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NVIDIAが金融業界でのAI活用に関する4つの動向を発表

2023.02.16

より正確にリスクを管理する方法を見つけ、効率アップを通じて事業コストを削減

NVIDIAは数年にわたり、世界有数の金融機関との協力を通じて、急速に進化を続けているAI戦略の開発と実行に幅広く取り組んできた。

過去3年間、同社ではこうした金融機関の見解について大規模な調査を実施している。

先日、同社ブログにグローバル金融サービス業のプロフェッショナル約500人を対象に実施した調査「State of AI in Financial Services: 2023 Trends」の結果から、特に重要な4つの知見が紹介されていたので、その概要をお伝えする。

ハイブリッド クラウドは引き続き人気

金融サービス会社も他の企業と同様に、機密データはクラウドに移行できないことを承知の上で、AIのトレーニングや推論にかかるコストを最適化しようとしている。費用対効果を向上させる目的で、計算負荷がかかる多くのワークロードをハイブリッド クラウドに移行中だ。

今年の調査では、回答した企業の半数近くがAI のパフォーマンスを最適化して、コストを削減するためにハイブリッド クラウドに移行しつつあることが判明した。

Oracle Cloud Infrastructureなどの主要なクラウド サービス プロバイダーやプラットフォームからの最近の発表もこの転換の流れを後押ししており、クラウドおよびオンプレミスのインスタンス間でのデータ ポータビリティ、MLOps 管理、ソフトウェアの標準化などは、コストと効率の向上戦略を図る上で必須の取り組み事項となっている。

AIユースケースのトップは大規模言語モデル

アメリカとヨーロッパに拠点を置く企業 (サンプル数は約200) を対象とした調査の結果によると、AIのユース ケースの上位は、自然言語処理と大規模言語モデル (26%)、レコメンダー システムと次善のアクション (23%)、ポートフォリオの最適化 (23%)、不正行為の検出 (22%) となった。

また、メタバース、合成データ生成、仮想世界などの新しいワークロードを挙げる回答者も多くいた。

銀行、商社、ヘッジ ファンドなどは、パーソナライズされた顧客体験を実現するために、これらのテクノロジを採用している。例えば、ドイツ銀行は最近、NVIDIA と複数年にわたるイノベーション パートナーシップを結んだことを発表しており、インテリジェント アバター、スピーチ AI、不正行為の検出、リスク管理などのユース ケースで AI を金融サービスに組み込み、総所有コストを最大 80% 削減することを目指すと述べた。

ドイツ銀行では、NVIDIA Omniverse を利用して 3D 仮想アバターを構築し、従業員向けに社内システムのナビゲートや人事関連の質問への対応をサポートしていく予定だ。

銀行はAIによるさらなる収益拡大の可能性に期待

今回の調査では、AI が金融機関に定量評価可能な影響を及ぼしていることも明らかになった。回答者の半数近くが、AI は自社の年間収益を 少なくとも10% 増やすために有用と述べている。また3分の1以上が、AI は年間コストを10%以上減らすために有用と答えている。

金融サービス業の専門家は、AI が業務の改善にどのように役立ってきたかという質問に対し、特に顧客体験の向上 (46%)、業務効率の向上 (35%)、総所有コストの削減 (20%) を挙げた。

例えば、コンピューター ビジョンと自然言語処理は、財務書類の分析と請求処理の自動化を支援することで、企業の時間、経費、リソースを節約している。

また、AIはマネーロンダリングの防止や顧客管理プロセスの強化を通じて不正行為を防ぐ一方、レコメンダーは企業の顧客やクライアントのためにパーソナライズされたデジタル体験を作り出す。

最大の障害: AI人材の採用と維持

しかし、企業が AI の目標を達成できるようになるまでには、さまざまな課題もある。特にAI専門家の採用と維持が最大の障害であり、回答者の 36% がこの問題を懸念。また、回答者の28%は、AI イノベーションの実現に向けての技術力不足も指摘している。

金融サービスの専門家の26%は、もう1つの喫緊の課題として、モデルのトレーニングと精度向上に必要なデータのサイズが不十分であることにも言及。

この問題は、ジェネレーティブ AI によって作成した正確な合成金融データで AI モデルをトレーニングすることで解決できる可能性がある。

AI に対する経営層の支持は過去最高水準

以上のような課題もあるものの、金融サービス業における AI の未来はますます明るくなっていると言えるだろう。経営層の AI に対する支持の高まりは、今回の調査結果で見られた新たな傾向だ。

回答者の約64%は「自社の経営陣はAIを高く評価し、その可能性を信じている」と回答しており、1年前の 36% という数字から大きく増えている。

また、回答者の 58% は「AIは自社が将来成功するために重要である」と述べており、こちらも1年前の 39% から上p昇している。

金融機関各社は、今後もエンタープライズAIの構築に引き続き取り組んでいく予定。これには、ハードウェア、ソフトウェア、サービスといった AI インフラのスケールアップとスケールアウトも含まれる。

ボトルネックを最小限に抑えながら、データ サイエンティスト、クオンツ、開発者を強力にサポートするには、高度なフル スタックの AI プラットフォームが必要。

経営層は、AI対応アプリケーションの導入によって高い ROI を実現できることを目の当たりにしている。これらのリーダーは、2023 年には、自社全体で AI を拡張し、データ サイエンティストを増員し、アクセラレーテッド コンピューティング テクノロジにさらなる投資を行うことで、AI アプリケーションのトレーニングと展開をサポートする取り組みに注力していくと思われる。

関連情報(英語)
https://www.nvidia.com/en-us/industries/finance/ai-financial-services-report/

構成/清水眞希

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