国内のスタートアップ企業は約1万社。その中でプロが注目している企業とは? 個人投資家、ベンチャーキャピタリストに聞くと、知られざるすごい会社が続々上がった!
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星評価について
下記の3点を編集部が判断。星の数の基準は次の通り。三つ星:素晴らしい。二つ星:とても良い。一つ星:良い。
新規性:サービス、プロダクト、事業モデルの目新しさを採点。将来性:トレンドの観点から将来性を予想。インパクト:社会に与える変化の大きさを消費者目線で評価。
スマホゲームのライブ配信サービス運営「Mirrativ(ミラティブ)」
設立/2018年2月 資本金/1億円 従業員数/111名
著名な起業家の赤川さんが経営する会社。さすがの成長(ジャフコ・井坂さん)
ライブゲーミング事業に注力。戦略が明確です(グロービス・キャピタル・パートナーズ・磯田さん)
日本最大のスマホ画面共有型ライブ配信プラットフォーム『Mirrativ』を運営。スマホ1台でゲーム配信ができる手軽さから支持を集め、配信者数は460万人以上。コラボ機能、配信者を応援できるギフト機能も充実。ユーザー同士の活発なコミュニティーを形成している。「エンタメ領域で最も注目している会社です。ゲームのライブ配信を通じてユーザー同士のコミュニケーションが盛り上がるのが、同アプリのおもしろさ。視聴者が配信中のゲームに参加・介入できる〝ライブゲーミング〟という新体験を提供し、1タイトルで5000万円を売り上げるなど注目を集めています」(磯田さん)。「経営陣にも優秀な人材が揃っています」(井坂さん)
社長の赤川隼一さんは、DeNA出身。Yahoo!モバゲーや韓国支社の立ち上げを経て、歴代最年少執行役員に就任。社内事業として始まった『Mirrativ』を2018年にMBOし、現在に至る。
ユーザーは自身のアバターを作成。ゲーム実況だけでなく、ユーザー同士の雑談も盛んに行なわれている。
『みんにゃで!ねこメダル』をはじめオリジナルのゲームもスピーディーにリリース。
〈DIMEの読み〉ゲームのライブストリーミングは世界に9億人以上のユーザーを持つ。同社の強みであるSNS的なコミュニティーとライブゲームでさらにユーザー増加が見込まれる。2022年11月時点の累計資金調達額は約97億円。
新規性/★★★ 将来性/★★☆ インパクト/★★★
新しいNFTの活用方法を提案「NUNW(ニュー)」
設立/2021年6月 資本金/6億8960万円 従業員数/20名
投機目的ではなく実生活に根差したNFT。人々の生活を豊かにするビジネス展開(ジャフコ・井坂さん)
デジタルトレーディングカードを購入・売買できるNFTのマーケットプレイス『HABET(ハビット)』を運営。NFTをイベント特典や卒業証書などの「証明」とする活用方法も提案し、企業とのコラボを進める。「NFTにライフログとしての価値を見いだしている点に注目しています」(井坂さん)
ライフログとしてNFTを活用
東京スカイツリーで元旦に開催されたイベントでは、来場者に「初日の出写真のNFT」を配布。
〈DIMEの読み〉投機色の強いNFTに新たな価値をもたらすサービスは数少ない。成長著しいNFT市場において、生活の中での利用シーン拡大や利用者拡大のきっかけになるかも。
新規性/★★★ 将来性/★★☆ インパクト/★☆☆
VTuberの運営・ライブ配信サービス開発「COVER(カバー)」
設立/2016年6月 資本金/4億5280万8545円 従業員数/395名
日本発のネクストポップカルチャー(グロービス・キャピタル・パートナーズ・磯田さん)
VTuber事務所『ホロライブプロダクション』の運営を中心にバーチャルライブ配信やメタバースの開発などを行なう。「VTuberビジネスはライブ配信が中心でコミュニティの熱量が高く、グッズ販売など利益率の高いコマース事業の比重が大きい点がYouTuberとの違い。ホロアースというメタバース事業への投資も興味深い」(磯田さん)
企業コラボも頻繁に実施。2020年には、同社所属の女性VTuberグループ・ホロライブが「日清カレーメシ」とコラボし、話題に。
「ホロライブ」がアイドル的人気
©2016 COVER Corp.
〈DIMEの読み〉VTuberの芸能事務所というビジネスモデルを確立し、2020年に7億円の資金調達を実現。国内外に約3500万人以上のファンを有し、今後の海外展開にも期待大。
新規性/★★☆ 将来性/★★★ インパクト/★★★
※資本金、従業員数は2023年2月調査時の数字です。
取材・文/藤村はるな
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DIME4月号の特集は「最強のスタートアップ100」「家電の未来予報」
日本におけるスタートアップが変革期を迎えつつある。メルカリ、ビズリーチ、ラクスル、BASEなど、急成長を遂げたこれらの企業に続くのはどこか。投資を目的に、協業を念頭に、転職先探しに、各分野で注目される企業など最前線を紹介する。