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Withコロナ時代の経営者に求められる「健康経営」の理念

2023.03.03

新型コロナウイルスの流行から約3年が経過し、これからは感染対策と同時に経済活動を活性化させる「withコロナ」の考え方が重要になってきそうです。

そこで、日本商工会議所 新型コロナウイルス感染症対策室長の山内清行氏、池袋さくらクリニック 院長の倉田大輔氏(経営学修士・健康経営エキスパートアドバイザー)に、withコロナ時代のビジネスパーソンに求められる考え方、働き方について話をうかがいました。

「withコロナ」時代、キーワードは〝デジタル〟に?

編集部:コロナ禍の影響で、ビジネスパーソンの働き方はどのように変わったのでしょうか。また、「withコロナ」という考え方の中で、今後の感染対策と経済の立て直しを、どのように両立していくべきだとお考えでしょうか。

山内氏:コロナ禍によって、デジタル化の遅れといった様々な問題が顕在化したと思っています。また、行動制限なども経て、〝ニューノーマル〟と呼ばれるように、価値観が変わった方も多いでしょう。まず、コロナ禍が落ち着いた後であっても、コロナ前と同じ世界へ完全には戻らないと考えています。

山内清行氏

 例えば、商工会議所は全国で515あります。これまでリアルの会議に参加できるのは300超程度だったのが、ハイブリッド形式にすると515会議所のすべてが参加できるようになりました。いろいろなところで聞くのは、コロナ禍で、若者が地方にすごく目を向けているという話です。コロナ感染の1つの特徴は、大都市から始まったという点で、大都市集中のリスクが顕在化しました。これを感じた人たちが、地方移住を検討したり、デジタルを活用して遠距離でも仕事ができるようになると、新しい働き方が期待できます。

 この流れは今後どんどん活かしていくべきですね。地方出身で都市で就業しているけれど、休日に地元の仕事を手伝っているような人も出てきています。特に専門性の高い人材は大都市に固まりがちですが、オンラインを活用すれば、人手不足が深刻化している地域は助かります。協力する人材も報酬が得られるため、〝Win-Win〟の関係が築けると思います。地方に良質な仕事と雇用を作っていくことが、ニューノーマル時代のキーポイントです。そのためにデジタル化は重要な要素。消費行動や人との交流、エンターテインメントに触れることも、オンラインでできる時代ですから、魅力のある地域、魅力のある仕事をどうやって作っていくのかを、それぞれの地域で考えていかないといけません。

編集部:地方を活性化するというお話をいただきましたが、逆に東京のような大都市に住んでいるビジネスパーソンの働き方は、今後どうなっていくでしょうか。

山内氏:ある程度コロナ禍から回復してくると、もともとの働き方に近づいていくとは思いますね。しかし、コロナ禍で、世界的な獲得競争になっている外国の方が日本に来なくなってしまっている影響で、地域の人手不足が深刻です。

倉田氏:本当に深刻ですよね。

倉田大輔氏

山内氏:そうなんです。特に、コロナ規制で一時経営状況が厳しくて雇用を外に出してしまったところは、呼び戻すことができずにいます。これを克服するためには、先ほども申し上げた通り、デジタルを活用することが効果的です。

 デジタル化が進むと雇用が減るという人もいますが、こう考えるべきだと思います。これまで人が目で確認していたデータチェックをAIに任せて、手の空いた人はほかの必要な仕事に従事できます。あくまで生産性を上げるためのもの。中小企業の多くは、社長が営業や経理、生産など全ての業務に携わっています。会計などの作業はデジタル化し、社長は本業に専念するといった働き方ができるはずです。スーパーなども非接触型になってきていますよね。今は過渡期で、機械の使い方を教える人が必要なので、部分的に人材が必要になっていますが、これもいずれ解消されます。あとは、再び外国の方に戻ってきてもらえるように、魅力のある仕事や労働環境を作っていかないといけませんね。

 これからDX、GXなどでいろいろな仕事が生まれてきます。事業の価値を磨いていくことや、価値ある事業を支える人を確保・育成していくことが大切です。都市部にも各地域にもチャンスはいろいろあるはずです。

 あと、コロナ禍においても、約8割の企業が、新製品や新サービスの開発、人材への投資といった、新たな取り組みを実施しているという調査があります。今回の新型コロナに、物価高などの環境変化もあいまって、生き残るために変わらないといけないという意識が高まってきたともいえる結果です。政府には、こうした自己変革への挑戦を強力に支援してもらいたい。商工会議所も伴走型で全力で支援してまいります。

【参照】東京商工会議所/「中小企業の経営課題に関するアンケート」調査結果

 スウェーデンなど北欧諸国の多くは社会保障が手厚いというイメージが日本では強いと思いますが、実は働くことが前提の社会なんです。ただ、働くことへのモチベーションは高く、自分の仕事が好き、会社が好き、顧客の笑顔が好き、社会への信頼性の高さがあるように感じます。仕事を求める人、技術を持っている人と、それを欲している企業をうまくマッチングさせる、労働移動環境も整っています。技術や知識は自分のために身に着けていくという意識があるのだと思います。日本にも、近江商人の三方良し、売り手、買い手、世間、言い換えると、個人、会社、社会の良しを考える文化があります。社会全体で付加価値と満足度を高めていける働き方を目指していくべきと思います。

 そして、日本は現在、物価高でなかなか価格転嫁ができない状況です。賃上げと言われても、そのためには原資が必要です。商工会議所では、大企業と中小企業の共存共栄で新たな付加価値を適正にシェアしようという、パートナーシップ構築宣言を進めており、現在、1万8000社を超える経営者に宣言へサインしてもらっています。今後は、実効性を高めていくことが重要かと思います。原資確保のために付加価値を拡大し、取引適正化で価格転嫁を推進していく必要があります。難しいですが、適正なものを、適正な価格で売っていく勇気も必要だと思います。付加価値のある事業を生み出す環境整備と、これを支える人材の育成が重要です。

【参照】日本商工会議所/商工会議所LOBO(早期景気観測) 2022年11月調査結果

編集部:人の移動というお話がありましたが、倉田先生はどのように感じていますか?

倉田氏:そうですね。新型コロナの流行当初は移動が危険で、特に都市部には行かないほうが良いという風潮がありました。私自身は、学会や出張で電車や飛行機に乗る必要がありましたが、同乗者がほとんどいないこともあり、「むしろ感染のリスクは少ないのでは」とすら感じてしまいました。

 コロナ禍の3年間で考えていたのは、「移動を制限したら、果たして感染は広まらないのか」という点です。古い話ですが、鎖国をしていた江戸時代にも、長崎の出島から天然痘が入ってきて、日本国内で流行しています。現代社会では国を海外からシャットアウトすることは現実的に難しく、日本が世界から孤立し単独で存在することはできないので、完全に防疫することは非常に難しいと思います。

 また、東京からの観光や出張によって経済が成り立つ地域や場所もあるので、それを制約せざるを得ない状況や、地方に行きにくい風潮を作ってしまうのは、あまり良くないでしょう。

 医療に関していうと、入院や高齢者施設の面会が制約されてしまって、家族の死に立ち会えないという不幸な状態が生じてしまいました。医療機関はどうしても〝感染源となる可能性を極力除く〟ことを優先するので、面会制限はいまだに続いている部分もあります。タブレット端末などのデジタルデバイスを使って、オンラインでの面会を実施しているところもありますが、これは入居者さんに意識があることが前提です。今後はこうした部分も改善が必要だと思います。

山内氏:新型コロナは「2類相当」から「5類」へ引き下げられます。これによって、国民への外出自粛などの協力要請や水際対策も終了します。医療費やワクチン接種の公費負担は当面残るようです。

 マスク着用ルールも変わります。マスク着用を推奨する場面として、医療機関受診時や、症状があるがやむを得ず外出する場合などが明示されました。

 例えば、日本人は風邪などの際にマスクをする文化が元々ありました。着ける、着けないの判断を個人ができるように、正しい情報を発信していかないといけません。ワクチンも、いつまで接種するのかという話になっており、国民が納得するような、政策の目的と効果を示す必要があるでしょう。海外のロックダウンは強制でしたが、日本はあくまで「自己防衛」でやってきました。混乱がおきないよう業種別ガイドラインの見直し作業が進んでいます。ほとんどの部分が廃止されていくと思いますが、わかりやすく明確なメッセージにしないと、日常生活やビジネスの場面で混乱が生じるでしょう。国民のコロナマインドが経済活動の足かせにならないよう、過度に新型コロナを恐れず、必要なデータ、情報を理解していき、適切な認知を進める必要があると思います。

 あと、先ほど倉田先生のお話にあった「面会」についてですが、医療機関や高齢者施設においては難しいというのが、正直なところです。リスクの高い方へのクラスターが怖いので、当面、マスクは必要かもしれません。2類相当から5類に変われば、すぐにすべての病院で発熱外来がなくなるのかというと、恐らくそう簡単な話ではなく、段階的に進むのだと思います。政府としても、丁寧にアプローチしていくことになるでしょう。

倉田氏:そうですね。もし「マスクが必要な世界か必要としない世界のうち、どちらで生活したいか?」と問われたら、個人的にはマスクを必要としない方を選びたいです。医療機関や高齢者施設などの現場では対象となる感染の有無に限らず、手指衛生や感染防護策を行う「標準予防策」という考え方の基で業務を行っています。また、高齢者や免疫の機能が低下し、細菌やウイルスなどの病原菌に感染しやすくなっている「易感染」の方もいる医療機関や高齢者施設への訪問時や、咳などの症状がある場合は、手指衛生・マスク着用などの配慮をお願いしたいです。

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