「お米×テクノロジー」のバイオマスプラスチック「ライスレジン®︎」を開発するバイオマスレジンホールディングス。プラスチック用途の米作りを全国展開し、新しい農業モデルの構築を目指します。
大量につくられている作物に新しい価値を
同社の前身であるバイオマステクノロジー社は、従来廃棄されるお米を使ってらいすレジンを製造し、「お米のおもちゃ」などを開発していました。需要の高まりを予測して、新潟県南魚沼市で自社工場を建設したのが2017年。「南魚沼産コシヒカリ」のブランドを持つ象徴的な地域でも、農家の収入減や耕作放棄地に悩まされていました。それだけに、環境対策と農家再生を両立するビジネスの必要と、将来性を感じたのです。
現在、いずれも現地の企業とのジョイントベンチャーで、熊本、福島、ベトナムのハノイで3つの工場を運営しています。2022年から本格的に全国展開を開始していますが、今後も単独で自社工場を各地に建てるのではなく、地域との企業や団体と連携して進める見込み。
資本が限られるベンチャー企業にとって、協業による水平展開は、スピード感を持って事業を拡大できる戦略です。この点でも、設備投資が軽いライスレジンのメリットは大きいと言えるでしょう。
原点は、およそ30年前、商社に勤めていた代表の神谷氏の体験にさかのぼります。
米国のある穀物メジャーが運営する、トウモロコシのバイオマスプラントを訪れた神谷氏。今ほどバイオマスの技術は定着していませんでしたが、「これほど大量につくられている作物に、新しい価値を与えようとするのは、ビジネスとして当然だ」という考え方に、カルチャーショックを受けたと言います。
トウモロコシと同様に「お米は食べるモノ」という固定概念を超えた資源として、捉え直したことで、さまざまな可能性が見えてきました。同じように、見方を変えれば活用できる豊富な資源が、私たちの生活や仕事の周りにも埋まっているかもしれません。
バイオマスレジンHD、高付加価値な新しい農業モデル構築に向けバイオマスプラスチック用途の米作りを全国へ展開
取材・文/ソルバ!
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