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昨年1年間でモバイルゲームのプレイ時間が最も長かったのは40代、月平均で43.4時間

2023.02.20

2020年初頭から始まったコロナ禍は、様々な経済活動に影響を及ぼしたが、モバイルゲーム業界では、巣ごもり需要の増加に伴いユーザーが増加した期間でもあった。

これに対して2022年は新型コロナウィルスの影響も小さくなり、数年ぶりに東京ゲームショウなどの様々なイベントがオフラインで開催され、旅行やレジャーなどを久しぶりに楽しむ人も見られた。

巣ごもり需要が縮小してきたと考えられる2022年のモバイルゲーム市場では、ユーザーの時間の使い方にはどのような変化があったのだろうか。

ゲームエイジ総研が運用しているマーケティングデータサービス「iGage(アイゲージ)」では、約240万名のスマートデバイスのユーザーのログを自動取得しており、このデータをもとに「2022年のモバイルゲームのプレイ時間」に関する動向を探った。

2020年と比較すると2022年の累計プレイ時間は10%以上減少

まずは2020年1月から2022年12月の期間中、月に1度でもモバイルゲームをプレイしたユーザー全体のデータから、一人当たりの月間累計ゲームプレイ時間の推移を見ていこう。

この3年間で比較すると、一人当たりのモバイルゲームプレイ時間が最も長かったのは2020年だ。新型コロナウィルスによる緊急事態宣言の発出と、ゴールデンウィークの外出自粛が重なった5月は、一人当たり49.1時間に達した。

延べ時間でみるなら、ひと月の間で丸2日以上に相当する時間が、ゲームプレイに費やされていたことになる。

その後の2年間のゲームプレイ時間は、明確に右肩下がりのトレンドが続く。2022年は過去2年と比べ全ての月で一人当たりの累計プレイ時間が短くなり、ほとんどの月で40時間を下回った。

行動自粛する国民が多かった2020年と比較すると、2022年の累計プレイ時間は10%以上減少していることから、2020年はコロナ禍の巣ごもり需要によってゲームのプレイ時間が大幅に伸びていたことがわかる。

年代別に見た2022年の1か月あたりのゲームプレイ時間

2020年から継続してゲームプレイ時間が減少して迎えた2022年だが、次は、年代別にどの程度の時間をゲームプレイに費やしているのかを見ていく。

ひと月あたりの累計ゲームプレイ時間の平均が最も長かったのは40代の43.4時間。その次に50代の42.7時間、60代の40.2時間と続く。逆に最も少ないのは20代の32.0時間であった。

若年層は比較的カジュアルにゲームプレイするユーザーが多いため、一人当たりの累計ゲームプレイ時間が短くなっていることが考えられる。

一方、40代から60代は、ゲームは一切プレイしないというユーザーも多いが、ゲームをプレイするユーザーに限ると、超時間プレイしているゲーマーが少なくない。

40代はプレイ時間が長くなる傾向のある「戦略シミュレーション」系のゲームユーザー、50代以上は「パズルゲーム」などのプレイ頻度が高いことから、一人当たりの累計ゲームプレイ時間が長くなっていることが考えられる。

最後に2022年の、年代別/月別の月間累計ゲームプレイ時間を見ていくと、全世代で比較すると、30代以上は各月のゲームプレイ時間に大きな変化は見られないが、10代と20代は時期によりゲームプレイ時間が大きく変化していた。

​10代のゲームプレイ時間は、3月、8月、12月に大きく伸びていることがわかる。これは学校の長期休暇の時期と一致しており、10代の学生が長期休暇を過ごす時期には長時間ゲームをプレイしていると考えられる。

しかし、年代が高くなるにつれ、月別による変化は小さくなることから、社会人は学生ほど休暇などの影響を受けていないようだ。

日常の生活行動において、新型コロナウィルスの影響を最も受けた2020年と比べると2022年のゲームプレイ時間は減少したことがわかった。

無料で手軽に始めることのできるモバイルゲームでは、ユーザーのゲームプレイ時間を各ゲームタイトルが取り合っているという状況で、今後もこの減少したユーザーのプレイ時間を奪い合う状況は変わらないだろう。

コロナ禍の行動自粛制限が撤廃され、生活時間の使い方が変化してきている昨今、改めてゲーマーの時間の使い方を把握し、ゲームプレイ時間の維持/獲得に対してどのようにアプローチをしていくのか、タイムシェアを拡大するための戦略が重要になると考えられる。

関連情報:https://www.gameage.jp/igage/

構成/Ara

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