世界の株式の動きを示すMSCI世界株指数の年初来騰落率が+4.0%となる一方、インドの株価指数は▲6.4%と沈んだ。
インド株が世界株に対し約10%遅れをとった要因は何なのか。また、インド株は今後、どのように推移すると考えられるのか。
そんな「インド株」に関するマーケットレポートがこのほど、三井住友DSアセットマネジメントにより公開された。詳細は以下の通り。
今年のインド株は出遅れ
今年に入り、世界の株式市場はリスクオン(選好)の動きで急反発したが、足元では米利上げ停止が遠のくとの見方からやや調整している。
こうしたなか、インド株は出遅れ感が目立っている。世界の株式の動きを示すMSCI世界株指数(MSCI-ACWI)の年初来騰落率は+4.0%となる一方、インドの株価指数(MSCIインド)は▲6.4%と沈んでいる(2月24日時点)。
インド株が世界株に対し約10%劣後した要因は、相場全体がリスクオンとなり、昨年堅調だった市場から低迷していた市場へ資金シフトが起こったことに加え、インドの財閥アダニ・グループに対する不正会計疑惑が浮上し、外国人投資家の売りが広がったことが挙げられる。
政府予算案はポジティブ、利上げは最終局面へ
インド株市場にとって重要な政府予算案(財政政策)と金融政策が2月上旬に公表された。1日発表の23/24年度(23年4月〜24年3月)の政府予算案は、インフラ投資を中心に資本支出が前年度の修正予算比37.4%増となる景気支援型の計画で、株式市場の追い風となりそうだ。
またインド準備銀行(RBI)は8日、市場予想通り政策金利を6.5%に引き上げた。その後発表された消費者物価上昇率は上振れたが、長期金利は小幅な上昇にとどまっている。
三井住友DSアセットマネジメントはRBIが次回4月に利上げを実施した後、政策金利を据え置くと予想しており、利上げは最終局面に入ったと判断している。
成長ストーリーを再評価し、株価は持ち直しへ
インド株市場では、足元で外国人投資家の売り越しが一巡しており、一定程度アダニ問題の悪影響に対する織り込みが進んできたとみられる。アダニ・グループの不正会計が事実だった場合、短期的にはインド株市場が下押しする可能性がある。
しかし、中長期の視点では、人口増に伴うインドの成長ストーリーに変わりはない。ファクトセットによれば、MSCIインドの2023年の企業業績は前年比+20%と好調な伸びが予想されており、いずれ景気支援型の政府予算案を評価して、見直される可能性があると思われる。
※個別銘柄に言及しているが、当該銘柄を推奨するものではない。
出典元:三井住友DSアセットマネジメント
構成/こじへい
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