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国内スタートアップの資金調達金額が前年を下回るも2年連続で1兆円超え

2023.02.04

 

世界経済の不安定化により資金調達の「春の時代」は過去のものに

日本を含めた世界の多くの国や地域がウィズコロナへ移行した2022年。需要の急速な拡大に供給が追いつかず、ロシアによるウクライナ侵攻はエネルギーや食糧の調達不足を引き起こした。

結果として発生したインフレに対し、アメリカを中心とする世界の中央銀行は利上げを実行。世界経済の不確実性は今も高まり続けている。

一方、国内のスタートアップ・エコシステムに目を向けると、グロース市場を中心とした株価の下落が資金調達環境に変化をもたらした。目安となる上場企業の株価が低下したことを受け、未上場のスタートアップもこれまでのような高い評価で資金調達をすることが難しくなった現在。

売上高と評価額の関連を示すPSR(株価売上高倍率)マルチプルが「これまで20倍程度だったのが5倍になった」との指摘も聞かれる。資金調達のいわゆる「春の時代」はすっかり過去のものとなった。

こうした環境下で、2022年の資金調達はどのような規模となったのか。

成長産業支援事業を推進するフォースタートアップスはこのほど、同社サービスである『STARTUP DB (スタートアップデータベース)』において「2022年年間 国内スタートアップ投資動向レポート」を公開した。

本レポートは『STARTUP DB』が独自に収集したデータをもとに、スタートアップ、投資家、新規組成ファンド、IPO、M&Aなどの多様な切り口から、2022年の国内スタートアップの投資動向を分析したものであり、ここではレポートより一部抜粋した調査結果を紹介する。

合計資金調達額と資金調達実施件数は前年を下回るも、1兆円を超える水準保つ

上図は、年間における合計資金調達金額の推移を表している。2022年の年間を通じての資金調達額は約1兆1,386億4,800万円だった(エクイティファイナンスに、返済義務のある資金を借り受けるデットファイナンスなどを合計した金額)。21年は通年で約1兆3,318億8,800万円だったため、前の年と比べて1,932億4,000万円ほど減少した。

また、資金調達の実施件数は3,717件であり、2021年は4,176件だったため、前年比で459件のマイナスとなった。

背景には、資金調達環境そのものの悪化が挙げられると考えられる。特に強い影響を受けたのは上場を具体的に見据えるレイター・プレIPOのスタートアップで、上場先のグロース市場の株価が低下したことから評価額などの面であおりを受けた。前段階にあたるミドルステージのスタートアップなどに一部で波及している可能性もある。

一方で、ここ数年、新規ファンドの組成が相次いでいたことから、投資に充てられていない待機資金(ドライパウダー)も残されており、調達額・件数をそれぞれ底支えした。調達額は21年と比べれば減少したものの、20年からは約2,611億6,200万円の増加となっている。

合計資金調達金額の推移

上半期では、Synspectiveによる119億円の資金調達が発表されるなどした3月や、LegalOn Technologies(当時はLegalForce)が137億円を調達した6月が、上昇カーブを描いた。大型調達が相次いだのは下半期で、10月には自然電力の700億円、UPSIDERの467億円の調達がそれぞれ発表され、グラフにも現れている。11月にはタイミーが183億円を調達。UPSIDERとタイミーはいずれもデットファイナンスによるものだった。

2022年4月以降は月間合計資金調達金額とあわせ、合計資金調達実施企業数も大幅に減少

2022 年に起きた事象のうち、マクロ経済に大きな影響を与えることになった要因として、2月24日に始まったロシアによるウクライナ侵攻、そして3月のアメリカの中央銀行による利上げなどが挙げられる。3月までの調達件数は1,057件で、21年(993件)よりも高いペースで推移していた。一方で、9月あたりからは如実に鈍化していて、この頃から資金調達環境への影響が表面化し始めた可能性がある。

<調査概要>
タイトル:STARTUP DB 2022年年間 国内スタートアップ投資動向レポート
・調査機関(調査主体):自社調査:フォースタートアップス株式会社
・調査対象 :当社サービス『STARTUP DB』が取得した登記簿謄本、プレスリリース、ニュース情報に記載している情報
・有効回答数(サンプル数) :16,000社
・調査方法(集計方法、算出方法) :期間内のデータを集計
・レポート記事:STARTUP DB

※フォースタートアップス株式会社が取得した登記簿謄本に記載している情報を元に参考値として算出しているが、フォースタートアップス株式会社は、本情報の正確性、信頼性、完全性を保証するものではなく、本情報に基づいて被ったいかなる損害についても一切責任を負わない。

出典元:フォースタートアップス株式会社

構成/こじへい

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