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現総裁体制下、最後となる日銀金融政策決定会合での注目すべきポイントは?

2023.03.09

3月9日、10日、雨宮正佳副総裁と若田部昌澄副総裁にとって最後の日銀金融政策決定会合が行われる。現総裁・副総裁の体制下で最後の会合において、注目すべき点はいったいどこか?

三井住友DSアセットマネジメントはこのほど、同社チーフマーケットストラテジスト・市川雅浩氏がその時々の市場動向を解説する「市川レポート」の最新版として、「2023年3月日銀金融政策決定会合プレビュー」と題したレポートを発表した。レポートの詳細は以下の通り。

市場では少数派ながら、来週の会合でYCCの変動幅再拡大というサプライズを見込む向きもある

日銀は3月9日、10日に金融政策決定会合を開催する。なお、雨宮正佳副総裁と若田部昌澄副総裁は3月19日、黒田東彦総裁は4月8日に、それぞれ任期満了を迎えるため、今回は現総裁・副総裁の体制下で最後の会合となる。市場では、現状維持を予想する向きが大半だが、黒田総裁が最後にサプライズを起こすのではないかとの声も一部に聞かれる。

日銀は昨年12月20日、イールドカーブ・コントロール(YCC)における10年国債利回りの許容変動幅を、上下0.25%から0.5%へ拡大することを突然決定した。債券市場の機能低下に対処するためのものだったが、依然として利回り曲線のゆがみは解消されていない(図表1)。そのため、市場では少数派ながら、黒田総裁が3月の会合で変動幅の再拡大に踏み切る可能性を指摘する向きもある。

日銀は変動幅拡大の効果を見守る状況にあるが2月債券市場調査は前回調査から大きく悪化

なお、黒田総裁は1月18日、金融政策決定会合後の記者会見で、「(変動幅拡大の)影響を評価するには時間がかかる」との見解を示た。また、同会合の主な意見(1月26日公表)でも、「前回会合で決定したイールドカーブ・コントロールの運用の見直しが市場機能に及ぼす効果については、いましばらく時間をかけて見極める必要がある」との指摘があり、日銀は現在、変動幅拡大の効果を見守っている状況にあると推測される。

こうしたなか、日銀は3月1日、債券市場サーベイを公表した。今回の2月調査は、2月1日~7日の期間、大手機関投資家など70社からの回答をまとめたもので、変動幅拡大後の市場機能の変化をみる上で注目されていた。結果は図表2の通りで、債券市場の機能度判断指数はマイナス64と、前回の昨年11月調査から13ポイント悪化し、2015年2月の調査開始以来、最低の水準となった。

ただ、変動幅再拡大は黒田総裁の見解や期末という時期も踏まえると難しく、今回も現状維持か

この結果をみる限り、昨年12月の変動幅拡大後も、債券市場の機能は総じて悪化していることから、3月の会合で変動幅の再拡大を予想する向きには支援材料になったと思われる。

ただ、前述の通り、黒田総裁も、主な意見における指摘でも、効果の判断には「時間がかかる」と明言しており、2月上旬の調査結果をもって早々に変動幅再拡大を決定する公算は小さいと考える。

黒田総裁は2013年3月20日に日銀総裁に就任後、量的・質的金融緩和など、異次元緩和を強力に推進してきた。最後の会合で変動幅再拡大となれば、これまでの緩和方針を修正することにもなりかねず、また、年度末ということもあり、サプライズで長期金利が上昇すれば、金融機関の決算への影響も懸念される。そのため、黒田総裁は最後まで金融緩和継続の姿勢を崩さないのではないかとみている。

出典元:三井住友DSアセットマネジメント

構成/こじへい

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