2億画素カメラの実力は? 解像度以上に注目な暗所性能
カメラも、Xiaomi 12T Proの注目機能だ。同モデルには、2億画素のメインカメラに加え、800万画素の超広角カメラや200万画素のマクロカメラも搭載されている。メインカメラとその他のカメラのスペックに大きな落差があるのは気になるところだが、コストパフォーマンスを追求するうえでのトレードオフと言えるだろう。メインカメラは、画素数が多いだけでなく、センサーサイズも1/1.22インチと大型だ。この高画素を生かし、4つのピクセルを1つにまとめることでピクセルピッチを1.28μmまで高めることができる。
2億画素のメインカメラは、レンズもさすがの大きさ。ほかには、800万画素の超広角カメラや200万画素のマクロカメラを備える
2億画素のカメラは、うたい文句どおりで、暗所に強い。夜景はもちろん、少し薄暗い室内でも被写体をしっかり捉えて、ノイズや破綻の少ない写真を撮影可能。明るい場所ではいわずもがな。AIでの補正も相まって、風景や料理がパッキリと映えた写真に仕上がっている。ただし、ズームで自動的にピクセルビニングを解除する機能は搭載されていないようだ。2倍程度なら気にならないが、10倍まで拡大するとボンヤリとした写真になってしまう。
夜景を撮影。暗所のノイズが少なく、HDRでダイナミックレンジも広がっているため、目で見た以上にきらびやかなイメージだ
やや光量の少ない店舗で撮った料理写真。こちらも、明るさは十分だ。標準ではAIがオフになっていたが、仕上がりは自然
風景写真は、空が明るく色味も精細。ディテールの描写がきっちりしている
画素数をそのまま生かした撮影も可能だ。ただし、こちらは、使いどころが限定的。撮影時にHDモードを呼び出すと、5000万画素に切り替わる。2億画素をフルに生かしたい時には、撮影時に表示される「200MP」というボタンをタップする。すると、2億画素すべてを使った写真を撮ることができる。後から拡大しても、それなりにディテールが残った画像になるのが特徴。ズームするかどうか迷った時には、このモードを使うといい。
2億画素で撮ると、拡大するだけでここまで寄れる。後からズームしたい時に便利だ
ただし、画素数が大きいぶん、データサイズも一気に上がってしまう。筆者が撮影した上記の風景写真は64MB。それだけ情報量が多いということだが、そのままのサイズだとGmailに添付することすらできず、取り回しがしづらい。また、2億画素モードだと、ピクセルビニングが解除されるため、ピクセルサイズが小さくなる。暗所がやや苦手で、このモードの弱点だ。明るい場所で撮影する場合に限定された機能ということは覚えておきたい。
たった1枚で64MBものサイズになってしまった。ソフトバンク版はストレージが256GBと大きいが、128GBのオープンマーケット版には少々厳しいサイズかもしれない
一方で、超広角カメラは800万画素。中央部分は比較的キレイに写っているものの、周辺のディテールがややぼやけて見える。上記の風景写真と同じシチュエーションで撮ったものだが、やや空の青みも強すぎるように見える。メインカメラ以外は、ハイエンド端末として少々物足りないと言えるだろう。一般的なハイエンドモデルに搭載される望遠カメラにも非対応。2億画素のセンサーを生かし、もう少し劣化の少ない高倍率ズームを搭載してほしかった。
先のスクランブル交差点を超広角カメラで撮影。特に周辺のディテールが不鮮明だ