マーケティング・リサーチ会社のクロス・マーケティングは、家庭に人体認識技術を搭載した機器を設置してテレビスクリーンへの「注視」データを測るREVISIOと、コネクテッドテレビの視聴傾向の研究結果をまとめた『コネクテッドTV白書2023』を共同で発表した。
今回の研究では、クロス・マーケティングが実施したSCR調査3万5000名、本調査2000名のアンケートデータとREVISIOが保有するCTV調査パネル798名から得られるCTV視聴データを利用している。
共同研究の背景と目的
インターネットに接続したテレビ「コネクテッドテレビ(CTV)」の普及に伴い、これに対応した広告市場も拡大が進んでいる。
告主の注目度が高まる一方で、CTVを評価して分析するための意識データや視聴データはまだ数が少ない状況だという。そこで『コネクテッドTV白書2023』では、意識データと注視データを掛け合わせることで、CTVユーザーの実態を深く分析。
動画サービス毎の視聴データやふたり以上で視聴する共視聴の傾向などをさまざまな切り口でまとめてあり、今後のCTVの展望を考えるためのヒントになりそうだ。
『YouTube』はすでに「第6のキー局」?
CTVを利用している視聴者がどのような動画サービスを見ているかについては、地上波の利用時間が動画サービスと比べても長いことがわかる。動画サービスの中でも『YouTube』は、地上波と同等かそれ以上に見られているようだ。
※CTV利用世帯における、テレビデバイスでの地上波テレビ+動画サービスの平均利用時間/日
※REVISIO計測によるデータを元に集計
最も共視聴されやすいのは『TVer』
REVISIOでは、視聴者の誰が誰といつ注視しているかがわかる。
さて、ふたり以上でテレビを視聴する時の実測データの「ふたり以上でテレビを注視していた時間の割合」と、クロス・マーケティングのアンケートデータで「ふたり以上でテレビを視聴すると答えた人の割合」を比較すると違いがある。
ふたり以上でテレビ視聴する動画サービスは、アンケートでは「地上波」が1位だったが、実測データでは『TVer』が1位という結果だった。『TVer』は、一緒に観るコンテンツが豊富で、共視聴する時の選択肢にあがりやすいと考えられる。
動画サービスは地上波よりも注視
地上波や動画サービスの中で何を視聴者がもっとも注視しているかを見ると、『Disney+』、『Netflix』が高い注視を獲得している。動画サービス全体が地上波よりも注視されている傾向にあり、視聴のタイミングやコンテンツを自分で選んでみる動画サービスの方が良く見られていると考えられるという。
https://www.cross-m.co.jp/report_all/
https://revisio.co.jp/download/RKFpw_Cn
構成/KUMU
出典元:クロス・マーケティングとREVISIOの共同研究による『コネクテッドTV白書2023』