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本命は誰か?日銀の総裁・副総裁人事で想定される市場の反応

2023.02.08

間近に迫る日銀の総裁・副総裁の任期満了。後任人事をめぐってはどのような名前が浮上しており、また、有力候補者の就任によって、どのような市場の反応が考えられるのだろうか?

三井住友DSアセットマネジメントはこのほど、同社チーフマーケットストラテジスト・市川雅浩氏がその時々の市場動向を解説する「市川レポート」の最新版として、「日銀の総裁・副総裁人事と予想される市場の反応」と題したレポートを発表した。レポートの概要は以下のとおり。

総裁候補の本命は雨宮副総裁と中曽前副総裁だが、両名とも総裁就任に消極的との報道も

日銀の雨宮正佳副総裁と若田部昌澄副総裁は3月19日、黒田東彦総裁は4月8日に、それぞれ任期満了を迎える。後任の人事案は今月、国会に提出される見通しとなっており(図表1)、将来の金融緩和修正に向けた布陣となるか、注目が集まっている。そこで、以下、次期総裁・副総裁として有力視されている候補者の主な顔ぶれを確認し(図表2)、任命された場合に予想される市場の反応について考える。

総裁候補の本命は、黒田体制で異次元緩和を支えた雨宮副総裁と中曽宏前副総裁だ。雨宮氏は、金融政策の企画・立案を行う企画畑が長く、異次元緩和などの金融政策の設計にかかわってきた。中曽氏は、金融システムや市場の危機管理の経験が長く、国際決済銀行(BIS)市場委員会で議長を務めたこともあり、国際派として知られている。ただ、最近では、両名とも総裁就任には消極的との報道もみられる。

山口元副総裁が総裁候補に浮上、ADB総裁浅川氏やコロンビア大教授伊藤氏も総裁候補に

こうしたなか、総裁候補として名前が浮上しているのが、山口広秀元副総裁だ。山口氏は、雨宮氏、中曽氏と同じく日銀生え抜きで、白川方明前総裁時代の2008年から2013年に副総裁を務め、2008年のリーマン・ショックや2011年の東日本大震災などの危機に対応した。高松支店長や企画局長、理事を経験し、日銀内の管理にも精通していると称されている。

また、元財務官の浅川雅嗣アジア開発銀行(ADB)総裁、伊藤隆敏コロンビア大学教授の名前も、総裁候補に名前が挙がっている。浅川氏は、4年にわたり財務官を務め、国内外の経済・金融情勢に詳しく、自民党の麻生太郎副総裁の信頼も厚いとされている。伊藤氏は、財務省や国際通貨基金(IMF)で実務経験を持ち、海外での知名度も高く、インフレ目標を推進する第一人者だ。

どのような人選でも思惑的な市場の反応は一時的、政策を確認する流れに落ち着くはず

副総裁候補には、日銀出身の翁百合日本総合研究所理事長の名前が挙がっている。翁氏は、令和国民会議(令和臨調)の財政・社会保障部会で、平野信行三菱UFJ銀行特別顧問と共同座長を務めており、先月30日に、政府・日銀の共同声明に関する提言を発表した。また、浅川氏を副総裁候補とみる向きもあり、内田真一日銀理事、清水季子日銀理事も副総裁候補に名を連ねている。

現時点で、岸田文雄首相は日銀生え抜きを総裁に起用し、副総裁で独自色を出すとの見方が多いように思われる。市場で緩和修正観測が強まり、長期金利上昇、円高、株安の反応が予想される人選は、山口氏、翁氏などが考えられる。

ただし、誰が次期総裁・副総裁に就任しても、先行きの政策展開を見極めるには時間を要するため、人事案が明らかになった際の市場の反応は一時的にとどまり、政策の方向性を確認する流れに落ち着くとみている。

出典元:三井住友DSアセットマネジメント

構成/こじへい

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