健康的な食材の代表格として、不動の人気を誇る「野菜」。
さまざまなモノの価格が上昇するなか、比較的安定した価格で、改めて注目される存在になっている。
一方、20~30代の若い世代の野菜消費率は年々減少している。そんな現状を憂え、野菜の情報の発信活動をしているのが、「青髪のテツ」さんだ。
青髪のテツさんは、スーパーマーケットの青果部で働いて11年。その経験をもとに、SNSで野菜の耳よりな知識を提供。Twitterではフォロワー数が54万人を超えるなど、「日本一有名なスーパーの店員」として知られる。先般は著書『野菜売り場の歩き方』(サンマーク出版)を上梓した。
本書には、長年の自炊派でも知らなかった、野菜情報が盛りだくさん。その中から、目からウロコの知識をいくつか紹介したい。
キャベツは断面が黄色いほうが新鮮
野菜は新鮮さが命だが、選ぶ基準はいくつかある。まずは「色」。「鮮やかな色=新鮮」というわかりやすい基準は、キャベツやほうれん草などの葉野菜、トマト、パプリカ、にんじんといった多くの野菜に当てはまる。
また、切り口の色も鮮度を把握する目安になる。例えば、レタスの芯の切り口がピンク色になっている場合。これは、鮮度が落ちたサイン。1/2や1/4にカットして販売されているキャベツや白菜は、断面が緑色になっているものは鮮度が落ちている。断面は黄色いものを選ぶようにしよう。
注意したいのは、冬に出荷される野菜の一部。ときどき、紫がかっているブロッコリーやキャベツを見かけるが、これは鮮度的にはどうなのか?
青髪のテツさんによれば、これは「寒さに当たってポリフェノールが表面にあらわれることで起きる現象」だという。冬になると多くの野菜は、水分が凍結しないよう糖を生成する。この時にポリフェノールが作られ、紫に変色する。それ自体は鮮度の面では問題なく、むしろ「糖度が高く、甘くなっている可能性が高い」そうだ。
また、見た目以外にチェックしたいのは重さ。ポイントは、「大きさの割に重いものを見極める」。重いほど水分が豊富で、みずみずしいものだからだ。ただし、まれな例外もある。青髪のテツさんは、本書の中で次のように記す。
サラダ用のレタスと春キャベツを選ぶときは軽いものを選びましょう。これらはふわっとした食感が特徴的な野菜です。重いものは育ちすぎているため、本来の持ち味であるふわっとした軽い食感が損なわれてしまっています。そのため、サラダには向きません。
もちろんたくさん食べたい方や、加熱する料理に使う場合は重いものを選んでもよいかもしれません。
買い物は事前にメモるだけでも節約に
最近行われたある調査によれば、家計で節約したい費目のトップは「食費」。値上がりが激しい光熱費よりも、まずは食費を抑えたいという家庭が多い。
これに関しても、青髪のテツさんは役立つ情報を教えてくれる。その1つが「事前に買うものを決めてお店に行く」。実はスーパーで買い物をする人の8割は、事前に何を買うか決めないで入店するという。すると、どうなるか?
そういう人ほど「スーパーの仕掛け」にまんまと引っかかってしまっています。
例えば、極端に値段を下げる価格戦略、何個買ったら何円引きというバンドル販売、関連陳列でのまとめ買いの誘発など、何を買うか決めていない人はついこういった戦略にはまりがち。その結果、買う予定の無かった品物がたくさんカゴの中に……という結果になってしまうのです。(本書133Pより)
さらに、「長時間買い物をするお客様の方が購入金額が高くなる」という指摘も。やはり、ちょっと面倒でも買うべき食材をメモしておき、それ以外は手を出さないで、さっと買い物を済ます姿勢が大事というわけ。
ちなみに、スーパーの惣菜は、調理の手間が省けて手堅い人気があるが、青髪のテツさんによれば要注意なのだそうだ。これは原価率が低く、店からしたら「めちゃくちゃ儲かる」商品だそうで、「外食と変わりない」というのがその理由。食費の節減を重視したいなら、惣菜にもメスを入れるとよいだろう。
文/鈴木拓也(フリーライター)
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