ペイパルマフィアがもたらしたものとは?
そもそもなぜペイパルから独立した人材の多くが起業に成功したのか、その秘密を探る多くの議論がこれまでも度々されてきました。
もちろんビジネスの世界で失敗には共通点があり、成功には再現性がないという意見もあるので、明確な答えは分かりません。
しかしペイパルには採用する際にスキルだけでなく、その人物の才能を重視した採用を行っており、これが金融とテクノロジーのシナジー効果を生み出す要因にもなったはずです。
いずれにせよ米国社会は絶えず傑出した起業家を輩出しており、こうした起業家が生まれるサイクルが米国経済を加速させているのではないでしょうか。
おわりに ペイパルマフィアから学ぶ起業カルチャー
ピーター・ティールは採用面接で必ず聞く質問があるようです。
それは「賛成する人がほとんどいない、大切な真実はなんだろう?」という問いかけです。
あなたはこの質問に対してどのように答えるでしょうか?
こうした決められた答えのないものに対して、どのような仮説を立てて答えを導き出すのか。
そのためには異なる視点で物事を捉えるクリエイティブな力が必要ではないでしょうか。
またピーター・ティールは「起業において良い時代も悪い時代もない」とも発言しており、どの時代においても誰も気づいていないことに目をむけることの重要性を語っています。
例えば日本経済は今後も人口減少によって衰退していく事が確実ですが、
こうした時代の中にも必ずチャンスがあるはずです。
新たなビジョンを創造し続けることは起業家だけでなくビジネスパーソンにとっても重要な思考ではないでしょうか。
何より同時代を生きる私たちにとって、ペイパルマフィアは大きな刺激を与える存在であり続けているのです。
文/鈴木林太郎