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1日20分の運動でも入院リスクが低下する可能性、米国立がん研究所報告

2023.03.08

わずか1日20分の運動で入院リスクが低下する可能性

1日わずか20分の運動で、さまざまな疾患による入院リスクが大きく抑制されることを示唆する研究結果が報告された。評価した25種類の疾患のうち、13種類の疾患による入院リスクが、20分の中~高強度運動で有意に抑制される可能性があるという。

米国立がん研究所のEleanor Watts氏らの研究によるもので、詳細は「JAMA Network Open」に2023年2月16日掲載された。

この研究は、英国の大規模ヘルスケアデータベース「UKバイオバンク」のデータを用いた、前向きコホート研究として行われた。解析対象は、42~78歳の一般住民8万1,717人(平均年齢61.5±7.9歳、女性56.4%)。

1週間にわたって加速度計を身に付けて生活してもらい身体活動量を評価。その後、中央値6.8年(四分位範囲6.2~7.3)追跡し、一般的な疾患による入院のリスクとの関連を検討。

得られたデータを基に、1日当たり20分の座位行動を軽強度運動または中~高強度運動に置き換えた場合の入院リスクへの影響を算出した。

入院リスクに影響を及ぼし得る因子(年齢、性別、人種/民族、喫煙・飲酒習慣、BMI、社会経済的地位、教育歴、就労状況、女性の経口避妊薬の使用・ホルモン補充療法の施行など)の影響を調整後、1日20分の座位行動を中~高強度運動に置き換えた場合、糖尿病に関連する入院のリスクは22%低下するほか〔ハザード比(HR)0.78(95%信頼区間0.74~0.82)〕、虚血性脳卒中、虚血性心疾患、静脈血栓症、胆のう疾患、胃食道逆流症、大腸ポリープ、尿路感染症、鉄欠乏性貧血など、13種類の疾患による入院のリスクが有意に低下する可能性が示された。

また、1日20分の座位行動を軽強度運動に置き換えた場合も、胆のう炎や尿路感染症などのリスクが有意に低下することが示唆された。

Watts氏は、「われわれの研究結果は、身体活動そのものが入院リスクを押し下げることを証明するものではない。ただし、年齢や収入などの交絡因子を調整後にも、依然として身体活動量の多さと入院リスクの低さとの間に関連が認められた」と研究結果を総括している。

米ペニントン生物医学研究センターのPeter Katzmarzyk氏は、「身体活動に体重抑制や心肺機能の改善など、多くの効果のあることが既に知られているが、本研究は運動のメリットの可能性をさらに押し広げるものだ。入院リスクが低下するかもしれないという結果は、人々にとって重要な意味を持つ」と論評している。

同氏は、「米国では健康の維持・増進のために、毎週少なくとも150分間の適度な有酸素運動、または75分間の高強度運動を行うことが推奨されている」と解説。

同氏によると、適度な有酸素運動とは早歩き、平地でのサイクリング、庭仕事などであり、高強度運動とは心臓の鼓動が激しくなり汗をかくような運動であって、ランニング、丘陵地帯でのサイクリングなどが該当するとのことだ。

一方、米ジョン・オクスナー心臓血管研究所のChip Lavie氏は、「推奨される中~高強度の運動には、かなり幅広い範囲の運動が含まれていて、その影響の差が大きい。例えば、毎日のジョギングを続けることは犬を毎日散歩させる程度の運動よりも、大きなメリットをもたらす可能性がある」と述べている。

また、「その人に必要な身体活動量は、その人が何を目的に運動するのかによって異なる。体重を減らしたいのであれば、エネルギーを多く消費すればするほど良い」としている。なお、Katzmarzyk氏、Lavie氏は、本研究には関与していない。

Lavie氏は、人々へのアドバイスのポイントを、「ほぼ全ての身体活動は、それをしないよりも優れているということだ」とまとめている。つまり、健康の維持・増進のために、ランニングのような高強度運動を明日から始めなければならないというわけではないとのことだ。

またWatts氏は、「これまで長年、座位行動中心の生活を送っていたとしても、体を動かす生活習慣に切り替えるのが遅すぎるということは、決してない」と強調している。(HealthDay News 2023年2月20日)

Copyright © 2023 HealthDay. All rights reserved.
Photo Credit: Adobe Stock

(参考情報)
Abstract/Full Text
https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2801494

構成/DIME編集部

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