわりがあなたを信頼している場合に限ります。レストランの架空のレビューの実験でも、書いた人が無名のブロガーだと伝えると、自信のない文章は、評価を落とすことにつながりました。したがって、このテクニックを使うなら、まずは信頼を勝ち取ってから、「あえて断言しない」作戦をとるのがおすすめです。

【まとめ】
専門分野こそ、正直に伝えたほうが共感値が高まる

☆ ☆ ☆

「最新の知見」や「新しい視点」のヒントが詰まった「面倒なお願いでも、気持ちよく相手に届く伝え方は?人を動かす伝え方50の法則」。やみくもに大きな声で叫んでも、伝わらない。相手に伝わるからこそ対話は成り立ちますし、そうでなければただのひとりごとになってしまいます。どうにかして、この気づきをわかりやすく役に立つ形で伝えられないかというところからこの本の制作は始まったそうです。伝え方を工夫することで、相手とのコミュニケーションがうまくいく可能性があるなら、手に取って学んでみる価値は十分あるのではと思います。

面倒なお願いでも、気持ちよく相手に届く伝え方は?人を動かす伝え方50の法則
著者/川上徹也
発行/株式会社アスコム

川上徹也
湘南ストーリーブランディング研究所 代表/コピーライター
大学時代、霊長類学や社会心理学の研究に没頭。世界中の論文との出会いを求めて図書館に通いつめ、狭いアパートの部屋を学術論文のコピーでいっぱいにして暮らす。「人の心を動かす」仕事に興味を持って、広告代理店に入社。大阪支社で暗黒の営業局時代を経て、29 歳で転局しCMプランナーに。しかしそこでも芽が出ず、会社を辞め何のあてもなく上京。フリーランスという名のフリーターをしながら通った広告学校の講師から、コピーライターとしての才能を見いだされ、TCC 新人賞を受賞。その後、フジサンケイグループ広告大賞制作者賞、広告電通賞、ACC賞などを多数受賞する。現在は、ブランドの魅力を物語にして伝える「ストーリーブランディング」という手法を確立し、企業や団体のマーケティング・アドバイザーとして活動。ジャンルの垣根を越えて、様々なものの魅力を伝え続けている。『物を売るバカ』『1行バカ売れ』( 角川新書)、『ザ・殺し文句』(新潮新書)など著書多数。海外へも広く翻訳されている。

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