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世界の経営幹部3000人に聞いた「2023年の懸念事項」

2023.02.01

 

経営幹部の85%は「何から始めればよいのか分からない」と回答

グローバル・コンサルティング・ファームのアリックスパートナーズはこのほど、世界のCEOおよび経営幹部がディスラプションをいかに捉えているかを調査した「アリックスパートナーズ・ディスラプション・インデックス2023年版」を発表した。

本調査は、世界主要9カ国3,000人のCEOを含む経営幹部(以下、経営幹部)を対象に、経営上の最大の懸念事象や「ディスラプション(ビジネス、市場、ビジネスモデルを変えてしまうような破壊的な経営環境の変化と定義)」が組織に与える影響を明らかにするために実施したものだ。

景気後退が迫り、地政学的リスクが懸念される中、ビジネス環境も絶え間なく変化しており、世界の経営幹部は自社がディスラプションに対処する必要があることを認識している。

成長を続ける企業のリーダーは、こうした課題に対処するために既に行動を起こしているが、多くの経営幹部が実際に迅速に対応策を打つことに及び腰になっており、85%は何から始めればよいのか分からないと回答している。

経営幹部の懸念事項

世界の経営幹部の31%(日本では29%)が現在、ビジネスモデルの見直しを進めており、98%(日本では96%)が内外の様々なディスラプションに対応するために今後3年以内にビジネスモデルを変える必要があると認識している。サプライチェーンやエネルギー問題は引き続き大きな課題となっているが、今年の調査では、以下のように新たな懸念分野も明らかになった。

イノベーションの阻害:回答者の87%が「新しいテクノロジーやデジタルソリューションへの投資に必要なリソースがある」としている一方で、66%が「それらの導入プロセスにおいて取締役会が阻害となることが多い」としている。

技術進化の速さ:回答者の56%が「自社が追いつけないスピードでテクノロジーが急速に進化している」としている。

社会と従業員の期待への対応:成長企業の経営幹部うち52%が「環境および社会的な懸念から非常に大きな影響を受けている」と回答し、4人に3人近く(73%)が「従業員の価値観や好みの変化が経営の混乱を引き起こしている」と回答している。

スキルクライシス:回答者の40%が「自社の人材パイプラインの充足が緊々の課題である」としている。

これらの特定分野の懸念事象に加え、経営幹部は迫り来る世界的な景気後退がもたらす脅威も認識している。経営幹部の82%(日本では90%)が景気後退や景気悪化が1年以上続くと予想している。不況への対応策として、24%(日本では18%)では人員削減、19%(日本では22%)が雇用の一時停止を検討している。

他国の経営幹部と比較すると、日本の経営幹部は以下のようなリスクに若干楽観的であることが浮き彫りになった。

サプライチェーン:サプライチェーンの混乱は今後12カ月に緩和されると見込む日本の経営幹部は59%であるのに対し、グローバル全体での回答は44%に留まった。

インフレ:今後24カ月にわたりインフレの影響が続くと予測する経営幹部は日本企業では51%だったが、グローバル全体では6割(61%)を超えている。

不況:不況の影響は今後24カ月にわたって続くと予想する北米の経営幹部は56%であるのに対し、日本での回答は48%に留まった。

成長企業のリーダーはビジネスモデルを変革するために行動

半数以上(57%)の企業が「今年中にビジネスモデルを変更する」と回答する一方、対応の遅い企業では25%に留まっている。また、サプライチェーンの立て直し、優秀な人材の確保、ビジネスの変革など、あらゆる面で業績が向上しているにもかかわらず、さらに多くのことに挑戦している企業も見受けられる。

この結果から、成長リーダーは、破壊的な力が襲ってくることにより大きな懸念を持つと同時に、より多くの場合において行動を起こしていることがわかる。成長リーダーは行動を起こすことによって、ビジネスモデルを変革し、破壊的な力に反応するのではなく、それを克服、活用し場合によっては新たな破壊的な力を創造する。

アリックスパートナーズCEOのサイモン・フリークリー氏は次のようにコメントしている。

「パンデミックによってビジネスリーダーはディスラプションが不可避であることを認識しましたが、それは単なる予行演習に過ぎません。変化は容赦なく訪れ、パンデミックをうまく乗り切ったことを振り返る暇さえありません。昨今のビジネス環境はすぐに好転することが困難な状況まできており、経営幹部は組織を率いる上で前例のない課題に直面しています。

しかしながら、本調査結果では、それらの課題に対して準備を整え、素早く行動するリーダーたちの存在が明らかになりました。迅速な意思決定を持って行動する企業には、容赦ない破壊の中でも自ら適応し、企業を成功に導く絶好の機会をつかむことが可能です。行動力のないリーダーはさらに取り残される一方で、チャンスを見出し行動に移すことのできるリーダーこそが、企業を成功に導くことができるのです」

他方、アリックスパートナーズのアジア共同代表兼日本代表の野田努氏は次のように述べている。

「日本を含むグローバルのビジネスリーダーは、ディスラプションに対応するために自らのビジネスモデルの転換の必要性を痛感しています。但し個々のリスク要因についての危機意識は、各国で異なっています。日本のビジネスリーダーは、未だに新型コロナウイルスの負の影響を引きずりながらも、サプライチェーンの分断、インフレ、不況のリスクについては、他国に比べやや楽観的に構えているように映ります。各リスク要因について引き続き注視し、想定外の状況への備えが必要となるでしょう」

<調査概要>
対象者:売上高1億ドル超の企業の経営幹部3,000人(25歳から65歳、ディレクター以上の役職)
対象国:アメリカ、カナダ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、スウェーデン、中国、日本の9カ国
調査期間:2022年9月1日 ~ 2022年11月17日
業界:航空宇宙・防衛、自動車、消費財、エネルギー・電力、金融サービス、ヘルスケア・ライフサイエンス、メディア・エンターテイメント、小売、テクノロジー、通信・ケーブルの10業界

出典元:アリックスパートナーズ

構成/こじへい

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