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花粉症患者にとって花粉が飛びやすい「地獄の日」の条件

2023.03.02

花粉症シーズンがやってきた。くしゃみや鼻水、目の痒みなどから花粉の気配を既に感じている人は多いだろう。

今年はスギ花粉の飛散量が過去10年で最多になる可能性が高いと環境省が発表。いったいなぜ、今年のスギ花粉の飛散量が多くなりそうなのか。そして、特に警戒すべきはどういう日なのか、日本気象協会の手塚由紀子さんに話を聞いた。

昨年の夏の気象はスギが花芽を作るのに好条件だった

スギやヒノキなどの植物の花粉が原因で生じるアレルギー症状の「花粉症」。くしゃみや鼻水、目の痒みや目の充血、体のだるさや、集中力の低下、首元などの痒みなどの辛い状況が、花粉が飛んでいる間続いてしまう。花粉の量が多くなるということは、目や鼻から入り込む可能性が高まるといえるのだ。

「花粉がどれくらい飛散するか予測するために大事な要素は2つ。ひとつめは、シーズン前の夏の気象です。夏の気象で見るポイントは“気温”“降水量”“日照時間”です。6月7月の気象情報を参考にしますが、特にスギの花芽の生長に影響があるのは夏の前半と考えられており、6月の条件が特に影響すると考えられています。今年の6月は高温・少雨・多照というスギの花芽が多く形成されるための好条件となりました」

もうひとつ大事な要素が、目視でスギの花芽の着花状況の調査をすることだという。

「夏の気象条件がスギの花芽にとって好条件だったとしても、現地調査をすると“思ったより花芽がなってないね”ということが起こり得る。そのため、現地調査も行い、総合的な予報を出す。実際、今年の花芽調査結果では、昨年の調査に比べて花芽の実りが多いと各地から報告が入っています。つまり、スギ花粉がたくさん飛ぶポテンシャルは十分にあるといえます」

飛散開始はどういう条件が揃えば発表されるのだろうか。

「花粉の数を数えます。粒子を顕微鏡で目視して、1平方センチメートルあたり1個以上の花粉を2日連続して観測した場合の“最初の日”を飛散開始日とします。例えば東京の場合、例年だと2月10日~14日あたりが、飛散開始日になる傾向にあります」

“雨あがりの晴天で風が強い日”がスギ花粉要注意日

スギの花芽1粒7㎜程度の中に、約40万個の細かい花粉が入っており、松ぼっくりのような感じに開き、隙間から飛んでいくのだという。スギは30~40mほどまで高くなり、スギ花粉は風にのって数十kmほど遠くまで飛ぶこともあり、近くにスギの木がないからといって安心することはできない。

「特に花粉が飛びやすい日の特徴としては、“雨あがり”“晴れて気温の高い日が2・3日続いたあと”“空気が乾燥して風が強い日”です。意外なのが雨のあとだと思います。確かに、雨が降ると花粉は一度地面に落ちます。土に落ちると土と馴染むこともあるのですが、アスファルトだとそうはいかない。水によって排水溝などに流れればいいですが、アスファルトに残っていると晴れた時に命を吹き返すように空気中に舞い散ります。これを二次飛散と呼ぶこともあります」

雨あがりの、晴天で風が強い日となると、特にスギ花粉がたくさん飛びかねないわけだ。日によって気象状況も違うため、花粉症の人は毎日のニュースをチェックしたい。

「この先の春の天気によっては、まだ花粉がどうなるかはわかりません。春に寒波がやってきたり、春の嵐が毎週のようにきたりして流されてしまう可能性もゼロではなく、そうなればそこまで花粉は飛ばないでしょう。しかし、例年通りの気象情報だと考えると、花粉が飛びやすい条件は十分に揃っているといえます。警戒しておいた方がいいですね」

手塚由紀子さん
一般財団法人日本気象協会 事業本部メディア・コンシューマ事業部 メディア事業課。
花粉飛散予測をはじめとした、桜の開花・満開日予想、紅葉の見ごろ予想など、日本気象協会の春夏秋冬を通じた季節に関する情報発信を担当。

取材・文/田村菜津季

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