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現役獣医師VTuberの神風すぐるさんに聞く専門知識を武器にするVTuberの在り方

2023.02.13

近年、YouTubeには多種多様のチャンネルが跋扈している。

企業が公式で運営しているチャンネルもあれば、個人が趣味で運営しているチャンネルも。

中には個人でありながらも企業公式チャンネルと同じぐらいの規模の登録者数を有している人もいるみたいで、そういった人は動画配信だけで収益も得ることができるのだそうだ。

さて、こういった時代であるので、YouTubeには面白いチャンネルも結構ある。

最近は声に2DCGや3DCGイラストをあわせて配信する、Vtuberの数も増えているところ。

今回こちらの記事で紹介するのも、そのVtuberのおひとりである。

現役の獣医師でありながら獣医師Vtuberとして、多忙な中に合間を縫って動画を配信している「すぐる先生のアニマルクリニック」管理人、神風すぐるさん。

この神風すぐるさんにコンタクトをとり、そもそもどうしてVtuberになろうと思ったのか。そしてどういった動画を配信しているのかについて、インタビューを敢行した。

Vtuberというカテゴリーに関してはまだそこまで深く認識していないものの、専門家の知識を気軽に摂取してみたいという方には、ぜひ読んでいただきたい。

獣医師Vtuberになったきっかけは、新型コロナウイルス感染症だった

松本 最初に、獣医師Vtuberとしての活動をスタートさせたきっかけを教えていただけますでしょうか? あわせまして、すぐる先生の獣医師としての活動の内容について、ご説明をいただけますか?

神風すぐるさん きっかけはコロナ禍で犬猫にコロナウイルスが移るという情報が出回ったときですね。最初に動画を作ったのもこれについての内容でした(現在は非公開)。

動物病院でもこの類の電話の問い合わせが多く、未知のウイルスと報道されていく中で漠然とした不安感があり、これは人獣共通感染症を勉強した獣医師がひとつ情報発信しなければ、と思いました。

動画チャンネルに関してはコロナだけでなく、人獣共通感染症について獣医師が発信できるプラットフォームになれたら、と思って活動しております。

また動物に関する些細な悩みも動物病院では聞きにくい現状があり、そのあたりも誤解なく伝えられたらなと思っております。

飼い主さんがペットの病気に関する知識を得るためのコンテンツ作成が「すぐる先生のアニマルクリニック」の存在意義!

松本 すぐる先生のYouTube動画を拝見しますと、感染症についての分かりやすい知識の提供がコンテンツとして多く見られます。

(上記画像が「すぐる先生のアニマルクリニック」バナー画像となる。色使いが爽やか)

ペットを飼う上で飼い主さんが知っておくべき情報も多く見られるのですが、これらの情報を動画として配信しようと思ったきっかけなどはあるのでしょうか?

神風すぐるさん 動物病院の現場で実際に目の前にした患畜たちをみて、飼い主さんが「病気の知識をしっかり知っていて予防していたらこの子は病気にならなかったのに」と後悔する場面も多くあります。

臨床現場では時間の許す限りお伝えしますが、どうしても全てを伝えることはできません。それは私の説明力不足でもあると感じます。

動物を飼っている多くのリスナーさんの意見を聞きつつ、自分ができるより良い説明やコンテンツ作りをして、たくさんの方にペットに関する基礎的な知識を持って頂きたいというのが私の目指すコンテンツです。

「日本は数少ない清浄国!」狂犬病予防のための啓発活動にも熱心なチャンネル

松本 すぐる先生が公開されております動画には、狂犬病に関するコンテンツも複数見られます。

日本は現状、世界でも数少ない狂犬病清浄国ということですが、その日本で狂犬病についての情報を動画で積極的に公開している理由について、ご教示いただけますと幸いです。

神風すぐるさん 日本では『狂犬病予防法』という法律にもあるように狂犬病ワクチンを犬に年に一回接種することは義務となっています。

多くの飼い主さんがこの法律を守っているからこそ、かつて日本でも発生があった狂犬病が現代では抑えられ、世界でも有数な狂犬病清浄国として犬や猫と安全に安心して過ごせる日常があるのです。

しかしながら、リアルでもネットでも狂犬病に関するデマや噂が蔓延っていて、実際に狂犬病ワクチンを飼い犬に打たせない、なんて人もいます。

厚生労働省が公開している、令和3年度の「都道府県別の犬の登録頭数と予防注射頭数等」によると、全国平均の注射率は70.9%ですので、実際に飼い犬に狂犬病予防注射を受けさせていない飼い主さんがいらっしゃることも数字として表れています。

また、犬を飼った場合は市町村の役場に登録をしなければならないのですが、犬を迎え入れたものの、この登録をしていない飼い主さんもいる現状を見るに、現実にはもっと接種率は低いと考えます。

原因のひとつとして、狂犬病を目の前で見たことがない獣医師の私がいうのもなんですが、実際に狂犬病を見たことがない飼い主が多く、問題意識が薄れていると感じます。

なのでこの状況を少しでも改善したいと思い、毎年9月28日が世界狂犬病デーに合わせて世界各国の日本人獣医師と狂犬病について語る、という配信を行っています。

今は国家資格や専門資格を持った人たちがVtuberになる時代!

松本 ところで、獣医師Vtuberとしての活動をする上で、何か変わった体験をなさったことはありますでしょうか?

獣医師とVtuberという取り合わせが個人的にも面白いと思っておりまして、私が勝手に「面白い体験をしていそうだ」と考えているだけなのですが……。

神風すぐるさん 実際に獣医師免許を見せているわけではないので、活動の最初のほうは「本当に獣医師ですか?」というコメントが多くありました(笑)。

見せてもいいんですけど、そこはまず発信している内容で勝負しようと思いました。

また、私と同じように国家資格や専門知識を持ったVtuberが“学術Vtuber”として情報発信をしていると知った時に「みんな同じこと考えるものだな」と思いました。

面白いことにみなさん専門知識を多くの人に分かりやすく伝えたい、という大きな目的は一致していました。

より良いペットライフを楽しむために…今現在ペットと暮らす読者さんに、神風すぐるさんからのメッセージ

松本 最後になりますが、すぐる先生からこの記事を読んでいて、なおかつペットを飼育している方々に対して、何かメッセージをいただけますでしょうか?

神風すぐるさん 今メインで発信している人獣共通感染症についての情報は、人とペットが健やかに生活する上でとても大事なもので欠かせません。

是非とも分からないことがあれば、かかりつけの先生に聞くなり私に聞くなりしてもらってより良いペットライフをお送りして頂ければな、と思います。ペットを飼っていなくともこの人獣共通感染症の知識はいざという時に役にたつと思います。

また日々報道されているように豚熱や鳥インフルエンザなど畜産分野でも大変な思いをされている関係者もいます。

ペットには直接関係がないですが、私たちの健康や食卓を脅かす動物の感染症にも皆様興味を持っていただけるよう動画や配信作りをしていきますので是非ともご覧ください。

獣医師によるYouTubeでの分かりやすい情報提供。無料で公開されているのでチャンネルを覗いてみては?

ということで、今回は現役獣医師Vtuberの神風すぐるさんにお話を伺うことができた。

専門家の有する知識を、YouTubeというプラットフォームで気軽に閲覧できるというのは、ペットを飼っている人すべてにとっては嬉しいコンテンツである。

やっぱり、自分のペットにはまだ直線関係がない症状についての些細な点が気になったぐらいで必ず動物病院に相談に行くという人ばかりではないだろうし……そういう時に、たとえば「すぐる先生のアニマルクリニック」に気軽に「こういう症状についての専門家の見解が知りたい」とコメントをしてみると、後日その疑問に対応した動画が配信されるということも、きっとあるはず。

「すぐる先生のアニマルクリニック」は他にもペットと暮らす人向けの災害対策や、動物病院の料金が高い理由について解説する動画など、多数のコンテンツを配信しているので、ちょっと暇な時にでも、ぜひチェックしてみてはいかがだろうか。

文/松本ミゾレ

【取材協力】
神風すぐる
YouTubeチャンネル「すぐる先生のアニマルクリニック」
Twitterアカウント(獣医師@すぐる先生)

【参考】
厚生労働省「都道府県別の犬の登録頭数と予防注射頭数等」

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