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覚えておきたい自己破産で処分される財産と処分されない財産

2023.01.19

借金の返済が困難な方にとって、自己破産は経済的に立ち直るための解決策になり得ます。

自己破産については、財産が処分されてしまうことを懸念する方が多いです。

たしかに、自己破産は財産の処分を前提とする手続きですが、処分されない財産もあることを知っておきましょう。

今回は、自己破産をした際に処分される財産・処分されない財産の区別や、自己破産後の生活資金を確保する方法などをまとめました。

1. 自己破産とは

自己破産とは、債務(借金など)を支払えなくなった人(=債務者)につき、その所有する財産を換価・処分して債権者へ配当した後、残った債務を免除する手続きです。

債務者の財産等を適正かつ公平に清算しつつ、債務者に経済的再生の機会を与えることを目的として、破産法によって自己破産の手続き・ルールが定められています。

2. 自己破産で処分される財産・処分されない財産

自己破産手続きでは、裁判所が選任する破産管財人により、債務者の所有する財産が処分され、債権者への配当に充てられます。

しかし、すべての債務者財産が処分されるわけではなく、手元に残せる財産もあります。自己破産をした場合に、処分される財産・処分されない財産の区別は以下のとおりです。

2-1. 自己破産をすると処分される財産

自己破産をした際に処分される財産は「破産財団」と呼ばれます。

破産財団に属するのは、以下の財産です。

(1)破産手続開始の決定時点において、破産者が有する一切の財産(破産法34条1項)
→日本国内にあるか否かを問いませんが、後述のとおり例外があります。

(2)破産手続開始前に生じた原因に基づき、破産者が行使し得る将来の請求権(同条2項)
→たとえば、破産手続開始前に貸したお金の返済請求権のうち、破産手続開始の決定時点では弁済期が到来していないものなどが該当します。

2-2. 自己破産をしても処分されない財産

自己破産をしても処分されない財産は「自由財産」と呼ばれます。

破産手続開始の決定よりも後に取得した財産(=新得財産)は自由財産に当たり、破産手続きに基づく処分の対象になりません。

また、破産手続開始の決定時点で破産者が有する財産のうち、以下のものは例外的に破産財団から除外され、自由財産となります。

(1)99万円以下の現金(破産法34条3項1号)

(2)差押禁止財産(同項2号)
・生活必需品(衣服、寝具、台所用具、畳、建具など)
・1か月間の生活に必要な食料、燃料
・事業のために不可欠な財産
・礼拝または祭祀に欠くことができないもの(仏像、位牌など)
・系譜、日記、商業帳簿
・勲章
・学校などでの学習に必要な書類、器具
・未公表の発明、著作
・義手、義足
・公的年金の請求権
・給与債権の4分の3(手取り月額44万円超の場合は、33万円以下の部分のみが差押禁止)
・生活保護費
など

(3)拡張された自由財産(同条4項)
→破産手続開始の決定が確定した日から1か月以内に、裁判所によって破産財団から除外された財産です(=自由財産の拡張)。
自由財産の拡張は、財産の種類・額、破産者が収入を得る見込みその他の事情を考慮して、裁判所の判断により行われます。

3. 自己破産後の生活資金を確保する方法

自己破産をすると財産が処分され、その後の生活が成り立たなくなると懸念する方は大勢いらっしゃいます。

しかし、実際には以下の方法によって、自己破産後の生活資金を確保することができます。

3-1. 自由財産を確保する|拡張の申立ても検討すべき

99万円以下の現金や生活必需品など、生活を送るために最低限必要な財産については、自由財産として処分の対象外となります。まずは自由財産をリストアップして、自己破産後の生活の目途が立つかどうかを検討しましょう。

また、本来は処分されるべき財産でも、裁判所の判断によって自由財産の拡張が認められることがあります。裁判所の運用にもよりますが、20万円以下の預貯金などについては、自由財産の拡張が認められるケースが多いです。

自己破産後の生活に不安がある場合には、自己破産の初期段階で、自由財産の拡張も併せて申し立てましょう。

3-2. 開始決定後の収入はそのまま得られる|安定した仕事を探すべき

破産手続開始の決定後の期間に対応する収入は、新得財産として破産手続きによる処分の対象外となります。

したがって安定した仕事に就いていれば、給与の手取りをそのまま自己破産後の生活資金に回せるため、生活不安の心配はありません。

一方、無職の方や定職に就いていない方は、ハローワークなどを通じて、1日も早く安定した仕事を探しましょう。

3-3. 仕事に就けない場合は雇用保険・障害年金・生活保護など

安定した仕事に就ける目処が立たない場合や、障害により就労不可能な場合などには、以下の公的制度を利用することが考えられます。

(1)雇用保険
会社を退職した後、失業中の一定期間に限り受給できる保険金です。ハローワークで申請します。
参考:雇用保険手続きのご案内|ハローワークインターネットサービス

(2)障害年金
障害によって就労などが制限される場合に受給できる年金です。最寄りの年金事務所などで申請します。
参考:障害年金|日本年金機構

(3)生活保護
最低限の生活を送るための生活費を賄えない方が受給できる公的扶助です。市区町村(または都道府県)の福祉事務所で申請します。
参考:生活保護制度|厚生労働省

取材・文/阿部由羅(弁護士)
ゆら総合法律事務所・代表弁護士。西村あさひ法律事務所・外資系金融機関法務部を経て現職。ベンチャー企業のサポート・不動産・金融法務・相続などを得意とする。その他、一般民事から企業法務まで幅広く取り扱う。各種webメディアにおける法律関連記事の執筆にも注力している。東京大学法学部卒業・東京大学法科大学院修了。趣味はオセロ(全国大会優勝経験あり)、囲碁、将棋。
https://abeyura.com/
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