エミライは、アメリカに本拠を構えるNoble Audioの最新IEM(インイヤモニター)「RONIN」の取扱いを開始。2023年3月3日より発売する。
価格はオープン価格。市場予想価格は税込627,000円前後。
RONINは、正確な音描写で高い評価を受けた「KATANA」のサウンドシグネチャーを踏襲する、Noble Audioの新たなフラグシップモデルだ。
“Wizard”ことジョン・モールトン博士が、ドライバー選定やチューニング、クロスオーバーを全面的に見直すことで、全帯域のディテール表現を飛躍的に向上させつつも、新たに力強く、解像感やスピード感に優れた低域を実現したという。
その主な特徴は次のとおり。
静電型ドライバーと2種類のBAドライバーを搭載
搭載するドライバーには、クリアーで耳触りが非常に滑らかな高域・超高域特性を持つ4基の静電型ドライバー、繊細で生々しさを感じさせる中域・高域特性を持つ4基のKnowles製BA(バランスドアーマチュア)ドライバー、力強く過渡応答に優れた低域・超低域特性を持つ4基のSonion製静電型ドライバーをそれぞれ採用している。
このうちBAドライバーは、一般にイヤホンやヘッドホン製品において採用されているダイナミック型ドライバーとは異なり、電気信号を用いて小さな筺体の内部にある2つのマグネット間に配置された小さなリードを振動させることで音波を発生させる構造を採用している。
そんなBAドライバーだが、じつはNoble Audioが採用するメーカーであるKnowles社の創業者Hugh Knowles氏によって発明されたもの。同社は市場の聴覚健康機器の70%のシェアをもち、プロフェッショナルオーディオ、コンシューマーオーディオ問わず広く同社のBAドライバーが使用されている。
一方、静電型ドライバーは従来のダイナミックドライバーやBAドライバーとは全く異なり、静電気の力を使って超薄膜・超軽量の薄膜を振動させる動作原理を用いたトランスデューサーだ。
ただし従来の静電型ドライバーは、高い電圧を確保するための専用アンプが必要であったほか、軽量・小型化に問題があり、イヤホンのシェルに収納することが困難だった。
これに対してSonion製の静電型ドライバーは、専用の昇圧用トランスを搭載することで小型化に成功。従来のイヤホン・ヘッドホン用のアンプ回路でもドライバーを駆動することが可能になった。
青い輝きを放つ重厚なデザインのハウジング
RONINのハウジングには、Nobleが製造した複合樹脂素材を精密機械加工したものが採用されている。
このハウジングにはNoble Audioのイメージカラーでもあるブルー・シルバー・ブラックの3色が複雑に混ざり合った模様が描かれており、ブルーの部分は日本刀の刀身を思わせる金属光沢を備えている。
Eletech製の特製バランスケーブルが付属
Roninのケーブルには、シンガポールで2019年に設立された新進気鋭のケーブルメーカー、Eletech(Element Technology社)製が付属している。
このケーブルはRoninと組み合わせることを前提に音質のチューニングとデザインが施された特別なものだ。
ケーブル導体には「銀メッキ銅」と「ハイブリッド導体(金メッキOCC銅+純銅)」を採用。損失のないピュアな信号伝送を実現するため、ケーブルには7芯シールド構造を、芯線には二重撚り構造が導入されている。
プラグは4.4mmバランス端子、イヤホン側コネクターは2Pin(0.78mm)埋め込み型となっている。なお3.5mmプラグのケーブルは同梱されていない。
RONINの主な仕様
ドライバー数/12基
ドライバー構成/高-超高域用:Sonion製静電型ドライバー 4基、中-高域用:Knowles製BAドライバー 4基、低域用:Sonion製BAドライバー 4基
クロスオーバーネットワーク/3ways
再生周波数帯域/10Hz〜45kHz
能率/114dB(1KHz)
インピーダンス/17Ω(1KHz)
イヤホン側コネクター/ 2-pin / 0.78mm規格(埋め込み型)
入力側プラグ/4.4mmバランス端子
関連情報
https://nobleaudio.jp/ronin/
構成/清水眞希