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利上げは打ち止め?2023年の米国社債市場はどう推移していくのか

2023.01.29

2022年の米国投資適格社債市場は、世界的な物価上昇と金融引き締めが強く意識されたことなどから価格が下落し、利回りは11月7日に6.02%まで上昇した。

その後は、米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げペースを鈍化させるとの見方が強まり、同市場は回復(利回りは低下)基調にある。一方、足元では、2022年12月の小売り統計が前月比▲1.1%と弱めとなり、企業の2022年10-12月期決算も悪化するなど、景気・業績には逆風が吹いている。

こうした中、2023年の米国投資適格社債市場はどのような推移が想定されるだろうか。そこで三井住友DSアセットマネジメントはこのほど、(1)政策金利、(2)企業ファンダメンタルズ、(3)景気・企業業績、という視点から米国投資適格社債市場の見通しについてまとめたマーケットレポートを公開した。

利上げは打ち止め、2024年から利下げへ移行

(1)利上げは2023年春の終了が見込まれる

米国では消費者物価指数の上昇が緩やかに減速している。背景には、(1)需給緩和により自動車価格が低下に転じたこと、(2)小売りに過剰な在庫が積み上がっていること、(3)コロナ規制緩和後の航空運賃の強い伸びが一巡したこと、などが挙げられる。今後は家賃の上昇が鈍化に転じると想定され、消費者物価指数はもう一段の減速となりそうだ。

インフレ鈍化の兆候が明らかになる中、FRBの利上げペースも鈍化すると予想される。三井住友DSアセットマネジメントは、政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利は2、3月に0.25%ずつ利上げされ、4.75-5.00%のレンジに引き上げた後、FRBは景気(雇用)の減速を受けて様子見に転じると予想している。2024年になるとFRBは1-3月から1四半期に1回、0.25%ずつの利下げを開始すると予想している。

(2)政策金利と米国投資適格社債OAS

政策金利と、投資適格社債と国債の利回り格差(オプション調整後スプレッド(以後、OASまたはスプレッド))について確認した。歴史的にみると利上げ終了後、様子見の局面でOASは総じて安定して推移し、政策金利が低下に転じる局面でOASが拡大した時期があることがわかる。特に顕著に拡大した時期は、(1)2002年9月、(2)2008年11月、(3)2020年3月だ。

(1)2002年9月……ITバブルの崩壊を受けてFRBは利下げに転じたが、2001年9月の同時多発テロやエンロンやワールドコムといった有力企業の会計不正が相次ぎ、2002年9月にOASはピークを形成した。

(2)2008年11月……9月に「リーマンショック」が起こった。金融システム不安が高まり、景気が大きく冷え込んだ。OASは歴史的な拡大となった。

(3)2020年3月……2020年のOAS拡大は、コロナショックで事業リスクが大きく上昇したことが背景だ。

以上確認したように、利上げ終了後、OASはしばらく安定した推移が予想される。一方、利下げ後に起きたOASの拡大は不正会計による業績信頼度の低下、金融機能不全による資金繰りの悪化、パンデミックによる事業リスクの拡大が要因だった。

また、1990年頃、95年頃、98年頃は利下げ後もOASは拡大していない。企業財務を直撃するような大きなショックが起きない限り、OASの極端な拡大は回避できると思われる。

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