在宅ワークの普及などにより自宅にいる機会が増えている昨今。過ごしやすく快適な室内空調をエアコン制御におまかせする人も多いだろう。そんな室内空調を整えるためのエアコンセンサーの進化が止まらない。
人の感情を推定する世界初のセンサー「エモコアイ」
三菱ルームエアコン霧ヶ峰「Zシリーズ」2023年2月発売予定
2023年度モデルの三菱「霧ヶ峰」に新たに搭載されたのは、非接触で高精度に人の脈波を計測・解析し感情を推定する世界初のバイタルセンサー「エモコアイ」。
バイタルセンサー「エモコアイ」
三菱電機、富士通コンポーネント、カレアコーポレーションと共同で開発した「エモコアイ」は、脈波を取得する計測部と脈波を解析するライブラリを搭載した解析部を1つのセンサー内に実装。
このセンサー単体で、非接触による高精度な計測から分析、見える化まで必要な情報処理を行なう。
これにより、計測した脈波から、「集中度」「リラックス度」「眠気度」「疲労度」といった人の感情を推定し、推定結果を見える化してアプリ上で確認することが可能となった。
このバイタルセンサー「エモコアイ」のほか、従来の赤外線センサー「ムーブアイmirA.I.+」を組み合わせることで、これまでの快適性と省エネ性の両立に加えて、気持ちに合わせて空気を整える空調を行なう「エモコテック」を世界で初めて実現。
室温や体感温度、気流などを自動調整し、くつろぎやすい室内環境に整えるなど快適性をより向上させるという。
関連情報:https://www.mitsubishielectric.co.jp/home/kirigamine/
人を探知して10,000通りの風向調整を行なう「レーダー」
東芝「大清快」
また、東芝のルームエアコン「大清快」では、車の自動運転技術や気象観測にも使われている「レーダー」を業界で初めて搭載。
人の位置や動作をリアルタイムで検知して10,000通りの風向調整を行なうことができるので、部屋の中を移動しても自動的に追従して「風あて」「風よけ」の制御が可能。移動するたびに風の向きを変えるなどの手間がなくなり、快適に過ごすことができる。
関連情報:https://www.toshiba-lifestyle.com/jp/air_conditioners/
換気の適切なタイミングを知らせる「CO2センサー」
シャープ「Xシリーズ」
そのほかシャープのプラズマクラスターエアコン「Xシリーズ」は、業界で唯一となるCO2(二酸化炭素)センサーを搭載。
コロナ禍で定期的な換気の実施が定着しつつあるが、換気の適切なタイミングがイマイチわからないため、窓を開けながら強いパワーで運転し、無駄な電力消費が発生、というケースも多かった。
「Xシリーズ」に搭載されたCO2センサーは、二酸化炭素濃度を測定できるため適切な換気のタイミングをアナウンスすることが可能。
また、換気状況を判別し、換気中は電力消費を抑えた運転、換気後に室温をすばやく設定温度に戻す「換気連動運転」も搭載した。これにより換気中の無駄な消費電力を削減し、換気後にすばやく快適な空間を実現することができる。
家庭用エアコンのセンサーの進化は、自宅での過ごしやすさ向上のほか、省エネ性向上にもつながる。在宅ワークで集中力アップを求める人や昨今の電気代高騰で高まる省エネニーズにより、最新センサーの搭載が今後、エアコンを買い替えるうえでの注目ポイントになるのは間違いなさそうだ。
文・構成/小櫃謙