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YouTuberが感じたTikTokやYouTubeショートのように動画コンテンツが「ファスト化」する理由と問題点

2023.02.07

情報を調べる時に用いられるツールとして、従来は書籍やインターネットなどが用いられてきましたが、最近では文章を読まなくても動画や画像で視覚的に理解できるYouTubeやInstagramといったSNSを用いる方も増えてきています。また、新しい潮流として、TikTokやYouTubeショートと言った1分未満のショート動画を情報源として使う方もいることでしょう。

このように情報コンテンツは近年、より手軽に・より短時間化する(=ファスト化する)方向に向かっています。もちろん、デジタルコンテンツが普及したことにより、従来より手軽に情報が短時間で大量に集められるのは良いことです。ただ一方で、情報コンテンツがファスト化することにより「情報が浅くなる」「間違った認識をする」といった弊害も生じてくることは間違いないでしょう。

情報がファスト化していく理由とは?

冒頭からサビで入る邦楽曲が多くなる傾向であったり、映画のあらすじを10分ほどでまとめたファスト映画が違法にアップロードされ、視聴数を集めて問題になったりと、様々なコンテンツがファスト化していることを実感している方も多いのではないでしょうか。

では、このような流れはなぜ生まれたのか? それは人間の可処分時間に対し、様々な人の興味を引くコンテンツが増えすぎたことが原因でしょう。結果的に、もっと効率的・もっと早く・もっといろいろなコンテンツに出会いたいと思う中で、本などの時間のかかるコンテンツが衰退していき、動画やショート動画と言ったコンテンツが好まれるようになってきています。そしてその波は、エンタメに限らず、情報収集にも同じような波が押し寄せています。

発信者サイドからみたファストコンテンツの問題点

私自身、4年前から金融系のYouTuberとして、「投資情報を知りたい」という人向けに、20分程度の解説動画を作り続けてきました。ただ最近では、YouTubeのプラットフォーム上で、1分未満のショート動画を奨励するような動きもあることから、同じジャンルのYouTuberの中でも、ショート動画で解説動画を作るという流れもでてきています。

また、このような流れは金融系に問わず、料理やPCスキルなど、様々なジャンルに見られます。

ただ、情報発信者としてショート動画で意識することは「1分未満という短い時間で、いかにインパクトのある内容を発信するか」ということに注力せざるを得ません。このため、細部の情報などをそぎ落とす必要があり、誤解を生みやすく浅い内容になってしまいます。

当然このような事情を発信者サイドは理解していますが、問題は視聴者の受け取り方です。情報がそぎ落とされていると知らない視聴者にとっては、ショート動画で得た知識が全てであり、重要な背景や注意点を知らずして「わかったつもり」になってしまうのです。また、YouTubeやTikTokといったプラットフォームでは、その動画が拡散されるかはアルゴリズム(AI)の評価に左右されます。そしてアルゴリズムが「拡散するに値する動画かどうか?」と判断する要素としては、「視聴者に本質的に役に立ったか」ではなく、「動画のクリックが多かったのか」「動画の視聴時間が長かったのか」という部分にあります。

そのため、発信者からしても再生数を稼ぐためには、役に立つ情報ということよりも、アルゴリズムに良い評価をされるように注力します。結果的に、役に立つ動画というよりも「わかった気になる動画」が量産され、拡散されていくのです。

情報コンテンツがファスト化する中で気を付けるべきこと

情報が溢れる中で、今後もコンテンツがファスト化することは間違いないでしょう。ただファスト化されたコンテンツに触れて情報を得ている人は、その情報を鵜呑みにしたり、間違った認識をするリスクが高いです。このため社会として、コンテンツはファスト化していく傾向にありますが、自分が情報収集する際にはあえて「手軽さ・短時間で」というものを避け、じっくりと情報収集していくという心掛けが重要になることでしょう。

また、書籍などのファスト化されていないコンテンツのメリットは、情報収集を行う上で、知りたかった情報のほかにも副次的に様々な情報に触れられることです。そしてこのような目的としていなかった情報が、時に自分の視野を広げ、新たな情報収集のきっかけになるのです。

文/ぽんちよ
投資系YouTuber。2019年10月からYouTubeチャンネル『投資家ぽんちよ』を開設し、投資や副業、セミリタイアに関わることを発信している。サラリーマンとして働きながら活動していたが、2022年3月にFIRE達成。YouTubeチャンネルはこちら

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