ビジネスパーソンのための病まない働き方とは何か。
飛行機パイロットでもあり、日経産業新聞による日本の人気講師ランキング3位を獲得した、日本マネジメント総合研究所合同会社の理事長の戸村智憲先生に、「心の安全基地づくり」についてインタビューした。
企業に寄り添う姿勢を貫く指導
――初めまして戸村先生、講演や経営指導やメディア出演などでご活躍ですが、「コンサルタント」と呼ばれたくないというお話しは本当ですか?
戸村先生 よくコンサルタントを活用される企業が揶揄なさって、大事な時に「来ん」、問題が起こったら「去る」という「コンサル」とみなされたりします。人手を無駄にかけてタイムチャージを請求する割に、いざという時に役立たない存在とみなされたりするようです。
私はご依頼頂いた企業が、自ら取組み成長できるようなお手伝いをしています。アドバイスに沿ってお客様が自らできることは見守り、主体性を損なわせず、変な介入や余計なタイムチャージを請求しには「来ん」です。
さらに、お客様では対応しきれない場合や、私ならではの活動が必要とされる大事な局面には、すぐそばに飛んで「来る」という「コンクル」タントを目指しているので(笑)、コンサルではなく、アドバイザーや顧問などとして寄り添う活動をしております。
――もともと海外のMBAで各種マネジメント手法を学ばれ、国連の専門官や日本の大学院での講師や、各種の基調講演、企業での指導を積極的に行っていらっしゃいます。
戸村先生 はい、早稲田大学を卒業した後に留学し、アメリカの大学院でMBAを修了しました。その際に、人物評価・学業評価をもとに学長推薦で全米トップ0.5%のみに授与される全米優秀大学院生を受賞することになりました。
博士後期課程(Ph.D)は中退し、国連で専門官として、内部監査業務、略立案業務専門官リーダー、国連職員研修特命講師、人権啓発・人権救済の各種活動や、非軍事組織のテロ対策教育や、SDGs関連の広報・企業誘致業務なども担当してきました。
日本でSDGsってなに?という黎明期やそれ以前の段階から、人権を出発点とするダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I:多様性の尊重・公平性・受け入れあい)の普及啓発をしてきました。
さらに、とかく堅苦しくなりがちなコンプライアンス・内部統制・監査対応や、リスク管理・危機管理・BCPなどに関しても、世の中の変な固定観念や指導法などを排して、人権と心理学的アプローチをベースに、「お互いに幸せになるための取り組み」として柔軟に明るく指導しています。
特に最近、よくご相談を受けるテーマのひとつに、働く人々のストレスマネジメントやメンタルヘルスに関するお悩みがあります。すでに1990年代から提唱されていた概念ではありますが、古くて新しい「心理的安全性」という言葉が、さらに注目度がアップしてきているようです。各方面から講演の依頼をいただきます。