360度スピーカーによる自然なサウンドを実現したピアノがさらに進化
ローランドは、アコースティック・ピアノの美しい音色とその歴史に敬意を表しながら、電子技術によって実現できるピアノのさらなる可能性を追求し続けている。
そんな未来のピアノを提案するコンセプト・モデルとして、2020年に「Facet Grand Piano」を、そして2022年に「創業50年記念コンセプト・モデル・ピアノ」を発表。
そしてローランドは、創業50年を迎えるにあたり、2022年に発表した電子ピアノのコンセプト・モデルの機能をさらに強化。より立体的で自然なサウンドを実現するアップデート・バージョンを世界最大級のテクノロジー見本市「CES 2023」(米国ラスベガス、現地時間1月5日~8日開催)にて発表した。
「創業50年記念コンセプト・モデル・ピアノ」は、家具ブランドのカリモク社との共同設計による、国産のナラ材を採用し、温かみのある木目調を活かした丸みを帯びたデザインが特徴。
同社の主要な歴代ピアノや最新のピアノ音色を内蔵したほか、自然なタッチとレスポンスを楽しめる鍵盤を搭載している。
そしてCES 2023で発表のアップデート・バージョンは、ピアノの鍵盤蓋とトップサイドに合計14個のスピーカーを配置した「360度スピーカー・システム」を採用した。
あらゆる方向に発音可能なスピーカーは、それぞれ個別に音量を調節することができ、従来のステレオ・スピーカーを搭載している電子ピアノに比べて立体的で臨場感溢れるピアノ・サウンドを実現しているという。
一方、ピアノの音色は、ピアノ本体から発せられる音だけでなく、壁や天井などに反射して生じる空間の響きも大切な要素となる。
この空間の響きを再現するために、ピアノの周囲に浮遊するドローン・スピーカーを使用することをローランドは構想した。最新のドローンに取り付けたスピーカーから音が降り注ぐことで、演奏者を包み込む圧倒的な音場を生みだすことができるという考えだ。
このドローン・スピーカーを実現するために、音の遅延の少ない同社独自のワイヤレス技術を採用。さらにプロペラ・ノイズの少ない、静かに飛び、かつ移動する将来のドローンと、スピーカーを組み合わせたシステムの実現に向けて開発を続けていくとのこと。
関連情報:https://articles.roland.com/ja/soaring-sound-meet-the-piano-of-the-future/
構成/Ara