DIME MAGAZINE
国内のスタートアップ企業は約1万社。その中でプロが注目している企業とは？ 個人投資家、ベンチャーキャピタリストに聞くと、知られざるすごい会社が続々上がった！
健康・ウェルビーイング
星評価について
下記の3点を編集部が判断。星の数の基準は次の通り。三つ星：素晴らしい。二つ星：とても良い。一つ星：良い。
新規性：サービス、プロダクト、事業モデルの目新しさを採点。将来性：トレンドの観点から将来性を予想。インパクト：社会に与える変化の大きさを消費者目線で評価。
3Dテクノロジーを使った歯科矯正を提供「Philduct（フィルダクト）」
設立／2018年3月 資本金／非公開 従業員数／非公開
保険適用外の歯科矯正に価格破壊が起きる（起業家・孫さん）
3Dテクノロジーを使った透明マウスピース型の歯科矯正をD2C（消費者直接取引）で提供する。「日本では歯科矯正をすることで歯由来のトラブルが改善する人は7～8割もいるとか。しかし、現在は保険適用外で、審美目的がほとんどです。この歯科矯正の価格破壊を目指しているのがフィルダクトです。歯科医や歯科技工士のスキマ時間を活用し、クリニックの新たな収益源として提案しているところもユニークな点ですね」（孫さん）
マウスピースの装着管理をスマホでサポート
LINEを活用したサポートサービス『DPEARL support』も提供。ゴールが見えないことやフォロー不足による離脱などを解決する。
〈DIMEの読み〉歯科矯正がより手軽なものと認知されるのも、そう遠くない。また、透明なマウスピースなので治療期間の見栄えが、気にならない。
新規性／★★☆ 将来性／★★★ インパクト／★★☆
調剤薬局・患者向けにSaaSを提供「カケハシ 」
設立／2016年3月 資本金／114億1791万円 従業員数／320名
産業プラットフォーマーへ！（グロービス・キャピタル・パートナーズ・磯田さん）
服薬指導や薬歴作成をクラウドで提供する『Musubi』などを通じ、調剤薬局のDX化を進める。「CEOの中川貴史さんは東大在学中に起業し、マッキンゼーに入社。退社後に再度起業した経歴を持つ人物。そんなユニークネスにも注目」（磯田さん）
代表取締役CEOの中川さん。400軒の薬局を共同創業者の中尾豊さんと回り、薬剤師にヒアリングを行なってサービスを開発した。
©KAKEHASHI Inc.
〈DIMEの読み〉業界特化型SaaSではあるが、日本全国の調剤薬局数は約6万店とコンビニの数より多い。現在は7000店舗以上の薬局導入され、市場シェアは10%超。ニーズを捉え、さらに飛躍しそうだ。
新規性／★★☆ 将来性／★★★ インパクト／★★☆
3Dプリンターの商用利用で義足開発を行なう「Instalimb（インスタリム）」
設立／2018年11月 資本金／1億7201万円 従業員数／80名
低価格の義足提供を実現させた（起業家・孫さん）
「もともとフィリピンの人々に向けて義足開発していた会社です。3Dプリンターの商用利用は実例が少ない中でそれを可能にし、通常は数十万円する義足が太ももからのものが8万円程度、ふくらはぎから下なら4万円程度という価格を実現しました」（孫さん）
通常数百万する義足が5万円から！
〈DIMEの読み〉義足ユーザーが持つ悩みを価格・期間・性能面で一気に解消した。普段使いする義足に加えて2本目として利用する需要に応えてくれそうだ。
新規性／★★☆ 将来性／★★★ インパクト／★★☆
心身の不調と生産性向上を支援「バックテック」
設立／2016年4月 資本金／3億2100万円 従業員数／11名
健康経営に取り組む企業が急増。日本社会の生産性向上に寄与すると確信（ジャフコ・井坂さん）
同社が提供する『ポケットセラピスト』は、多くの企業・健保に導入されている、肩こり・腰痛対策を切り口とした生産性向上支援ツール。「近年、従業員の健康管理を経営的な視点で捉え、戦略的に実践する『健康経営』が注目されています。国が後押しするもので、企業の業績向上につながる。この潮流に合ったサービスです」（井坂さん）
社員の体・心の痛み解決をサポート
〈DIMEの読み〉ブラック企業では会社の経営は立ち行かなくなる。従業員の健康に配慮すれば業務効率が改善し、生産性はアップする。望むべきその姿の実現に最適なツールとして求められるだろう。
新規性／★★☆ 将来性／★★☆ インパクト／★★☆
※資本金、従業員数は2023年2月調査時の数字です。
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DIME4月号の特集は「最強のスタートアップ100」「家電の未来予報」
日本におけるスタートアップが変革期を迎えつつある。メルカリ、ビズリーチ、ラクスル、BASEなど、急成長を遂げたこれらの企業に続くのはどこか。投資を目的に、協業を念頭に、転職先探しに、各分野で注目される企業など最前線を紹介する。
取材・文／藤村はるな
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