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ランボルギーニを象徴する自然吸気V12エンジンが「アヴェンタドール」に至るまでの軌跡

2023.01.25

アヴェンタドール、シアン、カウンタック LPI 800-4、そしてエッセンツァ SCV12に搭載

1963年の設立以来、自然吸気V12エンジンはランボルギーニを代表する数々の名モデルを駆動する心臓であった。これらのスーパースポーツカー用に設計されたエンジンは、今日までわずか種類しか存在しない。

最初のエンジンは実質的にレース用のエンジンを公道用に「手を加えた」もので、ジオット・ビッザリーニ氏による設計だった。

ランボルギーニが初めて世に送り出した350GTでそのデビューを飾った。

もうひとつつのエンジンは、技術的な主要コンセプトには手を加えずに設計し直したもので、2011年発売のアヴェンタドールで導入された。

ランボルギーニにとって大きな技術的前進を果たしたこのエンジンは、パワーと信頼性に新しい基準を打ち立てた。

最初のエンジンは、出力向上、そして後には燃費や排気量の大幅削減を図るため、幾多の改良や進化を経ている。1963年から2010年の間に搭載位置も変わった。

当初、350GT、400GT、エスパーダではフロント搭載で、シリンダーヘッド、クランクケース、ピストンをアルミニウムを多用して重量を232kgまで抑えた。

続くミウラでは、90度回転させた横置きリアミッドシップのレイアウトを採用。その後のカウンタックからは、重量配分のバランスを考慮し、さらに90度回転させた縦置きでリアミッドシップに搭載した。

エンジンは、350GTの3.5リッターからムルシエラゴの6.5リッターへと大型化が進むにつれ、軽量化が必要となり、シャーシ内にエンジンが占める割合を抑えるために新しい素材や技術を採用した。

現在のV12は、ランボルギーニのアヴェンタドール、シアン、カウンタック LPI 800-4、さらには830PSを叩き出すサーキットカーであるエッセンツァ SCV12の中で鼓動する心臓となっている。

V12と共に始まったランボルギーニの輝かしい伝統

V12は誕生した瞬間から、洗練を極めた最高峰のエンジンとされてきた。ビッザリーニ氏は、レースの世界にランボルギーニが参入するチャンスとしてを設計。ところがフェルッチオ・ランボルギーニ氏は、それを新モデル用の量産エンジンとすることを選び、現在まで続く運命的な歴史が始まった。

ランボルギーニの元最高技術責任者のマウリツィオ・レッジャーニ氏は次のように語っている。

「ランボルギーニの物語はV12と共に始まりました。1960年代、があらゆる自動車の技術、華やかさ、スポーティーさの極みであることは明白でした」

350GTとその派生モデルの後、V12は1966年にミウラ、1971年にカウンタック、1990年にディアブロに搭載され、ムルシエラゴで最後を迎えた。

5.2リッターのバージョンは1986年にランボルギーニ初のスーパーSUVであった LM 002に搭載され、その汎用性を世に証明した。通常はオフショアレース用のパワーボートに使用される7.2リッター、700PSのV12を中心に据えた、特別な独自仕様の LM 002も製作された。

横置きリアミッドシップという考え方の革新的な変化

量産車用エンジンとして、各シリンダーバンクに初めてDOHC(ダブルオーバーヘッドカムシャフト)を採用したことでV型の角度を広げ、それによって重心も低くすることができた。

ミウラでは、より良い重量配分とホイールベースの縮小を図るため、横置きリアミッドシップというエンジンレイアウトを選択。ギアボックスとデフケースはパワートレインと一体化され、この伝説的なスーパースポーツカーを全体的にコンパクトにまとめることができた。

レイアウトを刷新、エンジンを移動することで重量配分を調整

カウンタックでは、重量配分をさらにうまく行うことを目指し、同じエンジンを使用しながらも搭載位置をミッドリアに移してさらに90度回転させた。最初の350GTに比べると、180度回転させたことになる。

さらにギアボックスはエンジンの前、実質的に「コックピット内」に配置した。最終的には、カウンタックのエンジン排気量は5.2リッターまで拡大した。カウンタックのV12は、1986年式では米国の型式承認も受けている。

ランボルギーニにとって一つの節目となったこの型式承認は、公害規制の厳しい国でキャブレターの代替として使用される電子式燃料噴射システムを採用することで実現された。

レッジャーニ氏は、次のように述べている。

「排気量アップでエンジンが大型化したため、重心を車体後方に移さざるをえませんでした。そのため運転が難しくなり、オーバーステア気味になります。そこでレイアウトを刷新し、エンジンで重心を移動させました。カウンタックのエンジンはパワートレインのレイアウトと搭載位置という意味で、今日までつながる何世代ものエンジンの、まさに第一号でした」

ディアブロ VTで初めて4輪駆動の要求に応える

1985年、新しいスーパースポーツカーで使用するV12の開発作業が始まった。ディアブロはエンジン排気量を5.7リッターに拡大し、最高出力を492PS/6800rpmに引き上げて1990年に発売された。

1993年に登場したディアブロ VTでは、ランボルギーニのスーパースポーツカーで初めて4輪駆動バージョンを用意。また、ル・マン24時間レースのサポートレースとして初開催されたスーパースポーツトロフィーのレースカーとして、ディアブロ SV-Rも製造。2009年から始まるスーパートロフェオ選手権以前はランボルギーニ最大のレーシングプログラムであったスーパースポーツトロフィーには、32台のディアブロ SV-Rが出場した。

1998年のディアブロ GTは、1999年にデビューする第2世代のスタイリング要素を実質的に初めて採用したディアブロで、エンジンには大きな技術的改良をさらに加えた。

特筆すべきは、エンジンのスロットルレスポンスを向上を狙って各シリンダーに個別のスロットルボディを装備したこと。これは大きな変更であるだけでなく、同様の技術が2023年のレースで競う新型ウラカンGT3にも組み込まれていることを考えると、時代を先取りしたものであった。

ムルシエラゴの登場による新たな挑戦

アウディがランボルギーニの過半数の株式を取得したことで、変革の波が押し寄せる時代が到来。新しく親会社となったアウディは、ランボルギーニのアイデンティティと独自性を守る必要性を理解していた。

レッジャーニ氏は次のように話す。

「私たちは、アウディとランボルギーニとの間に境界線を引きながらニーズを尊重する関係を築くことができていました。当初から、アウディはランボルギーニに求めてよいことと、求めてはいけないことを認識しており、両社はその違いを活かすことでより良いバランスを生み出していました。

株主とグループ内の他のブランドの両方で認識されていたランボルギーニの独自性が、私たちの成功の鍵の一つでした。V12の開発で実証できたことは私たちに自信をもたらし、それはガヤルドで世に送り出したV10をチューニングし、他のすべてのモデルを明確にランボルギーニ独自の方法で開発することにつながりました」

新しい親会社の下、V12の進化についても異なるアプローチが取られた。焦点は出力アップから、厳しさを増す規制に対応するために体積効率へと移っていった。その好例の一つが、2001年に発表されたムルシエラゴの最高出力580PS、6.2リッターのV12エンジン。2007年の改良では排気量が6.5リッターに拡大し、670PSの出力が可能になった。これに加えて車両は100kgの軽量削減を果たし、数カ所にわたって改良を施したエンジンには、排油ポンプを使用してオイルを再循環させるドライサンプ式の潤滑装置を備えた。これによってクランクシャフトと車体の最下部との距離が縮小でき、ハンドリングを向上させることができた。

ランボルギーニはムルシエラゴ用のV12の開発によって、アウディ内でのポジションを確立することができたが、その新しい機会を活用し、ランボルギーニのデザイナーたちに新たな目標を設定させたのは、45年ぶりのV12の新規開発であった。

アヴェンタドールのために新規開発

さらにレッジャーニ氏は、以下のように述べている。

「エンジンを一から設計するときにまず考えなければならないことは、どのような分野の走行でもどのような観点からでも守る必要のある境界条件は何か、ということ。ランボルギーニにとってアヴェンタドールは、出力、重量、性能に加えてグループから求められていた信頼性をも達成できることを証明する、最終リハーサルのようなものでした。

結果がすべてを物語っています。販売台数は当初予測の倍に上りました。これはアヴェンタドールの成功を如実に示している数字だと思います。年を経るごとにさまざまな修正や改良を施しましたが、エンジニアリング的な観点からはまったく同じエンジンのままです。

ムルシエラゴの作業を開始した時点では、エンジンは6.2リッター、出力は平均して620PSから640PSでした。アヴェンタドールでは6.5リッター、700PSからスタートしました。

アヴェンタドールの生産期間中に少なくとも10パーセントの出力アップが必要であることは承知していたので、これは大きなチャレンジでした。ユーロ5の排出ガス規制を考慮する必要もあり、ランボルギーニにとってアウディ傘下初のプロジェクトであることから、グループによって課せられた要件もすべて満たさなければなりませんでした」

アヴェンタドールのエンジン公開は2011年だった。最高出力は690PS/8250rpm、排気量は6.5リッター。その後2013年にLP700-4、2015年にLP750-4、2016年にスーパーヴェローチェに向け改良を加えていった。エンジン出力は2019年のSVJの登場と共に759PSに引き上げ、公道仕様モデルのアヴェンタドールの最後を飾る2021年のUltimaeでは780PSに拡大された。

公道走行用の型式承認不要のサーキット専用モデル、エッセンツァにも同じエンジンが搭載されている。エッセンツァでは最高出力は830PSに達している。

レッジャーニ氏は、以下のように話す。

「ランボルギーニのV12は、830HPを出すことのできるEssenzaのV12で頂点に達しました。エンジンは同じものですが、フィルターや防音部材がないためにエキゾーストの背圧が低くなっており、インテークフィルターでの圧力降下も低くなるため、体積効率が向上します。構造の観点から、このV12の成功は優れたエンジンが感動とパワーという点で最初から独特なものを実現できるということを証明しています。そのポテンシャルは、熱力学・機械的な構成部品に明確に示されています」

アヴェンタドールは、純粋な自然吸気V12エンジンを搭載する最後のランボルギーニとなった。2023年第四半期には、ハイブリッドの最初の章が幕を開ける。

関連情報:https://www.lamborghini.com/jp-en

構成/土屋嘉久


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