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「糖尿病」という病名が変わるとどんな影響が生じるのか?

2023.02.10

日本糖尿病協会が「糖尿病」という名称の変更を検討する方針を明らかにした。今後、日本糖尿病学会とも連携し、具体的な検討を進めていくという。

糖尿病という病名は私たちの生活に根付いている言葉だ。なぜ今、変更を検討する必要があるのか。日本糖尿病協会理事の津村和大さんに話を聞いた。

糖尿病のある人が生きやすい世の中を創る活動のひとつ

糖尿病は血液中の糖の値(血糖値)が高い状態が続くことで、さまざまな臓器に合併症を起こす疾患だ。糖尿病の総患者数は、予備軍も含め約2,000万人いるといわれる。

「高血糖の主な原因は、すい臓から分泌されるインスリンというホルモンの作用不足です。高血糖状態が続くと全身で動脈硬化が進み、さまざまな病気を引き起こします。たとえば、比較的太い血管に影響が及ぶと、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高まります」

糖尿病は、その原因から大きく4つほどに分類されるが、日本では95%が2型糖尿病だと推計されている。この2型糖尿病では、もともとの体質(遺伝的特性)と、食べすぎや運動不足による肥満などの後天的な要素の両方が関係して、インスリン分泌量の低下や作用の減弱に繋がるという。

「糖尿病は多くの場合、複数の要因が絡み合って発症します。“本人が暴飲暴食したことが原因だ”と簡単に決めつけることができないのです。また、近年は治療技術が飛躍的に向上したことで、血糖マネジメントを良好に保ち、糖尿病のない人と変わらない健やかな生活を送ることができるようになりました。それでも、“食生活が乱れている”、“寿命が短い” などの誤った認識が未だに残っており、糖尿病がある人に対する偏見を助長し、差別を生んでいます。この偏見や差別が、糖尿病があるという理由だけで “生命保険や住宅ローンに加入できない”、“就職が不利になった” といった不当な現実を生み出しているのです」

今回の病名変更の動きは、糖尿病のある人に対する誤解や偏見を取り除き、安心して治療に取り組み、より快適に生きて幸せになるためにどうしたらいいのかを考える中で生まれたひとつの取り組みなのだ。

言葉が変わればイメージも変わっていくことが期待できる

糖尿病という言葉に紐付けられて、社会から向けられるネガティブなイメージが固定化しています。病名変更や代替呼称の提案は、このような問題を解決する手段のひとつになるかも知れません。たとえば、“痴呆”という用語が“認知症”に置き換わるなかで、病気に対する社会の受け止め方が変わってきた歴史があります。呼び名が変わったことで認知症のある人が抱えていた生きづらさが全て解決したわけではないでしょうが、少しずつ社会がよい方向に前進しています。糖尿病に関しても同じように取り組むことで、糖尿病のある人が生きやすい世の中を創りたい

病名を変える案が出ているという事実が広まるだけでも、糖尿病のある人が抱える悩みや苦労に目を向けてくれる、そんな人々が増えるに違いないという。

「糖尿病という病名を変えなくとも糖尿病のある人が幸せに社会生活を営めるようになれば、それだけでも十分なのかも知れません。しかし、わが国の糖尿病を取り巻く現状やほかの疾患の歴史を知るほどに、病名について考え直すことの意義は極めて大きいと考えるようになりました。この歩みの先に、糖尿病に対する負の烙印(スティグマ)が払拭された幸せな社会があればと願っています」

日本糖尿病協会の活動だけでは、病名変更は実現できない。日本糖尿病学会との協調、日本医学会全体での議論、さらには厚生労働省をはじめとする行政機関との協議を含む社会全体の合意が欠かせないそうだ。「糖尿病」とう病名が今後どうなっていくのか、情報を追っていきたい。

津村和大さん
日本糖尿病協会理事。神奈川県糖尿病協会会長。川崎市立川崎病院病態栄養治療部長。長く糖尿病の診療・研究企画・市民啓発活動に携わり、日本糖尿病協会・日本糖尿病学会の合同アドボカシー委員を務める。

取材・文/田村菜津季


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