三井住友DSアセットマネジメントでは経済イベントや市場動向に関するマーケットレポートを発信しているが、今回は「世界第3位に浮上したインドの自動車販売台数」を紹介していきたい。
インドは2023年に中国を抜いて人口世界一になる見通しである一方で、一世帯当たりの乗用車保有率がまだ低く、さらなる市場拡大が見込まれることから、自動車メーカー各社の期待を集めている。
渋滞するグルグラムの高速道路(ハリヤーナー州)
各国市場が低迷する中でインドの自動車販売台数は急回復
報道によれば、インド自動車工業会は、2022年の新車販売台数(乗用車+商用車)が前年比25.7%増の472万台だったと発表。その結果、同国の自動車販売台数は、日本の420万台を抜き、中国と米国に次ぐ、世界第3位に浮上した。
このように近年の世界情勢から半導体不足などから他国の市場が力強さを欠くなか、インド市場の急回復ぶりが目立っている。コロナ感染の落ち着きで消費が回復したことや、同市場の売れ筋の車が半導体を多く使わずに済むことが背景と推察される。
約3年ぶりに開催されたインドモーターショーではEVも注目
インド最大のモーターショー「オート・エキスポ」が1月、約3年ぶりに開催。メーカー各社は需要取り込みに向け、人気のスポーツタイプ多目的車(SUV)や将来有望な電気自動車(EV)の展示を競った。
EV市場はまだ小さいものの、深刻な大気汚染問題を背景にインド政府は補助金などの政策を通じてEVの普及を後押ししており、将来の成長市場として期待されている。
すでにEVを発売している財閥系のタタ自動車や、中国系のBYDインド等が新たなEVを出展したほか、乗用車首位の日系マルチ・スズキはEVのコンセプトカー(2025年までに投入予定)を公開した。
Auto Expo 2023に出展されたBYD
乗用車保有率など拡大余地の大きいインド市場の重要性が高まる
英調査会社「ユーロモニター」によれば、インドの一世帯当たりの乗用車保有率は8.5%と、人口で並んだ中国の40%と比べてかなり低いため、自動車市場の拡大余地は大きいと考えられている。
今後経済発展による中間所得層の増加に伴い、インドの自動車販売台数は飛躍的に伸びると期待されている。
世界の自動車メーカーにとって、一段と拡大することが確実な世界第3位のインド市場の重要性は、今後も増していきそうだ。
EVをはじめとする次世代を見据えた環境対応車の競争が始まりつつあるなか、中間所得層のニーズの取り込みがメーカー各社の明暗を分けるかもしれない。
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構成/清水眞希
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