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苦境が続く日本の航空機産業、前年度から減益になった企業は7割、赤字の企業は4割

2023.03.04

2月7日、三菱重工業は国産初のジェット機「スペースジェット(旧・MRJ)」の開発中止を発表した。開発子会社の三菱航空機(愛知県)も清算する方向。2020年10月に「一旦立ち止まる」として事実上開発は凍結されていたが、自動車に次ぐ“ものづくり”の柱として期待を集めていただけに今後の影響が懸念される。

そんな中、帝国データバンクはこのほど、企業概要データベース「COSMOS2」(147万社収録)をもとに主要航空機関連産業224社について、2021年度(2021年4月~2022年3月)の業績や事業規模、所在地などを調査・分析し、その結果を発表した。

売上高推移 ~最新期合計売上高は2兆4713億5000万円、2年連続で減少

全国の航空機関連企業224社の業績推移をみると、2021年度の売上高合計は2兆4713億5000万円、前期比で10.5%減少した。「増収」だった企業は22.3%と前年度から8.9ポイント増加したのに対し、「減収」は47.3%と比率こそ低下したものの、ほぼ半数を占めた。

新型コロナウイルス感染症拡大で航空旅客需要が喪失したが、「スペースジェット」の開発が凍結された前年からみると、売上推移はわずかに改善がみられるものの、依然として厳しい状況が続いている。

直近の推移をみると、224社の売上高合計は、コロナ前の2019年度までは4兆円弱で安定的に推移していたが、2020年度(2兆7627億9000万円、26.5%減)以降は大幅な減収に転じた。航空機以外にも自動車部品などの製造を手がけている企業も多く含まれており、コロナ禍で製造業全体が停滞した影響も受けているとみられる。

利益推移 ~全体では黒字転換も「赤字」企業の割合は増加

航空機関連企業224社のうち、当期純損益が判明した企業の2021年度の当期純損益合計は1575億8900万円の黒字。2期連続で赤字となっていたが3期ぶりの黒字転換となった。

三菱航空機1社で計上した単年度赤字(2021年度は87億9900万円、2020年度は912億8900万円)が全体に大きく影響する傾向は続いており、赤字幅が縮小したことでその合計額は改善した。

ただ、2021年度は「赤字」企業が41.7%と前年よりも増加、全体的に航空機関連企業の収益は悪化しており、三菱航空機以外の収益状況も厳しさを増している。「増益」企業は構成比27.3%で前年度から増加、「黒字」企業は58.3%で前年度から減少した。

2021年度の収益状況については、売り上げの回復が限定的ななか、資材価格や人件費高騰などの影響も受け、中小規模事業者を中心に厳しい状況に立たされている様子が窺える。

所在地別 ~「愛知」がトップ

全国の航空機関連企業のうち、多数を占める「航空機・同付属品製造業」(主業・従業含む)の都道府県別所在地では、全国224社のうち三菱航空機などが本社を置く「愛知」が41社でトップ。2位は「東京」で35社、3位は「岐阜」で32社となり、東海地区に航空機関連企業が集積していることがわかる。

まとめ

新型コロナウイルス感染症拡大で航空旅客需要は一気に喪失。とくに、主力の米ボーイング社や欧州のエアバス社などからの受注の減少などによってわが国の航空機関連企業の業績は厳しさを増している。

そうしたなか、多くの期待を背負ってきた国産初のジェット旅客機「スペースジェット(旧・MRJ)」の開発中止が決定された。開発を手がける三菱航空機が本社を置く愛知県では落胆の声が多く聞かれる一方で、ある程度は覚悟していたという冷静な受け止め方もされている。

しかし、自動車に次ぐ“ものづくり”の柱として大きな期待を受けている航空宇宙産業において、重要なアイコンであった「スペースジェット」を失う影響は決して小さくはない。

思い切った設備投資をして量産化を待ち望んでいた企業にとっては、事業存続を左右しかねない決定でもある。とくに、中小クラスの航空機部品メーカーでは事業継続が困難に陥る懸念が募る。

今後は、得られた知見を次世代戦闘機への活用を進めていくなどとしているが、中小部品メーカーを中心にこれまで積み上げられてきたノウハウが失われることのないよう、官民あげての取り組みが求められる。

出典元:帝国データバンク

構成/こじへい

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