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直接の褒め言葉は警戒しても第三者からの褒め言葉には、素直に喜んでしまうのはなぜ?

2023.06.23PR

コピーライターとして、テレビやラジオのCMをつくったり、企業のブランディングを手掛けてきたコピーライターの川上徹也さんはうまく伝わらないのは、あなたの考えが間違っているからではなく、伝え方次第で、生じることのなかった誤解やすれ違いをなくすことができる、人はもっとわかり合うことができると言います。川上さんがハーバードやスタンフォードなど世界中の研究から、日常に取り入れやすいものを選んでまとめた伝え方の法則を、著書「面倒なお願いでも、気持ちよく相手に届く伝え方は?人を動かす伝え方50の法則」から一部抜粋・再構成してお届けします。

他人のクチコミを伝える

あなたがストレートな意見を伝えられないのは、決して悪いことではありません。売り手が商品・サービスのいいところをアピールしても、お客さんからは「ただ売りたいだけでしょ?」と警戒されてしまうからです。

ではどうすればいいでしょう? そんなときには、その商品を買ってくれたお客さんの声を集めて、それを伝えるという方法があります。現代広告の父と呼ばれるデイヴィッド・オグルヴィも、著書の中で次のように述べています。

「コピーにはつねに推薦文を添えておくべきだ。読者には匿名のコピーライターの大絶賛より、自分と同じ消費者の推薦のほうが受け入れやすい」

ちなみに客の声をそのまま伝える方法以外に、こっそり文章に忍び込ませるテクニックもあります。

催眠療法家として知られる精神科医のミルトン・エリクソンが提唱した「マイフレンド・ジョン・テクニック」を応用したものです。「マイフレンド・ジョン・テクニック」とは、「自分の意見」を「友達のジョンが言ってたんだけど……」と「第三者話法」で伝えるテクニックです。たとえばあなたがクッションを売っているならこんなイメージです。

先日、このクッションをご購入いただいたタクシードライバーのお客さんから、こんな言葉をいただきました。「まるで宙に浮いているような感覚で、長時間運転しても全然お尻が痛くならなかった。なんでもっと早く教えてくれなかったの?」と。

その場にいない第三者の意見や感想ですから、相手も頭ごなしに否定できません。また売り手ではない第三者のストーリーには、相手が感情移入する確率が高まります。特にセールスの流れの中で、その効果はより高まります。

ただし、これが本当にお客さんが語った言葉でない場合の倫理性については、考慮する必要があります。私はやはり誰かが本当に語った言葉だけを書いたり話したりするべきだと考えます。ただそれでもテクニックはテクニックとして、覚えておくことは必要。意識してお客さんの声を集めておきましょう。

「マイフレンド・ジョン・テクニック」は販売だけでなく、相手をほめるときにも使えます。「〇〇さんがあなたのことほめていたよ」と伝える感じです。

人間は直接のほめ言葉には警戒しても、第三者からのほめ言葉には素直に喜びやすいものなのです。

【まとめ】
「友達がいいって言ってたよ」というのが、最強の売り文句になる

☆ ☆ ☆

「最新の知見」や「新しい視点」のヒントが詰まった「面倒なお願いでも、気持ちよく相手に届く伝え方は?人を動かす伝え方50の法則」。やみくもに大きな声で叫んでも、伝わらない。相手に伝わるからこそ対話は成り立ちますし、そうでなければただのひとりごとになってしまいます。どうにかして、この気づきをわかりやすく役に立つ形で伝えられないかというところからこの本の制作は始まったそうです。伝え方を工夫することで、相手とのコミュニケーションがうまくいく可能性があるなら、手に取って学んでみる価値は十分あるのではと思います。

面倒なお願いでも、気持ちよく相手に届く伝え方は?人を動かす伝え方50の法則
著者/川上徹也
発行/株式会社アスコム

川上徹也
湘南ストーリーブランディング研究所 代表/コピーライター
大学時代、霊長類学や社会心理学の研究に没頭。世界中の論文との出会いを求めて図書館に通いつめ、狭いアパートの部屋を学術論文のコピーでいっぱいにして暮らす。「人の心を動かす」仕事に興味を持って、広告代理店に入社。大阪支社で暗黒の営業局時代を経て、29 歳で転局しCMプランナーに。しかしそこでも芽が出ず、会社を辞め何のあてもなく上京。フリーランスという名のフリーターをしながら通った広告学校の講師から、コピーライターとしての才能を見いだされ、TCC 新人賞を受賞。その後、フジサンケイグループ広告大賞制作者賞、広告電通賞、ACC賞などを多数受賞する。現在は、ブランドの魅力を物語にして伝える「ストーリーブランディング」という手法を確立し、企業や団体のマーケティング・アドバイザーとして活動。ジャンルの垣根を越えて、様々なものの魅力を伝え続けている。『物を売るバカ』『1行バカ売れ』( 角川新書)、『ザ・殺し文句』(新潮新書)など著書多数。海外へも広く翻訳されている。

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