最近よく聞かれる「人的資本経営」という言葉。これは、企業にとって「人材」をかけがえのない資本と捉え、価値を最大限高めるために投資を行っていくという考え方だ。
そんな人的資本経営をする上で大切な「育成」と「リスキリング」について、企業はどれほど力を入れているのだろうか?
パーソルホールディングスはこのほど、人的資本経営における育成・リスキリングに関する企業の取り組み実態調査を行い、その結果を発表した。本調査は、企業の経営層ならびに人事に携わる人を対象に、人的資本経営に関連する人事施策について調べ、その中から「育成・リスキリング」に関連する取り組みをレポートとしてまとめたものだ。
実施している育成施策について
現在実施している育成施策としては「OJTの見直し・強化」が28.1%ともっとも実施割合が高く、次いで「自己啓発型・公募形式での多様な学習支援」が24.7%、「1on1などによる個の成長支援」が22.2%と、個に応じた育成施策が上位にあがった。
人材育成への取り組みについて
将来事業を踏まえた人材育成の設計が「十分できている」「ある程度できている」の合計は、「後継者育成・次世代経営層の育成」で40.9%、「マネジメント人材の育成」では41.7%、「AI・DX人材の育成」で33.7%、「高度スキル・専門人材の育成」で35.4%であった。とりわけ、専門性のある分野での人材育成ほど設計が進んでいないことがうかがえる。
リスキリング・デジタル人材育成への取り組みについて
リスキリングを進めるうえでの課題は、「配置・処遇との連動が難しい」が31.7%とトップであった。次いで、「なかなかスキルが向上しない、身につかない」「適切なプログラム構築が難しい」「キャリアパスの提示が難しい」なども30%弱の企業が課題であると回答している。
出典元:パーソルホールディングス
構成/こじへい