ローランドは人気のアナログ・シンセのトーンから最新のデジタル・シンセまで、幅広いサウンドを一台で生み出すデスクトップ・シンセサイザー『SH-4d』を2023年3月10日より発売を開始する。価格はオープン価格。
長年の研究開発で培った独自技術によってアナログシンセの特徴を再現
現在のポップ・ミュージックやクラブ・ミュージックでは、「太く温かい」と言われる独特のサウンドや、つまみを操作して直感的な音作りができることから、往年のアナログ・シンセサイザーが根強い人気を誇っている。
楽曲制作においても、その特徴的なアナログ・サウンドと、最新のデジタル・シンセサイザーのサウンドが併用されているが、アナログ・シンセは一般的に高価で、状態が安定しない場合も珍しくはない。
そのため、音作りにこだわりたいクリエイターやミュージシャンでも、アナログ・シンセは気軽に導入できなかったという。
一方、今回発売される『SH-4d』は、初代モデル「SH-1000」以来、現在でも人気の高い同社のシンセサイザー「SHシリーズ」のコンセプトを継承。
50年にわたるシンセサイザーの研究開発で培った独自技術によってアナログ・シンセの特徴を再現し、さらに発展させたサウンドを搭載。デジタルならではの個性的なシンセ・サウンドも装備している。
スムーズで直感的な操作性をコンパクトなボディに凝縮
加えて、こだわりの音作りを可能にするエフェクトなどのツール、ストレスなくスムーズで直感的な操作性をコンパクトなボディに凝縮した。
『SH-4d』には、11種類の多彩なオシレーター・モデル(音色の基礎となる波形を作り出す発振器を再現したモデル)を搭載。ビンテージ・アナログ・シンセの特徴を継承して発展させた「SH-4d MODEL」は、ジャンルや用途を選ばず幅広く活躍するはずだ。
また、「WAVETABEL MODEL」は、エレクトロニック・ミュージックで使われる過激な変化から、80年代風のクラシックなサウンドまで対応する、デジタルならではサウンドを生み出す。
さらに、往年のローランド・シンセ「SH-101」と「JUNO-106」のオシレーター・モデルも内蔵。直感的に操作できるパネル設計でアイデアを素早く具現化し、ストレスなくスムーズな音作りを行うことが可能だ。
多彩な音作りを実現する11種類のオシレーター・モデルとリズム・パート
「SH-4d MODEL」
「SH-2」、「SH-101」など歴代の「SHシリーズ」の特徴を継承して発展させた新開発のオシレーター・モデル。
「SH-3D MODEL」
「SH-4d MODEL」の4つのオシレーターのうち1つをLFOとして使用可能で、より複雑な動きを持つサウンドを生み出す際に役立つ。
「CHORD MODEL」
ワン・ノートでコード演奏ができるユニークなオシレーター。コードをリアルタイムで変化させることが可能。
「CROSS FM MODEL」
豊富な倍音成分を含む特徴的なサウンドを生み出す。
「WAVETABLE MODEL」
パネル上のスライダーを使い、再生ポイントや波形を自在に変化させることができる。
「DRAWING MODEL」
波形そのものを画面の中で自由に書き換えることで、音色に変化を与えることが可能。
「RING MODEL」/「SYNC MODEL」
うねるようなシンセ・リード、個性的なベルなどのサウンドを生成する。
「SH-101 MODEL」/「JUNO-106 MODEL」
ローランドのモデリング技術により、『SH-4d』に合わせてチューニングした往年のシンセ・サウンド。
「PCM MODEL」
アコースティック・ピアノやエレクトロニック・ピアノといった、実用性の高い波形を用意。
「RHYTHM」
ドラム専用パートを備え、さまざまなジャンルで即戦力となるドラム・キットが搭載されている。
高品位でユニークなサウンド・デザイン
32個のつまみと4本のスライダー、効率的に配置した多機能ボタンによりトーンを作成して、すぐにパフォーマンスが可能。強力なマトリクス・セクションでは、LFOやエンベロープ、または外部 MIDIソースを使用してMODELパラメーターのモジュレートにも対応する。つまみへのアサインも簡単にでき、詳細な設定も直感的に行なえる。
多彩で強力なエフェクト
トーンやパターンをイメージどおりのサウンドに仕上げることのできる多彩なエフェクトを搭載。制作やパフォーマンス中にエフェクト・タイプの呼び出しやパラメーターの調整、センド・レベルの設定などを素早く実行できる。
各シーケンサー・パートにも95種類のエフェクト・タイプから選択可能な専用のMFXプロセッサーを搭載。フィルターやドライブ、Lo-Fiエフェクトから、ディレイ、ピッチ・シフター、フェイザー、フランジャー、定番のJUNOコーラスまで、あらゆるスタイルに最適なエフェクトを備えている。
より高度な演奏や楽曲制作が可能
シーケンサーを使用して、思いついたアイデアをコンパクトなループにしたり、それを拡張して楽曲に仕上げることも簡単にできる。最大60音のポリフォニーに対応しており、単体で十分にアイデアを形にすることが可能。5ピンMIDI I/Oや専用のクロック入力、外部の楽器と接続するための3.5mmステレオオーディオ入力も装備している。
SH-4dの主な製品仕様
外形寸法/幅360×奥行き195×高さ66高さmm
質量/1,780g(電池を除く)
電源/USBバス電源(USB Type-C端子)、もしくは単3形電池×4(ニッケル水素電池/アルカリ電池)
付属品/USB Type-C to USB Type-Aケーブル、アルカリ電池(単3形)×4
関連情報
https://www.roland.com/jp/products/sh-4d/
構成/清水眞希