現在、ビッグデータを分析して企業の経営戦略に活かしていく「データサイエンティスト」に注目が集まっています。近年、AIの発展によってビッグデータを活用した機械学習が取り扱えるようになった一方で、データを扱える人材であるデータサイエンティストが不足していると言われています。
しかし、データサイエンティストとはどのような役割なのか、そもそもなぜ注目されたのかが分からない方も多いでしょう。
この記事では、データサイエンティストについて解説します。
データサイエンティストとは
データサイエンティストとは、合理的な判断をおこなうために必要となるさまざまなデータを分析する人のことです。意思決定時には、担当者の経験や勘を頼りにするのではなく、さまざまなデータをもとに算出したほうがより精度の高い判断をしていけます。データにもとづいた判断をしていく組織を「データドリブン」な組織とも呼びます。
データドリブンな組織を目指すためにも、重要な役割を担っているのがデータサイエンティストです。
データサイエンティストが注目された背景とは
そもそも、データサイエンティストに注目が集まった背景には、主に以下の3つが考えられます。
・ビッグデータの活用が進んだ
・SaaSの導入が増えた
・AIの進歩
ビッグデータの活用が進んだ
ビッグデータとは、名前のとおり大量のデータを表します。
近年は企業で扱うデータの量が増えているため、適切な管理をしていく必要があります。管理ができてないと、データ活用がスムーズに進みません。データサイエンティストは、ビッグデータを活用するための基盤を整えるために重要な役割を担っています。
SaaSの導入が増えた
SaaS(Software as a Service)とは、利用者がサービス利用に集中できるシステムの提供形態です。自社で運用するシステムと違い、サーバーのメンテナンスやアプリケーションのバージョンアップなどを提供する業者に一任できるため、運用負荷の軽減につながり、多くの企業で導入が進んでいます。
SaaSの導入が増えることで、データ収集もしやすくなりました。SaaS同士のシステム連携がしやすく、APIなどの活用によってデータ連携もスムーズに実装できるため、データ分析にも取り組みやすいです。こうしたデータの連携を実現するためにデータサイエンティストの力が必要となります。
AIの進歩
近年は、AIや人工知能を活用したシステムが多く誕生しています。
そんなAIの実装に欠かせないのが学習データです。AIの実装時には膨大なデータを学習させ、少しずつ精度を向上させていく必要があります。データ量が少ないと、共通している事柄を導き出せないため、AIの精度が低くなるでしょう。データサイエンティストは、こうしたAIに学習させるためのデータ整備なども担当します。