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世界15か国、2200人以上の経営層アンケートでわかったデジタル先進企業に共通する7つの特徴

2023.03.07

KPMGコンサルティングはこのほど、経済の先行きが不透明ななか、企業がどのようにデジタル化の機運を維持しようとしているのか、また競合他社より一歩先を行くために採用しているテクノロジー戦略を探る調査の結果をまとめたレポート「KPMGグローバルテクノロジーレポート2022」(日本語版)を発表した。

本レポートは、KPMGが20年以上にわたりCIO(最高情報責任者)とテクノロジーリーダーを対象に実施してきた「グローバルCIO調査」の調査対象範囲を、より幅広い経営幹部へと拡大し、世界15ヵ国、2,200人以上の経営層を対象にKPMGが独自に行った調査をもとに、デジタル化の現状と課題、デジタル化先進企業に見える特徴などとともに、テクノロジー業界を代表する専門家へのインタビューの内容をまとめたものだ。

デジタルトランスフォーメーション

今回の調査からは、経営層が自社のデジタルトランスフォーメーションが期待通りの成果を挙げていることに自信を得て、今後の施策にも前向きに取り組もうとしていることが明らかとなった。市場の混乱や地政学上の緊迫は続いているものの、企業は新たなテクノロジーを受け入れ、新たなツールに投資する方向へと進んでいる。

回答者のほぼ全員が、過去2年間にデジタルトランスフォーメーションによって自社の収益性と業績、またはどちらか一方が向上したと回答している。

また、主要な導入マイルストーンに対しても、計画より早く到達していることが明らかになった。さらに、アプリケーションモダナイゼーションとインテリジェントオートメーションについては、今後数年といった長い期間をかけず、1年以内に優先的に取り組む可能性が高いと回答しており、多くの企業がこれらの領域において早く成熟することを期待している。

図表1:デジタルトランスフォーメーションによって過去2年間で収益性または業績にどの程度プラスの影響がありましたか?

先端テクノロジー

加えて今回の調査からは、先端テクノロジーを声高に求める動きが広がっていることが明らかになった。今後2年以内におよそ67%がメタバース、非代替性トークン(NFT)、Web3などの先端テクノロジーの採用を計画しており、さらに、72%の回答者が量子コンピューティングへの投資を予定している。

顧客体験を充実させるという企業の戦略的目標において、エンタープライズテクノロジーは重要な役割を果たしている。今回の調査からも、顧客中心の姿勢がテクノロジーへの投資意欲につながっていることがうかがえた。

回答者のおよそ10人に9人(89%)が、各機能向けに効率化したエンタープライズアプリケーションを備えている(51%)、または、全社的に効率化・統合化したアプリケーションを備えている(38%)と回答している。一方、62%の回答者は依然として機能間のサイロ化への対応に取り組まなければならない状況であると回答している。

クラウドの導入

今回の調査から、クラウドへの移行が順調に進んでいることが明らかになった。クラウドの導入に進展がみられたという回答は88%(10社に9社)に上っている。また、73%は基幹業務をクラウドに移行しつつあり、さらに15%はすでに移行を完了させ、その先のシステム最適化の検討をはじめている。

図表2:自社はクラウドジャーニーのどの位置にあると思いますか?

人材不足

デジタル技術の導入において企業が直面している最大の課題は、優秀な人材の不足だ。ほぼすべての業務にデジタルツールが利用されるようになった今、ビジネス領域の知識とデジタルスキルを併せ持つ優秀な人材がますます必要とされるなか、企業は能力開発の機会や報酬制度を設け、ソフトウェアエンジニアやデータサイエンティストなどスキルを持った技術者にアピールする必要がある。

図表3:新たなデジタル技術の導入において、自社が直面している最大の課題は何ですか?

サイバーセキュリティ

サイバーセキュリティチームは、新たな脅威へのプレッシャーに応えようとしているが、人材不足がセキュリティ対策に支障をきたしている。回答者の半数以上(58%)が、サイバーセキュリティ対策のスケジュールに遅れが生じていると回答している。

KPMGが2022年に発行したサイバーセキュリティに関するレポート「Cyber trust insights 2022」では、データ保護に関する懸念は、企業のデータ管理体制に対するステークホルダーからの信頼を損ねる最大の要因となっている。

図表4:自社のサイバーセキュリティ目標を達成するうえで、最も大きな社内の課題は何ですか?

世界15ヵ国、2,200人以上の経営層から導き出されたデジタル成熟企業の7つの特徴

1.組織間の風通しを良くするため、サイロ化を解消している

テクノロジーリーダーは、テクノロジー投資において無駄が生じることを回避するため、組織のサイロ化を解消し、従業員からのフィードバックを通じて主要なステークホルダーの意見を継続的に聞き、それをプロジェクト運営に活かしている。

2.人材不足の解決に自ら取り組んでいる

先進的な企業では、企業自体が必要な人材を自ら増やすことで、人材不足の解決に努めている。たとえば、大学と連携した取組みでは、学生を教育し、最も需要の高いスキルの習得を促している。また、デジタル成熟企業ほど、従業員が仕事を通じて成長していると実感できるよう工夫している。

3.クラウドに対するステークホルダー間の緊密な連携を構築している

クラウド活用を重視したビジョンを描くIT部門と、クラウドへの優先順位が異なる他のビジネス部門との間の温度差など、ステークホルダー同士の意見の不一致は多くの企業にとってクラウド移行を阻害する大きな要因となっている。

デジタル成熟企業は、専任のクラウド責任者を置くことでステークホルダーの対立解消に注力し、最適な職場環境を整備することでクラウドの効率性を活かし、コストに対する恩恵を最大限に享受している。

4.サイバーセキュリティの専門家が、早い段階でテクノロジー選定や社員研修に必ず関与するようにしている

デジタル成熟企業は、早い段階からサイバーセキュリティ専門家の協力を得ることで、テクノロジーイノベーションによるワークフローを用いて事業を推進している。

投資対象としてIoTへの注目が高まると予想される一方、IoTサービスには大きなサイバーセキュリティリスクが潜んでいる。デジタル成熟度を高めるためには、CISOやサイバーセキュリティチームの協力を仰ぎ、テクノロジーをどの領域でどのように活用し、それが顧客体験にどのような影響をもたらすのかを、初期段階からともに議論していく必要がある。

5.顧客の声を活かした先端テクノロジー戦略を描いている

顧客との関係を維持し市場シェアを守るために、企業は絶えずデジタル機能を向上させ、いかにテクノロジーを活用して期待以上の成果をもたらすかを多方面から考え続けなければならない。

デジタル成熟企業は、顧客にとって最も価値のある成果を生む可能性に賭け、そうした機能を持つ先端テクノロジーに資金を投じている。このアプローチは、経済の先行きが不透明な時代にあっても、より多くの顧客からのブランドロイヤルティを維持するうえで役立つ。

6.顧客体験を向上させるため、プラットフォームプロバイダーを変更する準備を進めている

エンタープライズシステムの構成を簡素化できれば、技術的負債(新たなシステム導入に伴う長期的な維持管理コスト)の削減などさまざまな恩恵が期待できることから、ビジネスニーズに合致するプラットフォームを1つに決めるか、あるいは少なくとも企業全体にわたる技術基盤の種類を減らすことが望ましいとされている。テクノロジーリーダーは、エンタープライズプラットフォームの基盤統合を進め、顧客体験においてシームレスな顧客接点を提供できるよう取り組んでいる。

7.臆せず新たな手法を賢明に取り入れている

デジタル成熟企業は、自社の成功が過度に保守的あるいは完璧主義的な企業文化を生み出し、イノベーションの足かせとなることがないよう工夫している。

出典元:KPMGコンサルティング株式会社

構成/こじへい

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